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【SAR解析】SNAPを触ってみる前にデータの中身を見る(Sentinel-1 Level-1(GRD))

Last updated at Posted at 2025-12-25

せっかくのクリスマスなので、人類学者レヴィ=ストロースの名著を紹介しておきます1。サンタって大変ですね。

この記事の対象・内容

  • 対象:
    • 衛星画像解析(とりわけSAR解析)に関心がある人
  • 内容:
    • SNAPとは?
    • Sentinel-1 Level-1(GRD)の.SAFEの中身を見る
  • 執筆者
    • SAR初心者
  • 記事の完成度
    • 20~30%(後から修正していきます)

SNAPとは

ヨーロッパのESA(欧州宇宙機関)が提供するSARデータ解析用のオープンソースソフトウェアです。特に Sentinel-1(SAR衛星)データ処理の標準ツールとして広く使用されています。無料です。

これで何をするかというと、「生のSARデータ(Level-1)」を「解析可能な画像・物理量」に変換します

ちなみに、操作画面はこんな感じです。

スクリーンショット 2025-12-25 0.22.43.png

以下からDLできます。

SNAPが行う画像・物理量の変換とは?

SNAPが行う 「生のSARデータ(Level-1)」の「画像・物理量」への変換 とは、何を指すのでしょうか?

比喩的に、また誤解を恐れずに説明すると、衛星が記録した“観測信号”を、人が解釈・比較できる“意味のある量”に翻訳することです。

一般に手に入るSARデータ(Level-1)は、受信信号を画像として結像させた段階のものです。これに一旦変換・正規化・再配置などの処理(放射補正や地形補正など)をかけることで、比較可能な物理量(後方散乱量)として扱えます2

SNAPではその処理を実現します。

生のSARデータ

今回は、SNAPでその変換をする前の、Sentinel-1(無料)のそもそもの「生のデータ」を見ていこうと思います3。解析をするにあたって、自分が一体何を扱っているのかを知るためです。

Sentinel-1 Level-1には、GRD(Ground Range Detected)、SLC(Single Look Complex)、OCN(Ocean)の3つがありますが、今回はその中のGRD( Sentinel-1 Level-1(GRD)) をみていきます。

SAFE(Standard Archive Format for Europe)

Sentinel-1のGRDデータはSAFE(Standard Archive Format for Europe)で配布されています。Copernicus BrowserなどからPCにダウンロードすると、「〜〜.SAFE」フォルダが表示され、その中には複数の異なるファイル形式が混在している事がわかります。

スクリーンショット 2025-12-24 19.18.36.png

ここでややこしいのは、SAFEはあくまでもデータ構造と運用ルールの標準のこと(仕様)であり、ファイル形式ではない事です(.SAFE は拡張子に見えますが、実体はただのフォルダ)。

中身としては「データ本体・詳細メタデータ・それらの対応関係」に関する情報が主に含まれています。ここで大事なのは、.xml, .tiffと.safeです。データ本体は.tiff、詳細メタデータは.xml、対応関係は.safe(xml)で管理されています。

GRDのデータ本体であるtiffファイルに入っているのは、位相情報の入った複素数値データではなく、振幅(magnitude)です。この振幅を含むデータをQGIS上で、今回ヒマラヤ山脈の一部を表示しました。

スクリーンショット 2025-12-24 23.04.30.png
BAND1のみをQGISで表示(最大600まで表示)

スクリーンショット 2025-12-24 23.42.18.png

しかし、このtiff自体には、(多くの)解析者が欲しい 「地表の反射率」は含まれていません4。確かにここに情報の一部としては入っているものの、加工をしないとその形では扱えません。

また、詳細メタデータの書かれているxmlファイルは、このような形で収納されています。

s1a-iw-grd-vv-20150828t115706-20150828t115731-007463-00a49c-001.xml
?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<product>
  <adsHeader>
    <missionId>S1A</missionId>
    <productType>GRD</productType>
    <polarisation>VV</polarisation>
    <mode>IW</mode>
    <swath>IW</swath>
    <startTime>2015-08-28T11:57:06.993336</startTime>
    <stopTime>2015-08-28T11:57:31.473985</stopTime>
    <absoluteOrbitNumber>7463</absoluteOrbitNumber>
    <missionDataTakeId>42140</missionDataTakeId>
    <imageNumber>001</imageNumber>
  </adsHeader>
  <qualityInformation>
    <productQualityIndex>0.000000000000000e+00</productQualityIndex>
    <qualityDataList count="1">
      <qualityData>
        <azimuthTime>2015-08-28T11:57:06.993336</azimuthTime>
        <downlinkQuality>
          <iInputDataMean>1.998903006315231e-01</iInputDataMean>
          <qInputDataMean>3.020083010196686e-01</qInputDataMean>

###約10,000行続く###

なぜSentinelは、加工データを提供しないのか(なぜSNAPでわざわざ加工)?

なぜSentinelは、加工データを提供しないのでしょうか5。それは、解析者自身が加工段階で多くの判断が求められるからです。SARの前処理は、単なる技術的な操作ではなくて、解析目的に合わせて、どの物理的要因を揃え、どれを残すかを決める工程であり、その決定は事前に提供者が決められるものではなく、解析者が担うものだからです。

つまり、SNAPでは解析に合わせた「判断」を含む加工が必要になるのです。

最後に

SARデータを自分なりに触ってみて、かなり厄介なものだな、と感じます。
また、本記事は誤りを含んでいる可能性が高いのと、内容が不十分なので、また随時修正していきます。

  1. クリスマスを構造主義的に捉えている名著です。1ページも読んでないです。

  2. 特定の条件が揃えば、相対比較や時系列解析はLevel-1段階でも十分に意味を持つ場合があります。ここでは、便宜上このような説明をしています。また便宜上、後方散乱量に議論を限定して書いています。

  3. 便宜上、ここでは「生データ」はLevel-1のものを指す。本来、raw dataはLevel-0のデータ(センサーが受信した信号をそのまま記録したデータ)を指す。

  4. 正確には後方散乱係数。

  5. 海洋、大気系に関しては、一部の Level-2 製品を提供。

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