トラブルシューティングってなに?
ネットワークが「うまくつながらないとき」に、原因を見つけて直すことです。
たとえば、
- パソコンがネットに接続できない
- Webページが開かない
- IPアドレスが取れない
こんなときに「どこがダメなのか?」を調べて、正しくつながるように
ひとつずつチェックして直していくのが、ネットワークのトラブルシューティングです。
トラブルは下から順にチェックします
ネットワークのトラブルは、「下の層から順に」見るとわかりやすいです。
このやり方は「ボトムアップ方式」と呼ばれます。
確認の順番はこの通りです。
1. 物理層
2. データリンク層
3. ネットワーク層
4. トランスポート層
5. アプリケーション層
よくあるトラブルとヒント(ボトムアップ順)
1. 物理層
「線がちゃんとつながってる?」かを確認しましょう。
- ネットワークのいちばん下の部分です。
- ケーブルが抜けていたり、電源がOFFだと通信できません。
- パソコンのLANケーブルやスイッチの電源ランプをチェックするのがここです。
※補足:ストレートケーブル
お互いに役割が違う機械(パソコンとスイッチ)を繋ぐためのケーブルです。
※補足:クロスケーブル
同じ種類の機械同士(パソコンとパソコン)を繋ぐためのケーブルです。
2. データリンク層
「どの機械とつながるか」を決める番地みたいなものです。
- 機械(パソコンやスイッチ)には「MACアドレス」という固有の識別番号があります。
- ポートがOFFになっていると、つながっていても話せません。
- VLANの設定ミスで通信できないこともあります。
📌 イメージ
友達の家に行くとき、「家のドア(ポート)が開いてるか」
「MACアドレス(固有の識別番号)が合ってるか」を確認する感じです。
※補足:VLAN
1つのスイッチの中で、グループを分けるしくみです。
※補足:インターフェースの状態が administratively down なら、
shutdown でOFFになっている状態です。
→ 対策:no shutdown を実行します。
(config-if)# no shutdown
3. ネットワーク層
「この人に届けたい!」という宛先を書くところです。
- IPアドレスは、ネットの中での住所みたいなものです。
- 間違った住所を使うと届きません(Bad maskエラー)。
- IP同士が違うグループにいると、ルーターが必要になることもあります。
📌 イメージ
手紙を出すときに、「郵便番号」や「住所」が正しくないと届かないのと同じです。
※補足:Bad mask(バッドマスク)
IPアドレスとサブネットマスクの組み合わせがおかしいよ、というエラーです。
※補足:IPアドレス設定時に Bad mask エラーが出る例
Bad mask /28 for address 10.10.10.16
/28 のとき、10.10.10.16 はネットワークアドレスなので使えません。
→ 対策:10.10.10.17〜10.10.10.30 の中から選びましょう。
4. トランスポート層
「ドア(ポート)が開いてデータが運べるか?」を確認するところです。
- アプリ同士が通信するとき、ポート番号でやり取りします。
- ファイアウォールでブロックされていたり、
1回目だけ通信に失敗(ARPなど)したりするのもこの層に関係。 - TCPやUDPなど、どうやって届けるかのプロトコルルールもこの層です。
📌 イメージ
荷物が届いても、受け取りのドアが閉まってたら入れない感じです。
※補足:ARP(アープ)
IPアドレスから「どの相手に送るか(MACアドレス)」を調べるしくみです。
5. アプリケーション層
人が使うアプリや画面がちゃんと動くか?
- Webブラウザ(Chromeなど)でページが開かないときは、ここのトラブルかも。
- URLの間違い、Webサーバの停止、設定ミスなどが原因です。
- 下の層(物理やIPなど)がちゃんとしていても、アプリ側のミスで失敗することもあります。
📌 イメージ
ネットも電気も問題ないのに、YouTubeが開けないとしたら「アプリ側」の問題です。
おまけ
show interfaces でわかるヒント
ネットワークの状態を見せてくれるコマンドです。
show interfaces
- よく見るエラー
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| no buffer | パケットが多すぎて処理しきれなかった |
| ignored | 無視されたパケット |
| late collision | デュプレックス不一致で発生する衝突 |
| CRC | フレームが壊れて届いてる(通信エラー) |
通信の込み具合もチェック
txload/rxloadの数値が高いと、ネットが詰まり気味かもしれません。
例:
txload 9/255, rxload 4/255
- txload:送信の混み具合(9/255 → 約3.5%)
- rxload:受信の混み具合(4/255 → 約1.5%)
※補足:txload(ティーエックスロード)
データを送るほうの混み具合(負荷)です。
「tx」は“transmit(トランスミット)”=送信の意味です。
※補足:rxload(アールエックスロード)
データを受けとるほうの混み具合(負荷)です。
「rx」は“receive(レシーブ)”=受信の意味です。
まとめ
- トラブルの確認は「下から順に(ボトムアップ)」が基本です。
-
show interfacesの中にたくさんのヒントがあります。 - あわてずに1つずつチェックしていきましょう。
