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【統計検定®︎2級対策】正規分布・二項分布・標本平均の分布

Last updated at Posted at 2026-01-04

以下の統計検定2級®︎対策動画で用いられているスライドの一部です。

統計検定®2級対策オリジナル問題であり、非公式です。
※統計検定®は一般財団法人統計質保証推進協会の登録商標です。


問題

ある工場で製造されるネジの長さは、平均 80mm, 標準偏差 5mm の正規分布に従うとする。

無作為に抽出した1本のネジの長さが 85mm 以上である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。

① 0.025 , ② 0.159 , ③ 0.341 , ④ 0.500 , ⑤ 0.841


解答

② 0.159


ポイント解説:正規分布と標準化

この問題は、正規分布に従う事象について、ある値以上になる確率を求める問題です。キーポイントは 「標準化」 です。

  • 正規分布とは

    • 平均値を中心に左右対称な釣鐘型の分布。
  • 標準化とは

    • 平均が0、標準偏差が1の 「標準正規分布」 に変換する操作。
    • これにより、どんな正規分布でも共通の尺度で評価でき、標準正規分布表を用いて簡単に確率を計算できます。

ポイント解説:なぜ重要か?

世の中の多くの現象(身長、体重、測定誤差など)は正規分布に近似できることが知られています。

「標準化」 を学ぶことで、これらの現象において 「ある出来事がどのくらい珍しいか」 を客観的な確率で評価できるようになります。

応用例

  • 品質管理:規格外の製品がどのくらいの確率で発生するか予測
  • 教育:テストの偏差値の計算

ポイント解説:確率変数とその分布

この問題の確率変数は、無作為に抽出した1本のネジの長さ $X$ です。

  • $X$ は、平均 $\mu = 80$, 標準偏差 $\sigma = 5$ の正規分布 $N(80, 5^2)$ に従います。

  • 標準化された確率変数 $Z$ は、以下の式で定義されます。
    $$
    Z = \frac{X - \mu}{\sigma}
    $$

  • この $Z$ は、平均 0, 標準偏差 1 の標準正規分布 $N(0, 1)$ に従います。


問題(再掲)

無作為に抽出した1本のネジの長さが 85mm 以上である確率はいくらか。

求めたい確率: $P(X \ge 85)$


解答の根拠(1/2):標準化

  1. 確率変数の設定

    • ネジの長さを確率変数 $X$ とすると、 $X$ は正規分布 $N(80, 5^2)$ に従います。
  2. 標準化

    • $X$ を標準正規分布に従う確率変数 $Z$ に変換します。
      $$
      Z = \frac{X - 80}{5}
      $$
    • $X = 85$ を代入すると、
      $$
      Z = \frac{85 - 80}{5} = \frac{5}{5} = 1.0
      $$
    • したがって、$P(X \ge 85)$ は $P(Z \ge 1.0)$ と等しくなります。

解答の根拠(2/2):確率の計算

  1. 確率の計算
    • 標準正規分布の性質より、$P(Z \ge 1.0) = 1 - P(Z < 1.0)$ です。
    • 標準正規分布表から $P(Z < 1.0)$ の値を調べると、約 0.8413 です。

$$
P(Z \ge 1.0) = 1 - 0.8413 = 0.1587
$$

計算結果 0.1587 に最も近い選択肢は ② 0.159 となります。

image.png


問題

ある工場で製造されるネジの長さは、平均 80mm, 標準偏差 5mm の正規分布に従うとする。

抽出した4本のうち、いずれか1本だけが 85mm 以上で、残りの3本は 85mm 未満である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。

① 0.16 , ② 0.25 , ③ 0.38 , ④ 0.64 , ⑤ 0.84


解答

③ 0.38


ポイント解説:二項分布

この問題は、同じ条件の試行を複数回繰り返したとき、特定の回数だけ「成功」する確率を求める問題です。キーポイントは 「二項分布」 です。

二項分布の条件

  • 各試行の結果が 「成功」か「失敗」 のどちらかである。
  • 各試行は 独立 である(互いに影響しない)。
  • 成功する確率は、どの試行でも 一定 である。

この問題では、ネジを1本抽出することを「試行」とみなし、「長さが85mm以上である」ことを「成功」と定義できます。


ポイント解説:なぜ重要か?

二項分布は、現実世界の多くの場面で応用されます。

これにより、将来の結果を予測したり、プロセスの品質を評価したりすることが可能になります。

応用例

  • 製造業における 「不良品の発生数」
  • マーケティングにおける 「広告をクリックした人の数」
  • 医療における 「新薬が効いた患者の数」

ポイント解説:確率変数とその分布

この問題の確率変数は、4本のネジのうち、長さが85mm以上であるネジの本数 $Y$ です。

  • この $Y$ は、以下のパラメータを持つ 二項分布 $B(n, p)$ に従います。
    • 試行回数: $n=4$
    • 成功確率: $p=P(X \ge 85) \approx 0.159$

問題(再掲)

