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【初心者向け】サーバーとは何か。どこに設置されている?

Last updated at Posted at 2024-08-28

概要

サーバーについてイメージがつきやすくなるよう、サーバー基礎や、設置場所についてまとめてみました。

目次

サーバーとは

クライアント (ユーザーなど) からのリクエストを受け取り、それに対して必要な処理をおこなうコンピュータのことです。なのでサーバーもコンピューターの一種になります。
コンピューターには、サーバー以外にも

  • パーソナルコンピューター
  • スーパーコンピューター
  • マイクロコンピューター
  • メインフレーム

と様々な種類があります。サーバーもこのようなコンピューターといわれるものの一種になります。

サーバーに使用されているOS

PCにPC向けのOSが搭載されていたり、スマホにスマホ向けのOSが搭載されているように、サーバーにもサーバー向けのOSが搭載されています。例えば、PC向けのOSだとユーザーがコンピューターを操作し続けるという使用方法が想定されるためGUIにこだわった設計になっていますが、サーバーはユーザーが操作し続けることはないのでGUIを搭載していないものも多くあります。また、PC向けのOSと比べて、サーバーに使用されるOSはネットワークの性能や、安定性が重視されています。
「Windows」「macOS」「iOS」「Android」のように、PCやスマホに搭載されているOSを「クライアントOS」、サーバーに使用されているOSを「サーバーOS」と呼称することもあります。そもそもクライアントOSは同時に接続できる数に制限を設けている場合も多く、複数人が同時に使うことをあまり想定していないため、サーバーの用途としては不向きです。こういった理由もあり、サーバーにはサーバー用のOSが必要になります。
現在使用されている有名なサーバーOSの種類は、大きく「Windows系OS」「Unix系OS」に分けることができます。

Windows系OS

MicroSoftが提供している「Windows Server」といわれるOSのことです。
GUIをもつため、初心者でも扱いやすいです。
こちらの記事の「Windows Server」の項目に概要を記載しています。

Unix系OS (Linux系OS)

様々な種類がありますが、「Red Hat系」や「Ubuntu」 などが有名です。
GUIをもたず、CUIでの操作が基本になるため、「Windows Server」と比べて技術者の確保が難しくなり、運用コストが高くなる可能性もあります。ただ、基本的にOS自体のライセンスは無償でサポートについては有償という形になるので、「Windows Server」と比べると導入周辺の初期投資自体は安価になります。
「Linux系」と分類されるOSも、元をたどればUnix系になります。
こちらの記事の「Linux」「CentOS」「Ubuntu」の項目あたりに概要を記載しています。

サーバーOSのシェア

2019年の情報ですが、

  • Windows系OS:72.1%
  • Linux系OS:13.6%

のシェアになっています。

また、2024年のデータでは、Linux系OSに絞り、かつWebsite向けの用途の場合のシェアは

  • Ubuntu:24.8%
  • Debian:13.4%
  • CentOS:5.7%
  • Red Hat:0.4%

になっています。

参考:サーバ用OSは何を選ぶ?どんな基準で選定をする?

サーバーの設置場所

サーバーが設置される場所は、大きく分けて「オンプレミス」と「データセンター」があります。

オンプレミス

自社にサーバーを設置して、運用・管理も自社で行う方法です。スペースがある会社では、部屋をひとつ「サーバールーム」にして、そこに並べたりします。ただ規模が小さい会社では、事務所内に設置することもあります。専用の「サーバールーム」を作成するメリットは、やはりサーバーを安定稼働させるための環境を整えられることです。また、冷却ファンの騒音も気にならなくなります。逆に事務所に設置する場合は「サーバールーム」という特別なスペースは必要ありませんが、サーバーの発熱、冷却ファンの騒音等で、サーバーと同じ部屋で働く人の環境が悪くなってしまう可能性があるので、注意が必要です。
自社にサーバーがあるので、そのサーバーのことを「自社サーバー」とも呼んだりします。

