📒 はじめに
2025 年、Microsoft は「Microsoft 365」の名前を「Microsoft 365 Copilot」に変更しました。これは、Word や Excel などのアプリに AI アシスタントである Copilot(コパイロット)が本格的に組み込まれたことを反映したものです。Copilot は「副操縦士」という意味を持ち、まるで仕事のそばでサポートしてくれる相棒のような存在です。たとえば、文章の下書きを作ったり、表のデータをまとめたりと、日々の業務を手助けしてくれます。
この変更にあわせて、これまで使われていた office.com などのアクセス先も、m365.cloud.microsoft という新しい URL に切り替わりました。見た目や使い方が大きく変わるわけではありませんが、今後は AI を活用した新しい働き方が、より身近なものになっていきそうです。
💡 補足:Microsoft Copilot(旧 Bing Chat)との違いについて
本記事で紹介する「Microsoft 365 Copilot」は、Word や Excel などの Microsoft 365 アプリに組み込まれた業務支援用の AI 機能です。一方、「Microsoft Copilot(旧 Bing Chat)」は、Web 検索やチャットベースの対話を中心とした 汎用的な AI アシスタントであり、用途や提供形態が異なります。名前は似ていますが、別のサービスですので混同にご注意ください。
それに伴い、記事を書き直しました。↓ 過去の記事です。
🧩 アプリの変化 (2025/05 現在)
Microsoft 365 は 2025 年に「Microsoft 365 Copilot」へと名称変更されましたが、それに伴い、利用できるアプリにもいくつかの変化がありました。以前のアプリ一覧と比較しながら、追加・削除・統合・名称変更などの主な変更点を整理します。
✅ 追加されたアプリ・機能
アプリ名 | 概要 |
---|---|
Loop | コンポーネントベースの共同作業アプリ。2023年はプレビュー、2024年に正式リリース。Copilot 対応。 |
Designer | AI を活用したデザイン作成ツール。PowerPoint や Word と連携。 |
Clipchamp | 動画編集ツール。Microsoft 365 に統合され、教育・ビジネス向けにも展開。 |
Copilot Studio | 旧 Power Virtual Agents をベースにした、Copilot のカスタム開発・管理ツール。 |
🔁 統合・機能強化されたアプリ
統合対象 | 統合後の形 | 補足 |
---|---|---|
Planner + To Do + Project for the Web | 新しい Planner | タスク管理機能が統合され、Copilot による支援も強化。 |
Stream(Classic) | Stream(on SharePoint) | 動画管理が SharePoint ベースに移行。 |
Forms + Polls(Teams) | Forms に統合 | 投票機能が Forms に統合され、UI も刷新。 |
🆕 名称変更・ブランド再編
旧名称 | 新名称 | 補足 |
---|---|---|
Yammer | Viva Engage | Viva ブランドに統合。社内SNSとしての役割を継続。 |
Power Virtual Agents | Copilot Studio | より高度な AI エージェント開発に対応。 |
Viva Sales | Copilot for Sales | Microsoft 365 Copilot の機能と営業支援機能が統合され、より強力な AI 支援が提供されるようになりました。 |
❌ 利用終了・非推奨アプリ
アプリ名 | 状況 | 補足 |
---|---|---|
Delve | 廃止(2024年) | 機能の一部は Viva Insights や Microsoft Graph に統合。 |
Sway | 非推奨 | 明確な終了発表はないが、更新停止状態。 |
Viva Topics | 廃止 (2025/02/22) | Viva Topicsは、2025 年 2 月 22 日に廃止されました。 |
Viva Goals | 廃止 (2025/12/31) | Viva Goalsは、2025 年 12 月 31 日に廃止されます。 |
📝 文書・資料作成系アプリ
このカテゴリでは、文書作成やプレゼン資料の作成、デザイン業務に活用できるアプリを紹介します。Microsoft 365 Copilot によって、これらのアプリでも AI の支援が受けられるようになり、作業の効率化や品質向上が期待できます。
