こんにちは、Udemy講師のMaruchin Techです。
本稿では、AWS Certified Machine Learning Engineer – Associate の改定(MLA-C01 → MLA-C02)について、公式の比較ページと両試験ガイドを突き合わせ、変更点を整理します。
先に結論を書くと、今回の改定の要点は 生成AI・AIエージェント、つまり Amazon Bedrock が範囲に入る ことです。
【追記】MLA対策講座をC02の変更点に対応して更新しました
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1. 試験の位置づけと受験者像の変化
C02の紹介文は「AI and ML solutions」に書き換えられ、「従来型MLモデルと基盤モデル(FM)の両方を扱う能力を検証する」と明記されました。
| 項目 | MLA-C01 | MLA-C02 |
|---|---|---|
| 受験者要件 | SageMaker AI の経験1年以上 | SageMaker AI に加え Amazon Bedrock の経験1年以上。従来型MLと生成AIの両方の経験 |
| 推奨知識(追加) | - | FMの能力・限界・ユースケースの理解、Bedrockの機能 |
| 推奨知識(削除) | バージョン管理用コードリポジトリの経験 | - |
| 範囲外タスク(削除) | モデルの量子化と精度影響の分析 | -(後述のモデル軽量化スキル削除と整合) |
2. 試験形式の変化
| 項目 | MLA-C01 | MLA-C02 |
|---|---|---|
| 問題数 | 65問(採点50+非採点15) | 同じ |
| 合格点 | 720 / 1000 | 同じ(ベータ版は合否判定なし) |
| 出題形式 | 多肢選択、複数選択、順序付け、組み合わせ | 多肢選択、複数選択のみ |
順序付け(Ordering)と組み合わせ(Matching)の形式がガイドから消えています。C01で導入された新形式が、C02では戻った形です。
3. ドメイン配点の変化
| MLA-C01 | MLA-C02 |
|---|---|
| D1 Data Preparation for ML(28%) | D1 Data Preparation for ML and AI(28%) |
| D2 ML Model Development(26%) | D2 ML Model and Foundation Model (FM) Development(24%) |
| D3 Deployment and Orchestration of ML Workflows(22%) | D3 Deployment and Orchestration of ML and AI Workflows(24%) |
| D4 ML Solution Monitoring, Maintenance, and Security(24%) | D4 Operating, Monitoring, and Securing ML and AI Solutions(24%) |
D2からD3へ2ポイント移動しただけで、4ドメイン・12タスクの骨格は1:1で維持されています。公式の比較ページに全タスクの対応表があります。
4. 追加されたスキル
公式ページ記載の追加項目を、ドメインごとにキーワードで整理します。
| ドメイン | 追加されたスキル |
|---|---|
| D1 データ準備 | ベクトルデータベースの構成(OpenSearch Service、RDS+pgvector、S3)、マルチモーダルデータ(テキスト・画像・音声)の取り込み・保存、埋め込みモデルの構成と利用、高度なテキスト前処理(トークナイズ、ドメイン特化の拡張)、RAG向けドキュメント準備(チャンキング戦略、メタデータ抽出)、データのマスキング・墨消し・匿名化、FMのファインチューニング・継続事前学習・蒸留向けデータ準備、マルチモーダルデータへのバイアス指標適用、学習データの整合性検証(プロンプト・応答ペア検証、コンテンツ安全性スクリーニング)、データクレンジング(外れ値検出、欠損補完、重複排除) |
| D2 モデル / FM開発 | BedrockからのFM選定、FMのファインチューニング戦略、カスタム / マネージド / 事前学習済み / FMのトレードオフ評価、RAGアーキテクチャパターンの選択、性能・レイテンシ・コストのトレードオフ評価、プロンプトエンジニアリングとファインチューニングによるカスタマイズ、検索コンポーネントと埋め込みモデルの最適化、人間による評価フレームワーク(HITL)、NLP評価指標(BLEU、ROUGE、BERTScore、意味的類似度)、AI評価(出力評価、バイアス検出、LLM-as-a-judge)、RAGシステム監視(検索精度評価) |
| D3 デプロイ・オーケストレーション | FMデプロイオプションの評価・選択、AWS外で構築したモデルの持ち込み(SageMaker AI、Bedrock Custom Model Import)、エージェントのデプロイ・構成(他サービス・ツール連携、エージェント通信プロトコル)、FMホスティングとリソース割り当て、RAG構成(検索戦略、リランキング)、Bedrock Knowledge Basesの作成・管理、エージェント状態管理、GPUワークロード向けスケーリング、エージェンティックワークフロー基盤のデプロイ、Bedrock Prompt Management、エージェントの自動デプロイとバージョン管理、プロンプトテストを含むAIモデルテスト、ファインチューニング済みモデルのバージョニング、RAG更新・ナレッジベース再取り込みのパイプライン化 |