データセンター

サーバーなどの設置スペースを提供している建物のことです。データセンターの特徴として、耐震や耐火性に優れていたり、物理的なセキュリティが厳重だったり、突停電があっても電力供給が遮断されないように、UPS (無停電電源装置) や自家発電装置が備えられています。
また、ほとんどのデータセンターがサーバーの持ち込みが可能なため、今まで自社で運用していたサーバーをデータセンターに持ち込んで運用することもできます。
データセンターは安全なロケーションに建てられているので、BCPDRの対策にもなります。
ただし、サーバーは社外に設置することになるため、物理的な障害が発生したときにすぐに駆けつけて対応することができないといったデメリットもあります。

データセンターのサービスについて

データセンターでサーバーを管理するサービスには大きく分けて、「ハウジングサービス」と「ホスティングサービス」の2種類があります。

ハウジングサービス

サーバーの設置に必要なサーバーラックや電源を貸すサービスのことです。データセンターで記載したような、自社で所有しているサーバーを設置したい場合や、ネットワークに関連する機器を持ち込みたい場合などにおすすめです。サーバーラックも、フルラックやハーフラック (フルラックの半分) 等、色々な形態で提供されており、カスタマイズ性を重視している企業向けのサービスです。

ハウジングサービスで貸し出されるラックの大きさはフルラックやハーフラックが一般的ですが、4分の1や8分の1という小さな単位でラックを貸出しており、小規模でもハウジングサービスを活用できるようにしているデータセンターもありました。
参考:西日本最大級のデータセンターに潜入! “巨大な箱”の内部を徹底レポート 訪ねて分かった「うどん県」に建てた理由

ホスティングサービス

データセンターに設置されているサーバーやネットワーク機器をレンタルできるサービスのことです。レンタルしたサーバーのことを「レンタルサーバー」と呼ぶこともあります。ただし既にデータセンターにあるサーバーをレンタルするので、レンタルできるサーバの種類やその構成は限られてきます。
利用形態には、サーバー一台まるごと使用できる「専用サーバー」、一台のサーバを複数のユーザーで共有する「共有サーバー」、一台のサーバを複数の仮想マシンに分けて、複数のユーザーが各々専用サーバーのように利用できる「仮想専用サーバー (VPS)」などがあります。

サーバーの種類

サーバーにも様々な種類があります。一般的なサーバーの種類を下記にまとめました。

Webサーバー

ホームページ関連や機能を提供するサーバーです。ブラウザのリクエストを受け取り、内容に応じてWebページのデータをブラウザに送ります。

アプリケーションサーバー

略して「APサーバー」ともいわれます。Webサーバーが静的なWebコンテンツを保持しているのに対して、APサーバーは動的なコンテンツを保持しています。Webサーバーから送られてくるリクエストに対して、レスポンスを返します。

データベースサーバー

データの保存を行っているサーバーで、DBMSが動作しているサーバーのことです。
基本的にアプリケーションサーバーのリクエストを受け、データの記録や更新、受け渡しを行っています。

データベースサーバーの基本機能は、データについて「Create (作成)」「Read (読み出し)」「Update (更新)」「Delete (削除)」を行うことです。各単語の頭文字から「CRUD (クラッド)」と呼ばれています。
SQLを使用して「CRUD」の機能を使い、データの変更を行うことができます。

Webサーバー、APサーバー、DBサーバー間のやり取りの構成として、「3階層サーバー」と言われる下記の構成が一般的です。
[ユーザー (ブラウザ)] ⇔ [Webサーバー] ⇔ [APサーバー] ⇔ [DBサーバー]

メールサーバー

電子メールの送信、受信の際に使用されるサーバーのことです。

  • SMTPサーバー
    「Simple Mail Transfer Protocol」の略で、メールの配信を行うサーバーです。
    PCのメールソフトからメールを受け取り、送信先のサーバーへメールを配送します。
    受け取ったメールは、DNSサーバーを介して、送信先のIPアドレスの割り出してから、メールを配送します。