Word(Copilot 対応)
Microsoft Word は、文書作成の定番アプリです。Microsoft 365 Copilot の統合により、以下のような支援が可能になりました。
- ドキュメントの下書き生成(プロンプトに応じた文章作成)
- 既存文書の要約やリライト
- トーンやスタイルの調整(例:カジュアル → フォーマル)
- 表や箇条書きの自動生成
Copilot は、ユーザーの入力に応じてリアルタイムで提案を行い、文書作成のスピードと質を大きく向上させます。
PowerPoint(Copilot 対応)
PowerPoint は、プレゼンテーション資料の作成に使われるアプリです。Copilot の導入により、以下のような機能が追加されました:
- Word やメモからスライドを自動生成
- スライドの要約や構成の提案
- デザインやレイアウトの自動調整
- 話し言葉に近いナレーション原稿の作成支援
Copilot により、資料作成の初期段階から完成までを一貫してサポートできるようになっています。
Designer(Copilot 対応)
Microsoft Designer は、AI を活用したビジュアルデザインツールです。以下のような用途に適しています。
- SNS 投稿用の画像やバナーの作成
- プレゼン資料のビジュアル強化
- ブランドカラーやフォントに基づくデザイン提案
- テキストから画像を生成(AI イメージ生成)
PowerPoint や Word とも連携しており、資料作成のビジュアル面を強力にサポートします。
Sway(非推奨)
Sway は、Web ベースのプレゼンテーションやレポートを作成できるアプリです。かつては教育や社内報告などで活用されていましたが、現在は更新が停止されており、Microsoft からも積極的な利用は推奨されていません。
代替としては、PowerPoint や Designer の活用が推奨されます。
Clipchamp(Copilot 対応)
Clipchamp は、Microsoft 365 に統合された動画編集アプリで、直感的な操作でプロ品質の動画を作成できます。特に教育・営業・社内広報など、ビジネス用途での動画活用が広がる中、Clipchamp はそのニーズに応えるツールとして注目されています。
- テンプレートを使った動画の簡単作成
- テキスト、画像、音声、BGM の挿入と編集
- AI によるナレーション生成や字幕の自動追加
- Copilot による編集提案(例:「この動画を 30 秒に要約して」)
PowerPoint や Designer と連携することで、プレゼン資料やSNS投稿用の動画コンテンツを効率的に作成できます。
📊 データ・分析系アプリ
このカテゴリでは、データの収集・整理・分析・可視化に役立つアプリを紹介します。Microsoft 365 Copilot により、複雑なデータ処理やレポート作成も自然言語で指示できるようになり、専門知識がなくても高度な分析が可能になっています。
Excel(Copilot 対応)
Excel は、表計算・データ分析の代表的なアプリです。Copilot の統合により、以下のような支援が可能になりました:
- データの要約や傾向の抽出
- 自然言語での関数作成(例:「売上の平均を出して」)
- グラフやピボットテーブルの自動生成
- Python スクリプトの直接実行(高度な分析や可視化に対応)
Copilot により、従来の関数やマクロに頼らず、直感的にデータ分析が行えるようになっています。
Power BI(Copilot 対応)
※ 詳しくは Power BI を参照
Forms
Forms は、アンケートやクイズ、投票などを簡単に作成・集計できるアプリです。Teams との統合により、会議中の投票やフィードバック収集にも活用されています。
- 回答の自動集計とグラフ表示
- Excel との連携による詳細分析
Lists
Lists は、業務データやタスク、在庫などの情報を構造化して管理できるアプリです。SharePoint サイト内のカスタムリストのみを管理することに特化しています。以下のような特徴があります。
- カスタムリストの作成とテンプレート活用
- 条件付き書式やビューの切り替え
- Power Automate や Copilot との連携による自動化・分析支援
📧 コミュニケーション・情報共有系アプリ
このカテゴリでは、社内外のコミュニケーションや情報共有を支援するアプリを紹介します。Microsoft 365 Copilot により、会話やメール、動画、ホワイトボードといった情報のやり取りがより効率的かつインテリジェントに行えるようになっています。
SharePoint(Copilot 対応)
