0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

四則演算や演算子の歴史を調べてみた

Last updated at Posted at 2024-09-03

概要

業務でプログラミングを行っている際、計算を多く行う処理を実装する機会がありました。そのときにふと、四則演算の歴史や記号の発明について気になったので、まとめてみました。

目次

計算の歴史

そもそも計算という概念は、大昔からありました。太古の時代では、狩りで動物や鳥、魚を捕獲した際に、その大きさや数を数えるために、縄の結び目を使用したり、木の幹などに刻みを入れて、数を記録していたようです。
数学の年表をみても、紀元前10世紀以前から計算のようなことがおこなわれていたことがわかります。
このように有史以前から計算が行われていたという記録もあり、計算自体は、いつ、どこの国の誰が発明した、というのははっきり特定することはできないようです。

「数字」自体については、約6000年前のメソポタミア地方のシュメール人が発明したといわれています。これは今一般的に使用されている「アラビア数字」ではなく、くさびのような形をしていました。(「くさび形文字」といいます)
「アラビア数字」については、2000年前にインド人によって考案されました。

ちなみに、現在のイラクやエジプトあたりでは、3800年前ほどには既に算数が学校で教えられていたそうです。

「+」と「-」の記号の歴史

諸説ありますが、有力な説としては、「+」と「-」どちらとも、文字を速記しているうちにできた、という説です。「+」はラテン語の「et (英語でいうand)」から、「-」は「minus (マイナス)」のmの筆記体を略した状態からと言われています。
他には、船乗りが樽の水を使用した際に使った印が期限という説もあります。これは、船内に備蓄された樽から水を使用した際に横線(-)を引いていたことと、水を増やしたときに横線の上に縦線(+)を引いており、それを元に、「減った」は「-」、「増えた」は「+」として記号となったという説です。

また、書籍の中で最初に「+」や「-」の記号が用いられたのは、1489年にドイツの数学者であるヨハネス・ウィッドマンが書いた書籍「Mercantile Arithmetic or Behende und hüpsche Rechenung auff allen Kauffmanschafft」の中だと言われています。
ただし、この本の中では、「+」は超過、「-」は不足を意味すると定義されていて、少し今とは意味合いが違っていたようです。
その後、1514年にオランダの数学者であるファンデル・フッケが著書の中に「加算・減算」のための記号として、はじめて「+」と「-」を使用したと言われています。

「×」の記号の歴史

「×」は1631年にイギリスの数学者であるウィリアム・オートレッドが著書の中で使用したのが最初と言われています。ただその形自体には諸説あり、「キリスト教の十字架を斜めにした」「スコットランドの国旗から」という説があります。
また、「×」という記号も当時のヨーロッパ大陸ではあまり流行らなかったそうです。当時、ドイツの数学者・哲学者であるゴットフリート・ライプニッツは、スイスの数学者のベルヌーイ兄弟に送った手紙の中で、「私は掛け算の記号で「×」は好まない。簡単にx (エックス) と間違うからだ」と言い、「単に「・」を数字の間に入れて掛け算を表すことにする」と記載しています。そのためか、「・」も掛け算の記号として現代にも残っています。
ちなみに「× (掛ける)」と「x (エックス)」は紛らわしいという意見は当時から主流だったらしく、今もパソコンのキーボードには掛け算の「×」のキーはありません。

「÷」の記号の歴史

1659年にスイスの数学者であるヨハン・ハインリッヒ・ラーンが著書の中で使用したのが最初といわれています。「÷」はその後、イギリスの物理学者アイザック・ニュートンも好んで使用したためイギリスを中心に広まりました。
また他の国ではゴットフリート・ライプニッツが、1684年に出版された著書の中で、・が1つある「・」を掛け算、・が2つある「:」を割り算として使用していました。なので「:」の記号も割り算として欧州で多く使用されていました。

割り算の記号は国によって使われているものが異なります。理由としては、17世紀ごろに微分積分を発見したイギリスのニュートンとドイツのライプニッツの間で、どちらが先に微分積分を発見したかという大論争があり、双方どちらか支持している数学者たちが交わることが難しかったようです。そのため、それぞれの国で使用されている割り算の記号 (「÷」もしくは「:」や「/」) が各国で独立して使用されていきました。そういった背景があり、現代でも割り算の記号は国で異なっています。
また、現代では「÷」を使用している国は、日本以外ではニュートンの出身国であるイギリス、その他はアメリカや韓国、タイなどでは「÷」を使用していますが、その他の多くの国では「÷」を使用していません。
また「:」を使用している国は、ライプニッツの出身国であるドイツや、フランスなどです。
他の国では「/」を使用していて、世界的にみても「/」を使用している国が多いようです。
補足として、「÷」の記号は、上下の2つの「・」がそれぞれ分母と分子の数値部分を表していて、間の横線が分数の横線を表している、と考えられています。
また、最近ではアメリカでも世界標準に合わせて、「/」を割り算として使用することも多くなっているそうです。

参考:「微分積分法」を発見した学者が実は二人いた? “リンゴで有名な物理学者”ともう一人は…

終わりに

計算自体は古代から行われていたようですが、現在広く使用されている記号については比較的新しいもの(?)だったので、すこし驚きました。

その他リンク集

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?