タイリージョンについて
2025年1月7日にAWSアジアパシフィック (タイ) リージョンの一般提供がアナウンスされました。
アジアパシフィックで14個目のリージョンです。
検証の背景
たまたま仕事でタイに出張ことが決まっていて、タイ国内で利用するシステムを導入する予定でした。
システムにはS3を利用しており、シンガポールリージョンに構築していたのですが、訪タイ直前にタイリージョンができたのでそちらを利用することにしました。
タイリージョンができたおかげで、タイ国内で完結するため大変助かりました。
せっかくなので現地から2つのリージョンの速度検証をおこないました。タイリージョンはデフォルトで無効になっていますので有効化します。
タイリージョンの有効化方法
マネコンからリージョンを確認します。
アジアパシフィックの選択肢にタイリージョンはまだありません。
下部までスクロースすると「リージョンを管理」を選択できます。
タイリージョンを有効化します。
しばらくするとアジアパシフィックにタイリージョン(ap-southeast-7)が有効化されます!
準備ができたので早速検証します。
検証の手順
手順は下記の通りです。
- シンガポールとタイリージョンにS3バケットを作成
- アップロード速度を測定
- ダウンロード速度を測定
みたいな手順でやってみました。それぞれ200MBのテストデータで10回実行し平均値で評価しています。
またインターネットは現地法人のWifiを利用します。
利用したコマンド
ファイルの操作はAWS CLIを利用。私はmacOSを利用しているのでtimeコマンドで測定しました。
コマンド例は下記の通り。
## アップロード コマンド例
time aws s3 アップロードファルパス s3://バケット/key --region ap-southeast-7
## ダウンロード コマンド例
time aws s3 s3://バケット名/key ダウンロードパス --region ap-southeast-7
このコマンドを利用するとtimeでtotal時間が出力されます。
## 出力例
2.71s user 2.08s system 16% cpu 28.401 total
200MBのデータに対して、10回測定してグラフ化した結果が下記の通りです
アップロード結果
回数 | タイ | シンガポール |
---|---|---|
1 | 29.42 | 22.33 |
2 | 25.50 | 25.75 |
3 | 26.51 | 24.14 |
4 | 25.71 | 23.63 |
5 | 26.51 | 30.97 |
6 | 23.91 | 24.64 |
7 | 24.99 | 25.74 |
8 | 22.89 | 24.38 |
9 | 24.79 | 27.14 |
10 | 23.34 | 28.38 |
平均 | 25.36 | 25.7 |
アップロードに関してほぼ僅差でした。
ダウンロード結果
回数 | タイ | シンガポール |
---|---|---|
1 | 25.51 | 35.20 |
2 | 25.75 | 39.29 |
3 | 25.13 | 42.17 |
4 | 23.33 | 26.17 |
5 | 23.94 | 36.68 |
6 | 24.67 | 23.89 |
7 | 25.99 | 22.54 |
8 | 28.18 | 27.51 |
9 | 25.13 | 24.91 |
10 | 23.76 | 26.367 |
平均 | 25.14 | 30.47 |
ダウンロードに関しては約5秒ほどタイリージョンが早かったです。
まとめ
地理的に有利なリージョンを選定すると恩恵をうけることができました。実際に測定してみると差を観測でき勉強にもなりました。
タイリージョンではAmplify Hostingは対応してないようでが、タイリージョンでAmplifyが利用できる日も楽しみに待っています。