SharePoint は、社内ポータルやドキュメント管理、チームサイトの構築に使われる情報共有基盤です。Copilot の統合により、以下のような支援が可能になっています。
- ページやニュース投稿の自動生成・要約
- ドキュメントライブラリの整理と説明文の提案
- SharePoint 上の情報を活用した Copilot エージェントの作成(SharePoint エージェント)
Teams や Viva Connections と連携することで、組織全体の情報流通を支える中核的な役割を果たします。
Outlook(Copilot 対応)
Outlook は、メールとスケジュール管理を中心としたアプリです。Copilot の導入により、以下のような支援が可能になりました:
- メールの要約と返信案の提案
- 長文メールのポイント抽出
- スケジュール調整の提案
- メールのトーンや内容の改善提案
Copilot により、メール処理の時間を大幅に短縮し、重要なやり取りに集中できるようになります。
Teams
Teams は、チャット、会議、ファイル共有、アプリ統合などを一元化したコラボレーションプラットフォームです。Copilot の活用により:
- 会議のリアルタイム要約とアクションアイテムの抽出
- チャット履歴からの情報検索と要約
- 会話の文脈に応じた返信案の提案
- 会議後のフォローアップメールの自動作成
など、チーム内のコミュニケーションがよりスムーズになります。
Teams の活用
Teams にさまざまなアプリを組み込むことで活用の幅が広がります。
Teams Premium
Teams Premium では、ブランディング向けの会議のカスタマイズ機能やオンライン面談機能が追加され、参加者ビュー管理など大規模ウェビナー向けの機能が強化された。また、レコーディング可能ユーザーの制限や、チャットのコピー&ペースト防止などセキュリティ機能も強化されている。
Microsoft Places
AI を使用して、柔軟な働き方を再構築し、空間を変革しましょう。Teams Premium を通じた提供が開始されました。
Viva Engage(旧 Yammer)
※詳しくは Viva Engage 参照
Stream (on SharePoint)
Stream は、社内向けの動画共有プラットフォームです。現在は SharePoint ベースに移行しており、Teams 会議の録画やトレーニング動画の管理に活用されています。
- 会議録画の自動文字起こしと要約(Copilot 対応)
- 動画内のキーワード検索
- セグメントごとの視聴分析
Copilot により、動画コンテンツの活用がより効率的になります。
Whiteboard
Whiteboard は、デジタルホワイトボードアプリで、会議やブレインストーミングでの共同作業に使われます。
- 手書きメモや図形の整理
- Teams 会議中のリアルタイム共有
✅ タスク・プロジェクト管理系アプリ
このカテゴリでは、個人やチームのタスク管理、プロジェクトの進行管理、共同作業の効率化に役立つアプリを紹介します。Microsoft 365 Copilot により、タスクの自動整理や進捗の可視化、プロジェクトの計画立案がよりスムーズに行えるようになっています。
Planner(Copilot 対応)

「新しい Planner」は、従来の Planner、To Do、Project for the Web を統合したタスク・プロジェクト管理アプリです。個人のタスクからチームのプロジェクトまでを一元的に管理でき、Copilot による支援も強化されています。
- 会議の議事録やチャットからアクションアイテムを自動抽出
- タスクの優先順位や期日の提案
- プロジェクトの進捗状況の要約とレポート作成
- ガントチャートやカンバンビューの自動構成
- Outlook や Teams との連携による通知・更新の自動化
これにより、従来の複数アプリを使い分ける必要がなくなり、より直感的で柔軟なタスク管理が可能になります。
Loop(Copilot 対応)
Loop は、コンポーネントベースの共同作業アプリで、ドキュメント、タスク、表、チェックリストなどをリアルタイムで共同編集できます。
- Teams や Outlook に埋め込んで使える「Loop コンポーネント」
- ページ単位での情報整理と共有
- Copilot による要点抽出、タスク提案、内容の要約
Loop は、従来の「ドキュメント中心のコラボレーション」から「コンテンツ中心のコラボレーション」への転換を支えるアプリです。
Bookings
Bookings は、社内外の予約管理を行うアプリです。主に以下のような用途で使われます。
- 会議や面談、サービス提供の予約受付
- 自動リマインダー送信
- スタッフの空き時間に基づくスケジューリング
