【74日目】
トピック 8:SAPS/4HANAの製造指図(6/15)
≪問題74≫
製造指図が使用される生産タイプはどれですか。
□プロセス生産処理
□ディスクリート製造プロセス
□期間志向および数量志向の生産
□管理周期による補充処理
≪解答≫
□プロセス生産処理
■ディスクリート製造プロセス
□期間志向および数量志向の生産
□管理周期による補充処理
≪解説≫
◆指図管理に関するさまざまな要件に対応するために、SAPS/4HANAでは、多様な生産タイプをサポートしております。
(1)ディスクリート産業では、製造指図が使用されます。製造指図は、所要量から始まり、最終製品の入庫で終わる複雑なプロセスチェーンの中心部分の一つです。これにより、製品の内製プロセス全体を制御することができます。
(2)プロセス産業では、プロセス指図が使用されます。プロセス指図は、プロセス産業のさまざまな領域で使用され、製品の安定性や製品の複雑さに応じたさまざまな製造手順に対応することが可能です。
(3)期間志向および数量志向生産(繰返生産)は、製品の安定性が高く、反復率が高く、製品の複雑性が低い生産シナリオで主に使用されます。この場合、生産の計画手配が使用されますが、計画手配が製造指図やプロセス指図に変換されることはありません。
(4)管理周期による補充処理(かんばん生産管理)は、物理的な在庫品目に基づいて生産および品目フローを制御するための手順です。定期的に必要となる品目が、生産時に少ない数量の利用可能在庫で保持され、品目供給の計画が不要となります。消費される品目は、かんばんを使用して即座に補充されます。
≪補足≫
ディスクリート産業(discrete manufacturing)とは、個々の製品や部品を個別に生産する製造業の一分野です。ディスクリート製造では、各製品が独立した形状や機能を持ち、それぞれが識別可能です。これに対して、プロセス製造(process manufacturing)は液体、気体、粉体などの原材料を連続的に加工して一連の製品を生産する方法です。
ディスクリート産業の主な特徴は次の通りです。
- 個別製品:製品が個別に生産されるため、製品ごとに特定の仕様や特性を持ちます。例えば、自動車、家電製品、電子機器などが該当します。
- 部品組み立て:製品は多くの部品やコンポーネントから構成され、それらを組み立てるプロセスが重要です。
- 注文生産と在庫生産:ディスクリート製造では、顧客の注文に基づいて生産する場合と、需要予測に基づいて在庫を持つために生産する場合があります。
- 複雑な製造工程:各製品には異なる製造工程があり、これらの工程を効率的に管理することが求められます。
- トレーサビリティ:製品のトレーサビリティ(追跡可能性)が重要です。製造過程での品質管理や不良品の原因追跡などに役立ちます。
ディスクリート産業は、主に以下のような業界で見られます。
- 自動車産業
- 航空宇宙産業
- 電子機器および家電製品
- 機械製造
- 医療機器
これらの業界では、高い精度と品質管理が求められ、多くの場合、複雑なサプライチェーンと製造工程を管理するための高度なソフトウェアやシステムが使用されます。