何を書いたか
・AWS Storage Gateway ファイルゲートウェイ
・AWS Storage Gateway ボリュームゲートウェイ
・Amazon FSx for Windows File Server マルチ AZ ファイルシステム
・Amazon FSx for Windows File Server シングル AZ ファイルシステム
なぜ書いたか
これら4つの機能の違いが混乱し、整理したかったため記事にまとめました。
対象読者
「AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)認定試験」勉強中の方
AWS問題
ある企業は、オンプレミスで Microsoft SQL Serverデータベースを使用しており、
毎晩 200 GB のエクスポートをローカルドライブに書き込んでいます。
同社は、バックアップを Amazon S3 上のより堅牢なクラウドストレージに移行したいと考えています。
同社は、オンプレミスのデータセンターと AWS の間に
10 Gbps の AWS Direct Connect 接続を設定しました。
これらの要件を最も費用対効果の高い方法で満たすソリューションを選択してください。
A(正解)
①新しい S3 バケットを作成します。
②Direct Connect 接続に接続されている VPC 内に
AWS Storage Gateway ファイルゲートウェイをデプロイします。
③新しい SMB ファイル共有を作成します。
④夜間のデータベースエクスポートを新しい SMB ファイル共有に書き込みます。
B(不正解)
新しい S3 バケットを作成します。
Direct Connect 接続に接続されている VPC 内に
AWS Storage Gateway ボリュームゲートウェイをデプロイします。
新しい SMB ファイル共有を作成します。
夜間のデータベースエクスポートをボリュームゲートウェイの
新しい SMB ファイル共有に書き込み、このデータの S3 バケットへのコピーを自動化します。
C(不正解)
Direct Connect 接続に接続されている VPC 内に、
Amazon FSx for Windows File Server マルチ AZ ファイルシステムを作成します。
新しい SMB ファイル共有を作成します。
夜間のデータベースエクスポートを Amazon FSx ファイルシステムの
SMB ファイル共有に書き込みます。
夜間のバックアップを有効にします。
D(不正解)
Direct Connect 接続に接続されている VPC 内に、
Amazon FSx for Windows File Server シングル AZ ファイルシステムを作成します。
新しい SMB ファイル共有を作成します。
夜間のデータベースエクスポートを Amazon FSx ファイルシステムの
SMB ファイル共有に書き込みます。夜間のバックアップを有効にします。
問題と解答の理解手順
手順1 問題文の意図をイメージする
同社は、バックアップを Amazon S3 上のより堅牢なクラウドストレージに移行したいと考えています。
オンプレミスのデータをAWSに移行し、S3での保存が求められています。
データの移行方法に注目し、最も適した方法を選ぶ必要があります。
手順2 重要なキーワードに注目する
「AWS Direct Connect」「費用対効果の高い方法」「200GBのエクスポート」
「毎晩のデータベースエクスポート」です。
会社は毎晩、オンプレミスのデータベースから200GBのエクスポートを行っています。
このエクスポートデータをより安全で信頼性の高いクラウドストレージ、
具体的には Amazon S3 に保存したいと考えています。
しかし、このデータの移行は毎晩行う必要があり、
さらにデータ転送のコストを抑えた方法が求められています。
イメージ図
以下の画像は解答の選択肢をイメージして頂く事を優先する為に添付しましたが、
正確性が完全に保証されているわけではありません。ご了承ください。
手順3 正解の分割解説
①まずは、データを保管するための「箱」となるS3バケットを作ります。
この箱に、毎晩のデータが保存されることになります。
②次にオンプレミスとAWSをつなぐために、
VPC内に「データの架け橋」となるAWS Storage Gatewayを設置します。
これは、Direct Connectを使ってクラウドとの通信を行うための重要な部分です。
③そして、ファイルを保存するための「共有フォルダ」を作ります。
このフォルダに、データベースのバックアップファイルが保存されることになります。
④最後に、夜間にデータベースからエクスポートされたデータを、
この新しいフォルダに書き込んで、S3に自動で保存されるようにします。
手順4 不正解の選択肢を確認する
選択肢B
SMBプロトコルをサポートしていない為、
Microsoft SQL Serverデータベースからのエクスポートデータを
Amazon S3 にバックアップする目的には適しません。
選択肢C,D
Windowsサーバー上に構築されたフルマネージメント共有ストレージを
提供するものであり、Amazon S3 にデータを直接コピーするものでは無い為です。
AWS用語説明
AWS Storage Gateway ファイルゲートウェイ
これは、オンプレミスの環境にSMBファイル共有を作成し、
その共有に毎晩データをエクスポートして直接S3にバックアップを保存できる仕組みです。
簡単に言えば、オンプレミス(自社のサーバー)とクラウド(AWS)との間で、
ファイルを安全にやりとりするための「橋」のような役割を果たします。
クラウド上のS3にデータを安全に保存できるため、日々のバックアップ作業がスムーズに行えます。
Microsoft SQL Serverデータベース
情報を整理して保存する場所です。会社や学校で使われるデータを管理するシステムです。
AWS Direct Connect 接続
オンプレミスとAWS(クラウド)を直接つなぐ専用のインターネット回線です。
データを安全に、素早くやりとりできます。
VPC
クラウド上に自分専用のネットワークを作るためのエリアです。
他の人とデータが混ざらないように、ネットワークを分けられます。
SMB (Server Message Block)ファイル共有
ファイルやプリンターなどをネットワーク上で共有するための通信プロトコルです。
例、会社の中で複数のパソコンが同じファイルを使いたいときに、
SMBを使ってそのファイルを共有できます。MicrosoftのWindowsでよく使われています
データベースエクスポート
データベースにある情報を他の場所に移したり、別の形式に変えたりすることです。
データを取り出して他で使えるようにします。
AWS Storage Gateway ボリュームゲートウェイ(保管型)
ストレージの主な場所をオンプレミスにしたい、
またはオンプレミスに全データを保存しておく必要がある場合に適しています。
クラウドはデータのバックアップや復元のために利用されます。
Amazon FSx for Windows File Server マルチ AZ ファイルシステム
クラウド上でWindows用のファイルを安全に保存する仕組みです。
複数の場所(AZ)にデータを置いて、災害が起きてもデータを守ります。
Amazon FSx for Windows File Server シングル AZ ファイルシステム
クラウド上でWindows用のファイルを1か所(AZ)に保存する仕組みです。
マルチAZと違い、1つの場所だけにデータを置きますが、コストを抑えられます。
参考文献