Copilot との直接的な統合はまだ限定的ですが、Outlook や Teams との連携を通じて、予約業務の効率化に貢献します。
📚 Viva シリーズ(従業員体験・ナレッジ・学習)
Microsoft Viva は、従業員のエンゲージメント、生産性、学習、ウェルビーイングを支援するためのプラットフォームです。Microsoft 365 Copilot によって、Viva の各モジュールでも AI による支援が強化されつつあります。この章では、主要な Viva アプリを紹介します。
- Viva Connections
- Viva Engage
- Viva Amplify
- Viva Insights
- Viva Glint
- Viva Pulse
- Viva Learning
🏠 Viva Connections
Viva Connections は、従業員向けのポータル機能を提供するアプリで、SharePoint をベースに社内ニュース、リソース、ダッシュボードなどを統合表示します。
- 組織のイントラネットを Teams に統合
- モバイル対応の社内ポータル
- 個人に合わせた情報のカスタマイズ表示
💬 Viva Engage
Viva Engage は、旧 Yammer をベースにした社内SNSで、従業員同士のつながりやコミュニティ形成を支援します。
- 部門横断のディスカッションやナレッジ共有
- ストーリーライン投稿による個人の発信強化
- 経営層とのオープンな対話の場
📣 Viva Amplify
Viva Amplify は、社内キャンペーンやコミュニケーションの一元管理を支援するアプリです。複数のチャネル(Outlook、Teams、SharePoint など)にまたがるメッセージの作成・配信・分析を一つの場所で行うことができます。
- キャンペーンの計画・配信・効果測定を一元化
- Copilot によるメッセージ作成支援や感情分析
- 部門横断の情報発信を効率化し、従業員のエンゲージメントを向上
📊 Viva Insights
Viva Insights は、働き方の分析とウェルビーイングの向上を目的としたアプリです。Copilot の統合により、以下のような支援が可能です:
- 会議やメールの時間配分の可視化
- 集中時間や休憩の提案
- チーム全体の働き方傾向の分析
- Copilot によるレポート要約や改善提案
🧠 Viva Glint
Viva Glint は、従業員エンゲージメント調査を通じて組織の健全性を可視化し、改善アクションにつなげるためのアプリです。人材科学に基づいたアンケート設計と分析機能を備えています。
- 組織全体を対象とした定期的なエンゲージメント調査
- AI によるインサイト抽出と改善提案
- 文化変革や戦略的方向性の評価に活用可能
📥 Viva Pulse
Viva Pulse は、マネージャーやプロジェクトリーダーがチームから迅速にフィードバックを収集し、アクションにつなげるためのアプリです。短期的・局所的なアンケートに適しています。
- テンプレートを活用した簡易アンケートの作成と配信
- チームの状態やニーズをリアルタイムで把握
- 匿名性を保ったフィードバックで信頼性を確保
🎓 Viva Learning
Viva Learning は、社内外の学習コンテンツを一元管理し、従業員のスキルアップを支援するアプリです。
- LinkedIn Learning や Microsoft Learn との統合
- 学習コンテンツの推薦と進捗管理
- Teams 上での学習体験の提供
サービスの廃止、統合
サービスの廃止、統合
Viva Goals
Viva Goalsは、2025 年 12 月 31 日に廃止されます。 Microsoft は引き続き、提供終了を通じて、Viva Goalsの可用性、アクセシビリティ、セキュリティを維持します。 ただし、2024 年 12 月 5 日の時点で、Microsoft は新機能開発に投資しなくなります。
Viva Topics
Viva Topicsは、2025 年 2 月 22 日に廃止されました。
AI テクノロジの世代交代が進行中であるため、現在、Microsoft Copilot や Microsoft 365 の他の部分で AI を活用した新しいナレッジ管理エクスペリエンスを構築することに戦略と取り組みを集中させています。 お客様の計画を支援するために、Microsoft 365 導入センターのナレッジ管理ページにある新しいガイダンスを参照してください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/topics/changes-coming-to-topics
Viva Sales
