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Oracle WebLogic Server 14.1.2新機能調査 ~SSLデモ証明書編~

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Last updated at Posted at 2026-02-17

1.はじめに

Oracle WebLogic Serverとは、Java EE/Jakarta EE標準に準拠したOracle社製のアプリケーションサーバーです。2024年12月にバージョン14.1.2がリリースされており、従来のバージョンと比べて機能面で多くの変更が加えられました。本記事では、14.1.2で追加された機能の中でも、従来のバージョンと比較して特に影響が大きいと思われる3つの機能を取り上げ、3回に分けてレポートします。今回はSSLデモ証明書について解説します。

2.SSLデモ証明書

Oracle WebLogic Server(以下WLS)は開発環境でのテストを目的としてSSLデモ証明書をバンドルしています。WLSでSSLデモ証明書が利用されるシーンとしては、以下が挙げられます。

  • WLSでSSL通信を行う
  • ノードマネージャでSSL通信を行う

これらのシーンでは、デフォルトでSSLデモ証明書を利用する為、ユーザーが意識しないままSSLデモ証明書を利用しているケースがあります。SSLデモ証明書の利用有無は以下の方法で確認します。

  • WLSでSSL通信を行う
     WLS 起動時のサーバーログまたは標準出力に、デモ用証明書が読み込まれたことを示すメッセージが出力されます。
WLS14.1.2の場合の出力例
<BEA-090153> <デモ用のアイデンティティ証明書[
[
 Version: V3
 Subject: CN=ol8, OU=FOR TESTING ONLY, O=WebLogic Demo Certificate Authority, L=MyTown, ST=MyState, C=US
 Signature Algorithm: SHA256withRSA, OID = 1.2.840.113549.1.1.11
::::
]
]が本番モードで使用されています。サーバーの秘密キーが公開されるので、システムが>セキュリティ攻撃に対して脆弱になります。>
::::
<BEA-090152> <デモ用の信頼性のあるCA証明書[
[
 Version: V3
 Subject: CN=CertGenCA_base_domain2, OU=FOR TESTING ONLY, O=WebLogic Demo Certificate Authority, L=MyTown, ST=MyState, C=US
 Signature Algorithm: SHA256withRSA, OID = 1.2.840.113549.1.1.11
::::
]
]が本番モードで使用されています。サーバーの秘密キーが公開されるので、システムが>セキュリティ攻撃に対して脆弱になります。>
  • ノードマネージャでSSL通信を行う
     ノードマネージャ起動時の標準出力に、DemoIdentityがロードされ、セキュア・ソケット・リスナーが開始されたことを示すメッセージが出力されます。
WLS14.1.2の場合の出力例
<INFO> <アイデンティティ・キー・ストアをロードしています: FileName=$DOMAIN_HOME/security/DemoIdentity.p12, Type=pkcs12, PassPhraseUsed=true>
::::
<INFO> <ポートXXXX、ホスト/XX.XX.XX.XXでセキュア・ソケット・リスナーが開始しました>

本番環境でのSSLデモ証明書の利用はサポートされておりません。本番環境でSSL通信を行う場合は、正規の機関から取得した証明書を利用してください。

3.バージョンごとの有効期限の違い

WLSのSSLデモ証明書は、デフォルトで2つのキーストアで構成されています。

DemoIdentity
サーバ証明書とその秘密鍵を格納します。
DemoTrust
WLSのデモ認証局が発行したCA証明書を格納します。

以前のバージョンまでは、キーストアのファイル形式がJKSであり、その有効期限は以下の通りでした。

  • DemoIdentity.jks はドメイン作成から15年後まで
  • DemoTrust.jks は2032年まで

WLS14.1.2 からキーストアのファイル形式がPKCS#12に変更され、有効期限が以下の通り大幅に短縮されました。

  • DemoIdentity.p12 はドメイン作成から6か月後まで
  • DemoTrust.p12 はドメイン作成から5年後まで

4.SSLデモ証明書の期限切れによる影響

SSLデモ証明書には有効期限が設定されており、有効期限が切れると利用が出来なくなります。SSLデモ証明書の利用が出来なくなるとWLSの起動不可のような重大障害につながります。過去には、本番環境のノードマネージャにて、意図せずSSLデモ証明書を使用しており、SSLデモ証明書が期限切れになったため、以下のようなエラーが出力されWLSの起動に失敗するケースが報告されました。

