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Difyのアップデート!ナレッジパイプラインって何?

Last updated at Posted at 2025-10-17

みなさん、こんにちは!

最近はReactやNode.jsといったWeb開発の基礎を掘り下げていますが、ちょっと寄り道して、Difyプラットフォームのアップデートについて紹介します。

Difyのバージョン1.9にて「ナレッジパイプライン(Knowledge Pipeline)」なる機能が追加されました。
「これをどう使えばいいだろう?」と、試行錯誤しています。


1. ナレッジパイプラインとは?

ナレッジパイプラインは、文書データの自動処理と知識ベースへの保存を実現するワークフローシステムです 。
これは、AIアプリケーションに、大量の非構造化データ(文書ファイルなど)から抽出した正確なコンテキスト情報を提供するための、自動化されたデータ加工ラインです 。

簡単に言えば、「大量のファイルを放り込むだけで、AIが賢く使える『知識』に自動変換してくれる仕組み」です。

従来のナレッジベースからの変化

今回のアップデートは、従来の知識管理システムが抱えていた課題を柔軟に対応できるようにした変更だと感じました。
特に以下の5点が、目立った変更点です。

変化した機能 旧システムの問題点 ナレッジパイプラインの解決策
チャンク分割 手動でサイズを指定、設定が固定されていた 自動最適化アルゴリズムで最適な分割戦略を選択
多様な形式対応 主にPDF・テキスト中心で、画像や表の取り込みが限定的 CSV、画像、表、Word、PPTなど多様な形式を直接取り込み可能
データ変換 CSVからMarkdownへの変換が手動で外部スクリプトに依存していた Dify内蔵モジュールでCSVからJSONへ自動変換
処理の可視化 内部処理がブラックボックス化していた Test RunやVariable Inspectでノードごとの入出力を可視化
柔軟な設計 固定的なモジュール構成だった 各ステップをプラグインで差し替え可能な柔軟なアーキテクチャ

特に、非構造化データの取り込みと活用が容易になったことで、知識ベースの対象範囲と価値が大幅に拡大しました 。


2. ナレッジパイプラインを構築する4つのステップ

この強力な知識ベースは、以下の4つのステップを経て構築・運用されます 。

ステップ1:パイプライン作成

ナレッジベースへ情報を自動的に処理・保存するためのワークフローを定義します。
テンプレートを活用したり、目的やデータソースに合わせて一からカスタマイズしたりできます 。

ステップ2:オーケストレーション

UIコンポーネント(処理ノード)を用いて、データ処理フローを視覚的に設計・カスタマイズします。
複雑なデータフローもドラッグ&ドロップで直感的に構築でき、処理ノードの配置や接続を視覚化できます。

ステップ3:ナレッジパイプラインの公開

設計とデバッグが完了したらパイプラインを公開します。公開後はナレッジベースのチャンク構造が編集不可となるなどの注意点があります。
公開後、「APIリファレンス」からAPIドキュメントを参照し、アプリケーションへの組み込み方法を確認できます。

ステップ4:ファイルのアップロード

パイプラインを通じて文書をナレッジベースに変換するステップです。
複数のファイル形式に対応しており、ドラッグ&ドロップで簡単にアップロードできます。アップロード状況のリアルタイム監視や、同一ドキュメントのバージョン管理も可能です。


3. どう活用しよう?

ナレッジパイプラインにて、さまざまな形式のファイルをRAGに活用しやすくなるようにはなりましたが、事前処理をしていた手間が省けるようになったと感じはしたものの、まだ良い活用方法を思いついていないんですよね…

活用アイデア(妄想中)

  1. 社内ドキュメント自動更新AI:

    • 人事部が新しい規定文書(WordやPPT)をフォルダに置くだけで、パイプラインがそれを自動で取り込み、知識ベースを更新。
    • 社内チャットボットが、常に最新の規定に基づいて正確に回答する。
    • 課題: 業務フローへの組み込みの煩雑さ。
  2. 専門分野特化型FAQ生成サービス:

    • ユーザーがPDFのマニュアルや技術論文をアップロードすると、パイプラインがそれを解析し、自動でQ&A形式の知識ベースを生成(Q&A戦略)。
    • 生成されたQ&AリストをReactアプリで表示し、ユーザーが編集できるようにする。
    • 課題: チャンク戦略の自動最適化がどこまで細かなニュアンスに対応できるか。
  3. マルチモーダル知識検索:

    • 画像(製品写真)と表(スペック)を含むドキュメントを取り込めるようになったため、従来のテキスト検索だけでなく、「この画像に写っている製品のスペックは?」といった高度な質問に答えられるようになる。
    • 課題: 既存の検索UIをどこまで刷新する必要があるか。

機能の紹介に留まってしまっていますが、皆さんはこのナレッジパイプラインをどう活用してみたいですか?

ぜひコメントでアイデアを教えてください!

おまけ

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気になる方は以下のリンクよりご確認ください。

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