Viva Sales は、営業担当者の業務を支援する AI ツールとして 2022 年に登場しましたが、2023 年に Microsoft の Copilot 戦略に沿って「Microsoft Sales Copilot」へと名称変更され、その後 2024 年には Microsoft 365 Copilot の一部として「Copilot for Sales」に統合されました。これにより、従来の Viva Sales の機能は維持しつつ、より高度な AI 機能と統合された形で提供されるようになり、ブランドとしての Viva Sales は段階的に姿を消すこととなりました。
⚙️ Power Platform アプリ(開発・自動化・拡張)
Power Platform は、Microsoft 365 に統合されたローコード/ノーコード開発基盤で、業務アプリの作成、自動化、データ分析、Web サイト構築、AI エージェントの開発などを支援します。Microsoft 365 Copilot との連携により、これらの作業も自然言語で指示できるようになり、より多くのユーザーが業務改善に貢献できるようになっています。
Power Apps
Power Apps は、業務アプリをローコードで作成できるプラットフォームです。
- モバイル・Web 両対応のアプリを短期間で開発
- SharePoint や Dataverse、Excel などとの連携
- Copilot によるアプリ設計支援(例:「在庫管理アプリを作って」)
Copilot により、アプリの構成や画面設計、データ接続の提案が可能になり、開発のハードルが大きく下がっています。
Power Automate
Power Automate は、業務プロセスの自動化を支援するツールです。
- フロー(ワークフロー)の作成と実行
- Teams や Outlook、SharePoint などとの連携
- Copilot によるフロー作成支援(例:「メールの添付ファイルを自動で保存して」)
Copilot により、自然言語で自動化の要件を伝えるだけで、フローの雛形を生成できます。
Power BI
Power BI は、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとして、データの可視化や分析、ダッシュボード作成に特化したアプリです。
- ダッシュボードの作成と共有
- データセットの統合と分析
Copilot の導入により、
- データセットからのインサイト抽出
- 自然言語でのレポート作成(例:「売上の推移をグラフで見せて」)
- ダッシュボードの自動生成とカスタマイズ提案
が可能になり、非エンジニアでも高度な可視化が行えるようになっています。
Microsoft Fabric と Power BI の関係について
Microsoft Fabric は、Microsoft 365 の一部として提供されるクラウドベースのアプリケーション開発プラットフォームです。Power BI は、Microsoft 365 の一部として提供されるビジネスインテリジェンスツールです。Microsoft Fabric と Power BI は、データの収集、分析、可視化、共有などの機能を統合することで、アプリケーション開発とビジネスインサイトの両方をサポートします。例えば、Microsoft Fabric で作成したアプリケーションから Power BI にデータを送信したり、Power BI のダッシュボードやレポートを Microsoft Fabric のアプリケーションに埋め込んだりすることができます。Microsoft Fabric と Power BI の関係は、クラウドベースのサービスとしての柔軟性とスケーラビリティを提供し、ユーザーのニーズに応じてカスタマイズできるという点で、非常に強力です。
Power Pages
Power Pages は、業務用の Web サイトをローコードで構築できるツールです。
- 顧客向けポータルや申請フォームの作成
- Dataverse との連携によるデータ管理
- Copilot によるページ構成やデザインの提案
従来の Power Apps Portals の進化版として、より柔軟な Web サイト構築が可能になっています。
Copilot Studio(旧 Power Virtual Agents)
Copilot Studio は、チャットボットや AI エージェントを作成・管理できるプラットフォームです。旧 Power Virtual Agents から進化し、Copilot のカスタマイズや業務特化型エージェントの開発が可能になりました。
- 自然言語での会話フロー設計
- Teams や Web サイトへのボットの埋め込み
- Copilot の動作や応答のカスタマイズ
