3月31日、AnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」の全ソースコードが突如としてネット上に流出しました。
原因はなんと、npmパッケージに含まれた .map(sourcemap)ファイル 。
Bunでビルドしたときにデフォルトで生成されるsourcemapに、元々のTypeScriptソースが丸ごと埋め込まれていたのです。
これによりソースマップ経由でソースコードが流出しました。しかし、ヤバいのはここからです。
流出→即バックアップ→DMCA連発
最初に流出を報告したのは Fried_rice 氏。
公開されたZIP(src.zip)には、Claude Codeの全アーキテクチャ、システムプロンプト、ツール群、未公開機能フラグ(KAIROS、BUDDY、ULTRAPLANなど)、Undercover Modeまで完璧に含まれていました。
すぐに realsigridjin 氏がGitHubにバックアップを作成しました。
しかしAnthropic側は即座に動き、DMCA(著作権侵害削除要請) を連発。
オリジナルコードをそのままホスティングしていたリポジトリは次々と削除されていきました。
「著作権侵害だから当然」ここまでは普通の話です。
そこで彼がとった衝撃の回避策
ところが、realsigridjin 氏が取った次の行動が完全に規格外でした。
同じリポジトリをPythonで完全リライトして再公開したのです。
- 元:TypeScript(Anthropic公式コードそのもの)
- 新:Python(Codex/oh-my-codexを使ってAIが自動変換・再実装)
彼が作成したリポジトリは、機能はほぼ同一なのに「著作権侵害ではない」と主張できる形になりました。 (ここは賛否ありそうですが、少なくともまだ削除されていない)
しかもこのリライト作業は数時間で完了。AIエージェントに投げて「Claude CodeをPythonで再実装せよ」と指示しただけで終わったと言われています。
Gergely Orosz氏(@GergelyOrosz)が的確に指摘した通り:
「copyright does not protect derived works. Rewriting TypeScript code in Python means copyright no longer applies.」
(著作権は「派生作品」を保護しない。TypeScriptをPythonに書き直せば著作権は適用されなくなる)
なぜこれで著作権違反を回避できるのか?
著作権法の基本原則は 「表現」を保護するが、「アイデア・機能・アルゴリズム」は保護しないというもの。
- 同じロジックを別の言語でゼロから書き直す=「表現が違う」
- AIが自動変換したとしても、人間が「仕様を見て再実装した」と主張できる
つまり「翻訳版」や「別言語ポート版」は、法的にはグレーゾーンど真ん中ですが、実務上はDMCAが非常に通りづらいのです。
実際、このPython版は今も生き残っており、スター数も爆速で伸び続けています。
Anthropicにとっては最悪の展開です。
- DMCAで消しても「Python版」が残る
- 消そうとすれば「AIが作った派生作品まで著作権で縛るのか?」という大論争を巻き起こす
- 自分たちが作っているClaude/Code系ツールの存在意義自体を脅かす
補足: ただし、「ゼロから」が重要です。
元のコードを直接見てコピー&ペーストしたり、構造を細かく模倣したりすると、翻案権侵害になる可能性があります。単なる「翻訳」や機械的な置き換えは、表現の類似性が争点になります。
これが意味する「AI時代の著作権崩壊」
この一件で明らかになったのは、閉じたソースコードはもう守れない時代になったということです。
- AIエージェントを使えば、57MBのTypeScriptを数時間でPythonに変換可能
- 言語を変えるだけで「著作権侵害ではない」と主張できる(とはいえここは怪しい)
- 世界中の開発者が「流出→即リライト→公開」の流れを学習済み
もはや「ソースコードを隠しておく」こと自体が、難しくなりつつあります。
Anthropicがどれだけ安全第一を掲げようと、一つのnpm publishミスで全ソースが晒され、AIが一瞬で合法クローンを生み出す時代が到来してしまったのです。
最後に
@realsigridjin 氏の行動は、まさに「ヤバすぎ」
法的にはギリギリ、倫理的には超攻撃的、技術的には天才的。
しかも自分の彼女が「Anthropicから訴えられるかも」と心配したからやった、というオチまで完璧です。
これが2026年の現実なんだなと。
Claude Codeの流出は単なる事故ではなく、AIが著作権というルールを壊し始めた瞬間だったのかもしれないですね。
追記
4/1 現在、まだ彼のリポジトリ instructkr/claw-code は削除されていません。今後どうなるのか注目です。
- X: @LostMyCode
- GitHub: https://github.com/LostMyCode





