はじめに
わたくしが初めてSAP R/3に出会ったのは、2001年4月に棒医薬品メーカーでの導入に関わりました。
当時は受注や発注の処理がやっとExcelでできるようになり、少しでも作業者の手書きでの伝票作成の手間が省け、数式やマクロ処理で受注伝票や発注伝票ができるようになった時期、それがさらにシステムで簡単に数値を入力するだけで伝票作成が簡単に出来てしまうことに驚きを覚えた記憶は今でも忘れないです。
そこでまだ務めている会社でSAPを導入していても、実際にどんな目的に使うのかわからない事務作業を日々行っている方でも理解できるように、かみ砕いて説明してまいります。
SAPとは
SAPは、ドイツに本社を置く世界最大のビジネスソフトウェア会社であり、ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアの開発で特に知られています。ERPとは、企業の経営資源を一元的に管理し、最適化するためのシステムです。SAPのソフトウェアは、企業のさまざまな業務を統合し、効率化を図ることができます。
SAPの特徴
SAPの最大の特徴は、その包括性と拡張性です。SAPのERPソフトウェアは、財務、人事、製造、供給チェーンなど、企業のあらゆる業務をカバーしています。また、業種や業界によって異なるニーズに対応するためのソリューションも提供しています。さらに、SAPはクラウドサービスも提供しており、企業は自社のITインフラに依存することなく、必要なソフトウェアを利用することができます。
SAPの導入メリット
SAPを導入することで、企業は業務プロセスの効率化や業績の向上を実現できます。また、経営資源の一元管理により、迅速な意思決定を支援します。さらに、SAPのソフトウェアは世界中の企業で広く利用されており、その信頼性と安定性は高い評価を受けています。
SAPの導入デメリット
一方で、SAPの導入には高額なコストがかかることがデメリットとして挙げられます。また、導入には時間がかかり、適切な人材が必要となります。さらに、SAPのシステムは複雑であるため、運用や保守には専門知識が必要となります。
今騒がられている2027年問題
SAPの2027年問題とは、SAP SEが提供するERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアのサポート終了問題を指します。具体的には、SAPの主要製品である「SAP ERP」のメインストリームメンテナンスが2027年に終了するという問題です。
SAP ERPは、企業の経営資源を一元的に管理し、業務効率化を図るためのソフトウェアです。製造、販売、会計など、企業のあらゆる業務を統合的に管理することができます。しかし、このSAP ERPのメインストリームメンテナンスが2027年に終了すると発表され、それ以降は延長サポートとなります。
延長サポートとは、メインストリームメンテナンス終了後に提供されるサポートで、一部のサービスが制限されます。具体的には、新機能の追加や法改正への対応などが行われなくなります。そのため、企業は新たなシステムへの移行を検討する必要があります。
この問題を解決するためには、SAPの新しいプラットフォーム「SAP S/4HANA」への移行が推奨されています。SAP S/4HANAは、従来のSAP ERPと比べて高速な処理能力を持ち、リアルタイムなビジネス分析が可能です。しかし、システムの移行は大規模な作業となるため、早めの準備と計画が必要です。
以上がSAPの2027年問題についての説明です。この問題を理解し、適切な対策を講じることで、企業のビジネス運営をスムーズに続けることができます。
まずはSAPの概要について記載いたしました。
【参考文献】
・SAPとは何か―IT初心者向けにわかりやすく【3分ぐらいで読めます】
https://it-biz.online/sap/overview/#toc1
・SAPコンサルブログ
https://tokulog.org/