🧠 ノート・個人管理系アプリ
このカテゴリでは、個人の情報整理やタスク管理、アイデアの記録に役立つアプリを紹介します。Microsoft 365 Copilot により、日々のメモやタスクの管理もよりスマートに行えるようになり、思考の整理や自己管理の質が向上します。
OneNote(Copilot 対応)
OneNote は、自由度の高いノートアプリで、テキスト、画像、手書き、音声などを組み合わせて記録できます。Copilot の統合により、以下のような支援が可能になりました:
- ノートの要点抽出や要約
- 会議メモからのアクションアイテム抽出
- ノートの構成提案や整理
- 他のアプリ(Outlook、Teams など)との連携による情報統合
また、2024/01 に、Teams の Wiki が廃止され、OneNote になりました。
Copilot により、情報の「書きっぱなし」から「活用できるノート」への進化が期待できます。
🛠 管理・設定・分析系ツール
このカテゴリでは、Microsoft 365 環境の管理やセキュリティ設定、利用状況の分析などを行うためのツールを紹介します。Microsoft 365 Copilot の導入により、管理者向けの操作や分析も一部自動化・支援されるようになってきています。
Microsoft 365 管理センター
Microsoft 365 管理センターは、テナント全体の設定やユーザー管理、ライセンス配布などを行うための中核的な管理ツールです。
- ユーザー・グループ・ライセンスの管理
- アプリの利用状況やアクティビティの確認
- セキュリティやコンプライアンスの設定へのアクセス
Copilot による支援は限定的ですが、今後は管理タスクの自動化やレポート作成支援が期待されています。
セキュリティ & コンプライアンス センター
Microsoft Purview(旧 Microsoft 365 コンプライアンス センター)や Microsoft Defender ポータルなどを通じて、セキュリティとコンプライアンスの管理が可能です。
- データ損失防止(DLP)ポリシーの設定
- 情報保護(暗号化・ラベル付け)
- アラートとインシデントの監視
- 監査ログと eDiscovery(電子情報開示)
Copilot による支援は、ポリシーの説明や設定内容の要約など、管理者の理解を助ける方向で進化中です。
Microsoft Graph / 管理者向け Copilot 機能
Microsoft Graph は、Microsoft 365 のデータにアクセスするための API プラットフォームで、Copilot の動作にも深く関わっています。
- ユーザー、ファイル、メール、カレンダーなどの情報にプログラムからアクセス可能
- Power Platform やカスタムアプリとの連携に活用
- 管理者向け Copilot(プレビュー機能)では、自然言語でのクエリによる利用状況の分析や設定確認が可能に
例:「過去30日間で最も使われたアプリは?」「共有ファイルのうち外部公開されているものを一覧で教えて」
🧾 まとめと今後の展望
本記事では、Microsoft 365 Copilot(旧 Microsoft 365)で利用できるアプリとその変化、そして各カテゴリにおける主要アプリの概要と Copilot 対応状況について紹介しました。
Microsoft 365 Copilot の登場により、従来の Office アプリは単なる作業ツールから「考えることを支援するパートナー」へと進化しています。Copilot は、自然言語での指示に応じて文書を作成し、データを分析し、会議を要約し、タスクを整理するなど、あらゆる業務の中でユーザーをサポートします。
今後の展望
-
Copilot 対応アプリの拡大
現在は主要アプリを中心に対応が進んでいますが、今後はより多くのアプリや業務シナリオに Copilot が組み込まれていくと予想されます。 -
業務プロセス全体への統合
Copilot は単体のアプリ内だけでなく、アプリ間を横断して情報をつなぎ、業務全体を俯瞰・最適化する方向へ進化しています。 -
ユーザーごとの最適化
利用履歴や業務内容に応じて、Copilot の提案がよりパーソナライズされるようになり、ユーザー体験がさらに向上することが期待されます。 -
管理者・開発者向け機能の強化
Copilot Studio や Microsoft Graph との連携により、企業ごとの業務に特化した Copilot の開発・運用も現実的になってきています。
Microsoft 365 Copilot は、単なる AI 機能の追加ではなく、働き方そのものを再定義する大きな変化です。今後も進化を続けるこのプラットフォームを、ぜひ積極的に活用してみてください。