  • POPサーバー
    「Post Office Protocol」の略で、メールを保管するサーバーです。
    SMTPサーバーから送信されたメールを受信して、ユーザー別に割り当てられているメールボックスにメールを保管します。ユーザーはメールソフトからメールボックスにアクセスすることで、メールを受け取ることができます。
    POPサーバーがあることで、常時PCを起動していなくてもメールを保管してくれるので、どのタイミングでもメールを取り出すことができます。
    また、メールソフトを使用してメールを見る場合は、一般的に「POP3」が使われることが多いです。
    POPサーバーはメールを消去しないと増え続けてしまうので、PCに取り出された (ダウンロード) されたタイミングでPOPサーバーからは消去されますが、何日くらい、サーバーにもメールを残す、という設定はメールソフトから設定できたりします。

  • IMAPサーバー
    「Internet Message Access Protocol」の略で、メールを保管するサーバーです。
    POPサーバーはメールソフトを介してメールをダウンロードしてきて中身を見ていましたが、IMAPサーバーでは、メールサーバのメールボックスに入っているメールを直接見ます。
    一般的に、Webブラウザを使ってメールを見る場合は「IMAP」が多いです。また、スマホからメールを見る際も、スマホにメールをダウンロードしているとすぐに容量不足になるため、「IMAP」が多いです。

ファイルサーバー

ファイルの共有機能に特化しているサーバーのことです。なので、単にファイルを置いているだけでなく、ファイルに対する権限の管理やバージョンの管理、ファイルのバックアップも行ってくれるような機能を持っていることが多いです。
ただ「ファイルサーバー」の別?の意味として、単にファイル置き場として使用しているPCを「ファイルサーバー」と呼んでいることもあります。今はPCのファイル共有機能でファイルの共有が手軽にできるので、容量はあるが少し古くなったPCに、みんなで共有するようなファイルを置いて、ネットワーク経由でみんなでアクセスできるようなファイルサーバーとして利用している場合もあります。
これもファイル関連のサービスするコンピューター (今回ではファイルの置き場所になっている) ということで、意味合いとしては (恐らく) 間違っていません。

DNSサーバー

「Domain Name System」の略で、IPアドレスを管理するサーバーです。
WebブラウザからWebページを開く際はWebサーバーにリクエストを送りますが、その前にDNSサーバーを利用して、アドレスのドメインからIPアドレスを割り出してくれます。そのIPアドレスを使用して、Webサーバーにリクエストを送ります。
また、メールでは、SMTPサーバーはDNSサーバーを介して、メールの送信先を特定することができます。
DNSサーバーもいくつか種類があり、「ルートネームサーバー」「TLDネームサーバー」「権威ネームサーバー」「再帰リゾルバー」に分けられます。

サーバーOSとサーバーの用途の関係について

多くの場合、1種類のOSで複数のサーバーの用途をカバーしています。
※ここでいう用途とは「Webサーバー」「メールサーバー」「ファイルサーバー」などの、様々な用途のことです。
またサーバーの用途を新しく追加したい場合は、サーバーの機能を追加でインストールし、OSのサーバー機能を拡張することができます。

わかりやすい例を挙げると「Windows Server OS」では、「サーバーマネージャ」という管理ツールを使用してサーバーの機能を追加することが出来ます。

個人でサーバーを運用する場合

個人でサーバーを運用する場合は、現在はレンタルサーバーで運用する形式が主流です。
例えば自身で作成したブログの運営のためにWebサーバーを使用したり、他にもDBサーバーやメールサーバーも個人で運用できたりもします。
レンタルサーバーで運用する形式以外では、自宅でサーバーを置いて全て自身で運用する方法もあります。ただし自宅サーバーは費用がかさむデメリットもあります。レンタルサーバーは月額500円~1,500円あたりの費用で運用することも可能ですが、自宅サーバーは「サーバーの本体」の他にも「ハブ」や、必要に応じて「UPS (無停電電源装置)」も購入しなければいけません。