ある工場で製造されるネジの長さは、平均 80mm, 標準偏差 5mm の正規分布に従うとする。

抽出した4本のうち、いずれか1本だけが 85mm 以上で、残りの3本は 85mm 未満である確率はいくらか。

求めたい確率: $P(Y=1)$
(4回の試行で、成功が1回起こる確率)


解答の根拠(1/2):確率設定と式

  1. 成功確率の設定

    • 前の問題より、ネジ1本の長さが 85mm 以上である確率(成功確率)を $p$ とすると、$p \approx 0.159$ です。
    • 逆に、85mm 未満である確率(失敗確率)は $1-p \approx 1 - 0.159 = 0.841$ です。
  2. 二項分布の適用

    • 試行回数 $n=4$、成功回数 $k=1$ の確率を求めます。
    • 二項分布の確率質量関数は以下の式で与えられます。

$$
P(Y=k) = {}_nC_k p^k (1-p)^{n-k}
$$


解答の根拠(2/2):確率の計算

  1. 確率の計算
    • $n=4, k=1, p=0.159$ を代入します。
    • ${}_4C_1$ は「4本の中から成功する1本を選ぶ組み合わせの数」で、4通りです。

$$
P(Y=1) = {}_4C_1 (0.159)^1 (1-0.159)^{4-1}
$$
$$
= 4 \times 0.159 \times (0.841)^3
$$
$$
= 4 \times 0.159 \times 0.5948...
$$
$$
\approx 0.3781...
$$

計算結果 0.378 に最も近い選択肢は ③ 0.38 となります。

image.png


問題

ある工場で製造されるネジの長さは、平均 80mm, 標準偏差 5mm の正規分布に従うとする。

抽出した4本のネジの長さの標本平均 $\bar{X} = (X_1+X_2+X_3+X_4)/4$ が 78mm 以下である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。

① 0.16 , ② 0.21 , ③ 0.50 , ④ 0.79 , ⑤ 0.84


解答

② 0.21


ポイント解説:標本平均の分布

この問題は、複数個のサンプルの平均値(標本平均)が、ある値以下になる確率を求める問題です。キーポイントは 「標本平均の分布」 です。

  • 重要な性質
    • 母集団が正規分布 $N(\mu, \sigma^2)$ に従う場合、標本平均 $\bar{X}$ もまた正規分布に従います。
    • 平均: $E[\bar{X}] = \mu$ (母平均と同じ)
    • 分散: $V[\bar{X}] = \frac{\sigma^2}{n}$ (母分散をサンプルサイズ $n$ で割ったもの)
    • 標準偏差( 標準誤差 ): $SD[\bar{X}] = \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$

→ サンプルサイズ $n$ が大きいほど、ばらつきが小さくなります。


ポイント解説:なぜ重要か?

この性質は、 統計的推測 (標本から母集団の性質を推測すること)の根幹です。

母集団全体を調べるのは不可能でも、標本平均を調べることで、母平均がどの範囲にあるかを高い確度で推定したり、仮説を検証したりできます。

応用例

  • 世論調査から全体の支持率を推測する (区間推定)
  • 製品の抜き取り検査から全体の品質を保証する (仮説検定)

ポイント解説:確率変数とその分布

この問題の確率変数は、4本のネジの長さの標本平均 $\bar{X}$ です。

  • 母集団分布が $N(80, 5^2)$ で、サンプルサイズが $n=4$ なので、標本平均 $\bar{X}$ は、以下の正規分布に従います。

    • 平均: $\mu = 80$
    • 標準偏差: $\sigma/\sqrt{n} = 5/\sqrt{4} = 2.5$
  • つまり、$\bar{X}$ は 正規分布 $N(80, 2.5^2)$ に従います。


問題(再掲)

ある工場で製造されるネジの長さは、平均 80mm, 標準偏差 5mm の正規分布に従うとする。

抽出した4本のネジの長さの標本平均 $\bar{X}$ が 78mm 以下である確率はいくらか。

求めたい確率: $P(\bar{X} \le 78)$


解答の根拠(1/2):分布の特定と標準化

  1. 標本平均の分布の特定

    • $\bar{X}$ は正規分布 $N(80, 2.5^2)$ に従います。
  2. 標準化

    • 標本平均 $\bar{X}$ を標準化します。
      $$
      Z = \frac{\bar{X} - E[\bar{X}]}{SD[\bar{X}]} = \frac{\bar{X} - 80}{2.5}
      $$
    • $\bar{X} = 78$ を代入すると、
      $$
      Z = \frac{78 - 80}{2.5} = \frac{-2}{2.5} = -0.8
      $$
    • したがって、$P(\bar{X} \le 78)$ は $P(Z \le -0.8)$ と等しくなります。

解答の根拠(2/2):確率の計算

  1. 確率の計算
    • 標準正規分布は原点(0)に関して対称なので、$P(Z \le -0.8) = P(Z \ge 0.8)$ です。
    • これは、$1 - P(Z < 0.8)$ と計算できます。
    • 標準正規分布表から $P(Z < 0.8)$ の値を調べると、約 0.7881 です。

$$
P(Z \le -0.8) = 1 - 0.7881 = 0.2119
$$

計算結果 0.2119 に最も近い選択肢は ② 0.21 となります。

image.png

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