こんにちは。マリーです!
先日 SAP(AWS Solutions Architect – Professional)に合格しました 🎉
学習中、「AWS Backup」と「AWS DataSync」の違いがあやふやで混乱したので、今回はその違いを整理してみたいと思います。
AWS には「データを守るサービス」と「データを動かすサービス」があります。
名前が似ているため混同しがちですが、目的や仕組みはまったく異なります。
本記事では、両者の違いと使い分け方を現場目線でわかりやすく解説します。
AWS Backup とは(データを守る)
目的
クラウドやオンプレミスのリソースを定期的にバックアップ・復旧できるようにするサービス。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な用途 | データ保護・バックアップポリシー管理 |
| 対象リソース | EC2, EBS, RDS, DynamoDB, EFS, FSx, S3 など |
| 実行方式 | スナップショットやボールトに保存 |
| 自動化 | スケジュール・保持期間・暗号化を一括管理 |
| 復旧 | 同一アカウントや別リージョンにリストア可能 |
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AWSリソースを定期的にコピーして、トラブル時に元に戻せるようにする保険
利用例
- RDS や EBS の定期バックアップ
- DR(災害対策)として別リージョンにバックアップ転送
- スナップショットのライフサイクル管理
AWS DataSync とは(データを動かす)
目的
オンプレミスや他クラウドとの間で、大量データを高速・安全に転送・同期するサービス。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な用途 | データ移行・複製・同期 |
| 対象リソース | S3, EFS, FSx, NFS, SMB など |
| 実行方式 | DataSync エージェントを介してネットワーク経由で転送 |
| 転送方式 | 差分転送・暗号化・スケジュール対応 |
| 転送方向 | オンプレ ↔ AWS、AWS ↔ AWS 間も可 |
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「オンプレや他環境のデータを効率的に運ぶ引っ越しトラック」
利用例
- オンプレNAS→S3/EFSへの移行
- 別リージョン・別アカウントへの同期
- データレイク構築のための定期転送
AWS Backup と DataSync の比較
| 観点 | AWS Backup | AWS DataSync |
|---|---|---|
| 主な目的 | データの保護・復旧 | データの転送・同期 |
| 操作単位 | バックアップジョブ | 転送タスク |
| データ方向 | 基本はAWS内 | AWS⇄オンプレ / AWS⇄AWS間 |
| 利用シナリオ | 定期バックアップ / DR構成 | データ移行 / レプリケーション |
| 自動化対象 | バックアップスケジュール | 転送スケジュール |
| 例えるなら | 保険 | 引っ越しトラック |
組み合わせパターン例
DataSync と Backup は、組み合わせることでより強力になります。
このように、
• DataSync:定期的にS3にデータを送り込む
• Backup:そのS3を長期保管・リストア可能にする
と組み合わせることで、転送+保護の両立が可能です。
選択の目安フロー
まとめ
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| AWS Backup | 定期バックアップで復旧を目的とする「保険」 |
| AWS DataSync | データ移動や同期を目的とする「トラック」 |
| 両方の使い分け | 「守る」か「動かす」かで判断 |
| 組み合わせ利用 | 移行+保護を両立できる強力な構成が可能 |
さいごに
AWSには似た名前のサービスが多く、最初は混乱しがちです。
しかし、「Backup=守る」「DataSync=動かす」と整理すると一気に理解が進むかと思います。
実務では DataSyncでS3へ転送 → Backupで保護 のように併用するケースも多いため、
プロジェクト要件に応じてうまく組み合わせてみてください。