はじめに
UiPathでは開発者が開発基準に準拠し、特定のルールを遵守するように、組織は Studio の機能をコントロールするガバナンス ポリシーを適用するための仕組みが提供されています。
本記事では、ガバナンスポリシーの適用法について説明します。
ガバナンスポリシーでどんなことが制御できるの?
Studioの「設定」メニューで指定できる内容や、ワークフローアナライザー(適用するルール、警告レベル等)を制御することができます。
その他、下記のようなStudioから設定できない内容も制御することができます。
制御できる項目は多岐にわたりますので、詳細は公式ドキュメントを確認ください。
ガバナンスポリシーの配布方法
次の方法でガバナンスポリシーを配布することができます。
優先度は1から高くなっており、例えば、Automation Opsとレジストリの両方でガバナンスポリシーを適用した場合、優先度が高いAutomation Opsの設定が利用されます。
優先度 | 配布方法 | Automation Cloud | Automation Suite | オンプレミス |
---|---|---|---|---|
1 | Automation Ops | 〇 | 〇 | × |
2 | Orchestratorアセット1 | 〇 | 〇 | 〇 |
3 | Orchestratorアセット2 | × | 〇 | 〇 |
4 | レジストリ | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | ローカルファイル | 〇 | 〇 | 〇 |
Automation Opsでは、ポリシーを画面から設定できますが(ファイルをインポートして設定することもできます)、その他の方法ではガバナンスファイルを入手して、各項目を設定していく必要があります。
ガバナンスファイルの取得方法
ガバナンスファイルは次の取得方法がありますが、現在の設定を反映させた形で取得できるので、個人的には1がおすすめです。
1. Studioから取得する
2. UiPath公式ドキュメントからサンプルファイルを取得する
3. 自分で作成する
Studioから取得する方法
「ヘルプ」の右側にある、「ガバナンスファイルを生成」から「クラシックポリシー」または「モダンポリシー」を選択します。
クラシックポリシー:Automation Ops以外にガバナンスポリシーを適用する場合
モダンポリシー:Automation Opsにガバナンスファイルをインポートする場合
Automation Opsを利用していない環境でライセンス認証を受けている場合は「クラシックポリシー」、「モダンポリシー」の選択肢は出てきません。
ポリシーが適用されると
「企業ポリシー」に適用されているポリシー名が表示され、%AppData%\UiPath
に「ガバナンスファイル名.cache」が作成されます。このファイルは、ローカルファイルの配布以外の配布方法では、削除してもStudioを起動すると再度作成されます。
ポリシー配布方法
Automation Opsからの配布
画面から設定することができて操作も簡単なので、Automation CloudまたはAutomation Suiteを利用されている場合はお勧めの配布方法です。
下記記事で分かり易く紹介されているのでご確認ください!
Orchestratorアセットからの配布1
Orchestratorからガバナンスポリシーを配布する方法です。次の手順を実施します。
手順1. モダンフォルダ「uipath.settings.config」を作成
手順2. 手順1で作成したフォルダに新規アセットを以下の内容で作成
カテゴリ | 内容 |
---|---|
アセット名 | uipath.studio.governancepolicy |
型 | テキスト |
値 | ガバナンスファイルの内容を貼り付け |
手順3.ガバナンスポリシーを適用したいユーザーまたはグループをフォルダに割り当てる
Orchestratorアセットからの配布2
Orchestratorからガバナンスポリシーを配布する方法です。「Orchestratorアセット1からの配布」と似ていますが、ガバナンスファイルのパスを指定するところが異なります。
次の手順を実施します。
手順1.モダンフォルダ「uipath.settings.config」を作成
手順2.手順1で作成したフォルダに新規アセットを以下の内容で作成
カテゴリ | 内容 |
---|---|
アセット名 | uipath.studio.governancesource |
型 | テキスト |
値 | ガバナンスファイルのパス |
手順3.ガバナンスポリシーを適用したいユーザーまたはグループをフォルダに割り当てる
レジストリからの配布
こちらはレジストリにガバナンスファイルを指定してポリシーを適用させる方法です。各端末のレジストリを直接編集するのではなく、GPOでポリシーを一斉に配布する運用を想定しています。
ガバナンスファイルは読み取り専用でユーザーが削除できない場所に配布してください。
カテゴリ | 内容 |
---|---|
場所 | コンピューター\HKEY_CURRENT_USER\Software\UiPath |
キー | GovernanceSource |
値 | ガバナンスファイルのパス |
ローカルファイルの配布
各端末に直接ガバナンスファイルを配置する方法です。
ユーザーによりファイルが削除されると 適用されたポリシーが外れてしまいます。 他の方法での配布が出来ないか検討してください。
カテゴリ | 内容 |
---|---|
フォルダ | %AppData%\UiPath |
ファイル名 | uipath.policies.config |
おわりに
開発者に開発標準を守ってもらうことで、思わむ事故を防いだり、開発生産性の向上につながります。まだご利用いただいていないのであれば、検討いただけますと幸いです。