参考:おすすめ?自宅サーバーを半年運用して感じたメリットとデメリット

自宅サーバーを運用する場合は、必ずしもサーバーOSである必要はありません。サーバーOSはパソコン用OSより高価な場合が多いため、そうではなく一般的なパソコン用OSを使用して、自宅サーバーを運用することも可能です。
ただし、サーバーOSは大規模な負荷に対応していて、並列接続やサーバー向けのリソース消費の管理ができるため、サーバーOSを使用すること自体はとてもメリットがあります。また、もちろんですがパソコン用OSはサーバーとして設計されていないため、セキュリティ面で脆弱な可能性もあります。
なので、大規模なプロジェクトや不特定多数に向けたサーバーはサーバーOSを使用することがおすすめですが、小規模なプロジェクトや特定の個人に向けたサーバーには、パソコン用OSを使用すると、コストを抑えることができます。

有名企業のサーバー保有台数

Google

台数
2008年 20万台以上
2012年 1650万台

ちなみに、2007年10月の時点で、Netcraftが調査した内容によると、「世界のウェブサーバの1割がGoogleのもの」という結果を発表しています。

日本で年間に出荷されるサーバの台数はおよそ60万台といわれているので、Googleはそれ以上の数のサーバーを常時運用していることになります。

参考:Googleは20万台以上のサーバを所有

MicroSoft

台数
2021年 400万台以上

マイクロソフトは200以上のデータセンターを運用して、現在もその数は増え続けています。また、計画含むマイクロソフトのデータセンターは、世界34か国にまたがるらしいです。

参考:マイクロソフトのバーチャルデータセンターが、「クラウド」を現実に

Yahoo! JAPAN

台数
2020年 8万5,000台

創業当時は、計5台でYahoo! JAPANが運営されていました。トップページがおおよそ2台、検索用のサーバーが2台、予備として1台、の計5台です。

参考:物理サーバー数1.7万倍・ユーザー規模160倍 Yahoo! JAPANの25年の歴史で起きた技術的変化

データセンターの集積地

世界で一番大きなデータセンターの集積地は、アメリカのバージニア州の北部にあるラウドン郡です。ラウドン郡だけで、世界中のインターネットによるトラフィック (通信量) の70%を毎日処理しているといわれています。続いて、中国の北京が2番目に大きなデータセンターの集積地になります。

地上以外のデータセンター

データセンターは、当たり前ですがほとんどが地上にされています。ただ地上以外の場所にあるデータセンターも存在したり、計画されています。

海底データセンター

過去には、海の底にある海底データセンターというものがありました。Microsoftが実験として行っていたもので、ナディック計画と呼ばれています。2018年6月、水深35メートルの海底に「Northern Isles」という名前のデータセンターが設置され、その後実際にコロナワクチンの研究に利用されていました。そのデータセンターは2年間監視されたのち、2020年7月に引き上げられ、分析も行われていたようです。その後、2024年にナディック計画の終了が発表されました。

宇宙データセンター

2021年にはNTTが宇宙データセンターの事業化に向けて動き出しました。NTTは2019年にJAXAと協力協定を締結し、共同研究に取り組んでいます。宇宙データセンターを利用して、まずは地球観測衛星のデータ取得の即時化を狙っています。

月面データセンター

2022年4月、アメリカのスタートアップ企業のLonestarがデータセンターを月面に設置する計画を発表しました。
CEOであるクリストファー・ストットが、顧客から、山火事、洪水、熱波、戦争、サイバー攻撃のように、地球で増え続けている予測不能な事態からデータを守りたい、という依頼を受け、検討を開始したのがはじまりらしいです。
月は地球の周りを公転しながら自転しているため、常に同じ面が地球を向いています。なので、月面にデータセンターを建設しても常に地球との通信が可能で、これはLonestarの月面データセンター計画の要になっているらしいです。
また、クリストファー・ストットは以下のように語っています。
「データは私たちの文明の進化を可能にするものです。データがなければ、私たちは18世紀に戻ってしまう。それは誰にとっても良いことではありません。」

参考:

終わりに

サーバーについて、個人的な学習のために色々とまとめていましたが、調べていくと奥が深いです。もう少し、各サーバーの種類ごとに突っ込んだ記事も書きたいと思いました。

その他、サイトのリンク集

日本のデーターセンター一覧

日本のデータセンターの一覧が確認できます。

バーチャルデータセンター

マイクロソフトが作成した、データセンターのバーチャルツアーができるサイトです。

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