| D4 運用・監視・セキュリティ | エージェントの性能と協調の監視(協調失敗検知、ストリーミング切断、ツール障害)、FM向け性能監視(Bedrock evaluations)、本番推論でのFMコスト評価、エージェントのリソース消費監視、AI固有コストパターンの監視(トークン使用量、埋め込み計算、ベクトルDBストレージ)、CI/CDのコード・イメージ脆弱性チェック(CodeGuru、Inspector)、FMアクセス用クレデンシャルの選択(Bedrock APIキー、IAM)、Bedrock Guardrailsによるセーフガードと機微データ保護 |
追加項目はほぼすべて、Bedrockを中心とした生成AI・RAG・エージェントの領域です。
5. 削除されたスキル
| タスク | 削除された項目 |
|---|---|
| 1.3 | 学習リソースへのデータロード構成(EFS、FSx) |
| 2.2 | カスタムデータセットでの事前学習済みモデルのファインチューニング(Bedrock、JumpStart) |
| 2.2 | モデルサイズ削減(データ型変更、プルーニング、圧縮) |
| 3.1 | エッジデバイス向け最適化(SageMaker Neo) |
| 3.2 | SageMakerでのBYOC |
| 4.2 | EventBridgeによるインフラ監視 |
| 4.2 | キャパシティ問題のトラブルシュート(プロビジョンド同時実行、サービスクォータ、オートスケーリング) |
ファインチューニング自体が消えたわけではなく、FMの文脈で再定義されています(C02の1.2.9、2.2.8)。SageMaker Neo、BYOC、モデル圧縮といった従来型MLの周辺トピックが軽くなった形です。
6. 対象サービスの変化
| 区分 | サービス |
|---|---|
| C02で追加 | Amazon Bedrock AgentCore、AWS CodeConnections、Amazon Inspector |
| 名称変更 | Amazon SageMaker → Amazon SageMaker AI |
| C02で削除 | Amazon A2I、Amazon Fraud Detector、Amazon Kendra、Lookout for Equipment / Metrics / Vision、Amazon Mechanical Turk、Amazon Q、AWS Chatbot、AWS Serverless Application Repository、CloudWatch Logs(CloudWatchに統合表記) |
Amazon QとKendraが範囲から外れたのは、RAGの主軸がBedrock Knowledge Basesに移ったことを反映しています。
7. 講師目線での整理
これまでのAI系資格は、MLA-C01がSageMaker中心、AIP-C01がBedrock中心という住み分けでした。C02では、MLAにもBedrockが入ります。
AIP-C01ではBedrockが難易度高で出題されるため、MLA-C02では難易度中程度までのBedrockが出題されると想定しています。C01合格者、あるいはC01向けに学習中の方が押さえるべき新出項目は以下です。
- Bedrock Knowledge Bases、Prompt Management、Guardrails、Custom Model Import、Model Evaluation
- Bedrock AgentCore(Observability含む)、CloudWatchの生成AIオブザーバビリティ
- pgvector / OpenSearch Service によるベクトル検索
- BLEU / ROUGE / BERTScore などのNLP評価指標、LLM-as-a-judge
試験対策の骨格は大きく変わりません。SageMakerを軸とした従来型MLの対策に、Bedrockの基本機能を上乗せすれば足りると考えています。ベータ版や正式版で変更があれば、本稿に追記します。
まとめ
- MLA-C02は「従来型ML+基盤モデル」の試験。受験者要件にBedrockの経験1年以上が追加
- 4ドメイン・12タスクの骨格は維持。配点はD2→D3に2ポイント移動のみ
- 追加スキルは、Bedrockを中心とした生成AI・RAG・エージェント領域に集中
- 削除はSageMaker Neo、BYOC、モデル圧縮など従来型MLの周辺トピック
- 出題形式から順序付け・組み合わせが消え、多肢選択・複数選択のみに
参考リンク
筆者について
Maruchin Tech|情報工学専攻 → 日系自動車メーカー → ITコンサル(製造業・物流領域)→ 独立(EdTech)。AWS認定全12資格を保有。Udemyでクラウド・生成AI講座を展開し、受講者は10万人超。
→ https://www.udemy.com/user/shan-wang-wan-jun-2/
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