Asrock Z690 + NVMe + Intel VMD で「Inaccessible boot device」から復旧した話
環境
- M/B: Asrock Z690 STEEL LEGEND
- OS: Windows 11 Pro
- ブートドライブ: NVMe SSD (M.2)
- SATA 側には RAID1 構成のデータディスクあり、(ここにWin10のインストーラーが置いてあった)
- BIOS 設定: NVMe は VMD 直結、SATA は VMD 配下
発生した問題
ある日突然、Windows 11 が以下のエラーで起動しなくなった。
- Inaccessible boot device
- リセットボタンを押すと 0x00000001 で再起動ループに入ることも
さらにトラブルシュートを進める(VMDのドライバを入れなおすなど)と以下の状況に遭遇:
-
bootrec /scanos
が「認識された合計数: 0」 - EFI パーティションがあるのに正しく参照されていない
- VMD 設定を変えると NVMe が認識されなくなる
対処のポイント
1. ブートデバイスの優先順位が勝手に変わる
BSOD や強制リセット後、BIOS のブート順が NVMe → SATA に勝手に切り替わることがあった。
結果として SATA 側に残っていた Windows 10 インストーラーを起動しようとして失敗 → 混乱の元に。
👉 教訓: 起動失敗時はまず「どのデバイスからブートしようとしているか」を確認すること。
2. 電源オフでもマザーボードは通電している
- リセットボタンでは通電が切れない
- 電源ボタンでオフにしても、M/B の一部はスタンバイ状態(普段は消えるはずのUSB ドングルの LED が点滅し続けていた場合もあった)
👉 教訓: BIOS の重要な設定(VMD のオン/オフなど)を変えたときは、電源BOXの物理スイッチを切って再投入するのが確実。
3. VMD 有効化の成否とブート順の罠
- 1度目の VMD オンでは NVMe が見えず失敗
- 2度目は物理電源オフ後に成功
- 実はその間にブート優先順位が SATA に変わっていて、NVMe を見に行っていなかった可能性も
👉 教訓: 「VMD 有効にしたのに見えない」と思っても、電源再投入+ブート順の確認を忘れない。
4. Windows RE (回復環境) の修復
- EFI パーティション内の
winre.wim
を確認 -
reagentc /enable
で回復環境を再登録 -
reagentc /info
で正常にEnabled
になったことを確認
👉 教訓: WinRE が生きていると後の修復が格段に楽になる。winre.wim
が見えないときは SH
属性を忘れず確認。
最終的な復旧手順
- BIOS で VMD を有効化(NVMe も VMD 配下に)
- 電源BOXの物理スイッチをオフ→オン
- BIOS でブート優先順位を NVMe に戻す
- Windows が起動
- WinRE を
reagentc
で再登録して今後に備える
まとめ
- Z690 環境では「VMD 設定」と「ブート優先順位」が絡んで混乱しやすい
- 強制リセット後は BIOS が勝手にブートデバイスを入れ替えることがある
- 本当に設定を変えたのに効いていない場合、物理電源の再投入を疑うべし
- 回復パーティションや WinRE の確認も忘れずに
おまけ
このケースでは「たまたま SATA 側に Windows 10 インストーラーが残っていた」ために助かった面と余計混乱した面があった。
同じように「複数の OS/インストーラーを同じ PC に残している人」も要注意。