<BEA-090479> <XXXX - XX.XX.XX.XXから受け取った証明書チェーンが日付の有効性チェックに失敗しました。>

3.バージョンごとの有効期限の違いに記載の通り、14.1.2ではSSLデモ証明書の有効期限が極端に短くなっているため、より注意が必要となりました。

5.実機検証

WLS14.1.2と以前のバージョン(WLS14.1.1)でバンドルしているSSLデモ証明書の有効期限をそれぞれ出力し、14.1.2の証明書の期限が短くなっていることを確認します。また、14.1.2のSSLデモ証明書の更新方法を説明します。

テスト環境

WLS:14.1.2
OS:Linux 8.10
JDK:Oracle JDK 21.0.9

WLS:14.1.1
OS:Linux 8.10
JDK:Oracle JDK 1.8.0_461

各証明書の有効期限を確認する方法

3.バージョンごとの有効期限の違いに記載の通り、14.1.2と14.1.1ではキーストアのファイル形式や格納ディレクトリが異なるため、有効期限を確認するコマンドが異なります。

14.1.2の場合

以下のコマンドを実施し、出力内容から確認します。

keytool -printcert -file <ファイル名>

<ファイル名>には、以下のファイルを指定してください。

  • サーバ証明書 $DOMAIN_HOME/security/democert.der
  • CA証明書 $DOMAIN_HOME/security/democacert.der

サーバ証明書

確認コマンドと出力例
keytool -printcert -file $DOMAIN_HOME/security/democert.der
  :::
有効期間の開始日: Sun Aug 31 00:43:50 EDT 2025終了日: Thu Feb 26 23:43:50 EST 2026

上記の出力より、サーバ証明書について以下を確認することができます。

  • ドメイン作成日は 2025年8月31日
  • 有効期限は 2026年2月26日

有効期限がドメイン作成日より6か月後であることがわかります。

CA証明書

確認コマンドと出力例
keytool -printcert -file $DOMAIN_HOME/security/democacert.der
  :::
有効期間の開始日: Sun Aug 31 00:43:38 EDT 2025終了日: Fri Aug 30 00:43:38 EDT 2030

上記の出力より、CA証明書について以下を確認することができます。

  • ドメイン作成日は 2025年8月31日
  • 有効期限は 2030年8月30日

有効期限がドメイン作成日より5年後であることがわかります。

14.1.1の場合

サーバ証明書とCA証明書で確認するコマンドが異なります。

サーバ証明書

確認コマンドと出力例
keytool -v -list -keystore <DOMAIN_HOME>/security/DemoIdentity.jks -storepass DemoIdentityKeyStorePassPhrase
  :::
有効期間の開始日: Sat Nov 08 21:28:22 EST 2025終了日: Fri Nov 09 21:28:22 EST 2040

上記の出力より、サーバ証明書について以下を確認することができます。

  • ドメイン作成日は 2025年11月8日
  • 有効期限は 2040年11月9日

有効期限がドメイン作成日より15年後であることがわかります。

CA証明書

確認コマンドと出力例
keytool -printcert -file <WLS_HOME>/server/lib/CertGenCA.der
  :::
有効期間の開始日: Fri Nov 30 22:07:51 EST 2012終了日: Wed Dec 01 22:07:51 EST 2032

上記の出力より、CA証明書の有効期限は2032年であることがわかります。WLS12.1.3以上にバンドルされているCA証明書はすべて同じ有効期限になります。


各バージョンの各証明書の有効期限を確認すると、14.1.2では有効期限が大幅に短縮されたことがわかります。

14.1.2の各証明書の有効期限を更新する方法

作業を実施する前に、既存の$DOMAIN_HOME/securityのバックアップを取得してください。

1. デモ用証明書を生成するツール(utils.DemoCertGen)を利用するために環境変数を設定します。$DOMAIN_HOME/binへ移動し、以下のコマンドを実行します。

. ./setDomainEnv.sh

2. $DOMAIN_HOME/security以外で、以下コマンドを実行します。

java utils.DemoCertGen –domain $DOMAIN_HOME

コマンドを実行することで有効期限が、サーバ証明書は6か月後、CA証明書は5年後に更新されます。-genIDOnlyを追加するとサーバ証明書のみ更新することが可能です。

java utils.DemoCertGen –domain $DOMAIN_HOME -genIDOnly

6.まとめ

SSLデモ証明書はユーザーが意識せずに使用しているケースがあり、また、有効期限が切れることでWLSの起動に失敗するといった重大障害を引き起こす恐れがあります。特に14.1.2 からは従来のバージョンより有効期限が大幅に短縮されたため、より注意が必要です。ぜひ一度、意図せずSSLデモ証明書を使用していないかをご確認いただき、万が一使用している場合は、有効期限の確認と正規のSSL証明書への変更をご検討ください。

7.参考文献

Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理 - 第6部 SSLの構成 - 29 キーストアの構成

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