クラウド型コンタクトセンター「Amazon Connect」と、クラウド型カスタマーサービスプラットフォーム「Zendesk」を、AWSナレッジセンターで提示されている方法で連携しました。
4ヶ月経って、カスタマーサポート担当者の所感ベースで、連携してよかったことと、公式アプリの限界についても挙げようと思います。
Zendeskにインストールしたアプリ
Amazon Connect App Integration with Zendesk Support
以下、AWSのナレッジセンター記事で指定されているアプリケーションになります。
インストール方法などは、こちらをご覧ください。
アプリケーションの設定は、基本、デフォルト値の設定を利用しています。
- Amazon Connect URL(必須)
- AWS Region(必須)
- Default entry point phone number(必須)
- 連携するアカウントのURLやリージョン、電話番号を入力しました
- Single sign-on URL (任意)
- シングルサインオンを利用しているため、ログインURLを入力しました
- こちらを指定すると、ログインしていない際に自動ポップアップするURLを指定できます。SAMLログインの場合は、SAMLログインをするためのURL指定しておくと便利です。
- シングルサインオンを利用しているため、ログインURLを入力しました
また、Zendeskの契約はSuite Professionalプランです。
連携してよかったこと
問い合わせ管理ツールと電話ツールが一つになる
サポートデスクでは、Zendesk Talkを利用しておらず、
問い合わせ管理ツール(Zendesk)と、電話ツールが別になっていました。
ログを残す機能であるZendesk内に、受電・架電ができるAmazon Connectのアプリがあることで、
1つの画面で受電しながらログを残せるため、受電業務の後作業時間の短縮に繋がりました。
受電時に、自動でチケット作成+録音の自動添付
受電時に、自動でチケットが立ち上がります。
作成主体がCTIツール(着信)となるので、トリガを作ることも容易です。
また、終話後に録音データも自動で追加されます!(個人的には一番うれしかったポイントです)
探す手間が省け、管理者の業務改善に繋がりました。
しかも、この録音データ、Zendesk内に録音データを残す設計ではなく、Amazon Connectで「聴く権限」が与えられていないユーザーには聴けない仕様になっています。
また、Amazon Connectの録音データが保存されるS3のから削除されると、誰からも聴けない仕様であることも確認しました。
同じ電話番号にユーザーが紐づく
問い合わせ管理として、これまではZendeskでユーザー作成をしておらず、
電話を受けてお客様を特定して初めて、過去の問い合わせ履歴が確認できる状態でした。
Amazon Connectアプリでは、電話番号からユーザーが自動生成され、
既存ユーザーの場合は紐づけされる仕組みになっているため、
電話がかかってきた時点で、過去にお問い合わせされているお客様の場合は
瞬時に特定ができるようになりました。
※紐づけに時間がかかる場合もあるため、あくまで参考程度として利用しています
ユーザー紐づけができていたら、架電が簡単
既にZendesk上に電話番号ごと登録されているユーザーであれば、
電話番号をクリックし「電話をかける」を選択すると、電話がかけられます。
いちいち電話番号を打つ必要がなく、打ち間違いの予防にもなります。
公式アプリの限界
日本語は非対応
自動で入るコメントなどは全て英語になります。
具体的なイメージとしては、マーケットプレイスの画像がそのまま当てはまります。
Amazon Connectの用語がカタカナ英語でもイメージできていれば、混乱はないと思いますが、見慣れない感覚はあるかと思います。
また、アプリケーションのヘルプセンターも存在するのですが、こちらももちろん英語です。
https://help.voicefoundry.cloud/zendesk/
※2024/10更新:ベンダーが変更になり、ヘルプセンターが以下に変わったようです
https://zendeskconnector.ttecdigital.solutions/zendesk/v3.0/
連携される情報に限界はある
チケットを自動で立ち上げた後は、録音情報と、基礎情報(キュー名など)しか入りません。
アプリはオープンソースのため、カスタマイズしたい場合にはアプリを自社開発するか、ベンダーに依頼することになるかと思います。
架電は、ユーザー作成後でないと、自動でチケットが立ち上がらない
これが意外な落とし穴だったのですが、架電時にユーザーが登録されていないと、チケットが自動で立ち上がりません。
先にユーザー登録をしてから、架電するようにしましょう。
最後に
入れてみてすでに4ヶ月経過しましたが、ZendeskとAmazon Connectを公式アプリで連携したことで、通話ログの記録が非常に便利になりました。
※実際に利用する現場ユーザーの体験が大きく変わるため、導入前にテスト環境/サンドボックスでの練習はできるだけ実施することをおすすめします。
今回は以上になります!
今後とも、サポートデスクの体験向上・業務効率化を通して、サポートの品質向上に努めます。