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Windows操作からスクショ付き手順書を作るアプリを、AIと一緒に個人開発してMicrosoft Storeで販売した話

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Last updated at Posted at 2026-09-28

2026年10月追記:LMM 2.0を公開しました
本記事はVersion 1.1.3当時の開発記録です。その後、2.0で「Vision補正」を追加しました。
記録したスクリーンショットから、操作対象や説明文の補正候補を提案します。内容を確認して「提案を採用」を選ぶまで、元の説明文は変更しません。AI処理はPC内で実行し、対象の画像・文章をクラウドAIへ送信しません。
記録中はAIを使わず、記録後に必要な場合だけ実行する設計は継続しています。変更点は公式サイトにまとめています。
https://falling-bush-c460.lmm-host.workers.dev/#v20-major

はじめに

Windows上の操作を記録して、スクリーンショット付きの手順書を作るアプリ
Local Manual Maker(LMM) を個人開発しました。

現在はMicrosoft Storeで販売しています。

この記事では製品紹介というより、

  • なぜ作ろうと思ったのか
  • どういう構成にしたのか
  • AIを使った開発は実際どうだったのか
  • Windowsアプリとして何が難しかったのか
  • Microsoft Store公開までやってみてどうだったか

あたりを書いてみます。

私はもともとプログラマではなく、仕事ではWindows ServerやAzureなどのインフラ・運用側を長くやってきました。

そのため、最初から自分でC#を書いてアプリを作ろうと思っていたわけではありません。


きっかけは「手順書を作るのが面倒」

IT運用をしていると、操作手順書を作る場面がかなりあります。

例えば、

  1. 実際にWindowsを操作する
  2. スクリーンショットを撮る
  3. WordやExcelへ貼る
  4. 「○○をクリックする」と説明を書く
  5. 次の操作へ進む
  6. またスクリーンショットを撮る

という作業です。

内容自体は難しくなくても、とにかく手間がかかります。

そこで、

Windows操作を普通にやるだけで、手順書の元になるものを自動的に作れないか?

と考えたのが始まりでした。


最初は「クリックを記録する」だけ

最初に考えたのは非常に単純で、

  • マウスクリックを検知
  • その瞬間のスクリーンショットを取得
  • クリック位置を保存
  • Windows UI Automationからボタン名などを取得
  • 1操作を1Stepとして保存

というものでした。

例えば、

「保存ボタンをクリック」

という操作をすると、

  • スクリーンショット
  • マウス座標
  • UI Automation Name
  • ControlType
  • AutomationId
  • Window Title
  • Process

などをまとめて記録します。

実装はC# / WPFです。


AIは「記録中」に使わない

最初はいろいろ考えましたが、現在は、

操作を記録している最中はAIを一切使わない

という設計にしています。

理由は単純で、操作記録中にAI推論を挟むと、

  • 記録が遅くなる
  • AI処理待ちが発生する
  • 推論失敗が操作記録に影響する

からです。

現在は、

  1. まず操作を高速に記録
  2. 記録完了
  3. 必要ならユーザーがAI処理を実行
  4. 説明文を生成・補正

という流れです。

この構成にしてから、記録部分とAI部分をかなりきれいに分離できました。


ローカルAIにした理由

LMMでは、AI処理もローカルで行う構成にしています。

クラウドAPIを使う方が簡単だったのですが、手順書作成ツールという性質上、

  • 社内システム
  • 顧客情報
  • サーバー画面
  • 管理画面
  • 業務アプリ

などがスクリーンショットに映る可能性があります。

そのため、

記録内容やAI処理対象を外部へ送信しない

ことを優先しました。

操作記録、スクリーンショット、編集、AI処理、Word / Excel出力まで、主要処理はPC内で完結します。

インターネットへ接続していない環境でも主要機能を使える構成です。


Word / Excelテンプレート対応が意外と重要だった

作り始めた頃は、

Wordに出力できれば十分では?

と思っていました。

ただ、実際にIT運用の現場を考えると、会社ごとに既存の手順書フォーマットがあります。

そこで現在は、

  • Wordテンプレート
  • Excelテンプレート

を登録して、そのレイアウトへLMMの記録結果を流し込めるようにしています。

例えば、

  • 自社の表紙
  • 決められた罫線
  • 手順番号
  • スクリーンショット配置
  • 説明文欄

などを維持したまま出力できます。

Excelでは、途中のStepから新しいシートへ分割する機能も追加しました。


「操作画面」だけでなく「結果画面」も保存

運用手順書では、

ボタンを押したこと

だけでなく、

押した結果どうなったか

を残したいことがあります。

そこで各Stepについて、

  • 操作時の画像
  • 操作後の結果画像

の両方を扱えるようにしました。

これによって、通常の操作手順書だけでなく、

作業エビデンス

として使うことも想定しています。


Windows 10 / 11だけでなくServer / RDPも確認

利用者としてIT運用担当を想定しているので、Windowsクライアントだけでは足りません。

現在は、

  • Windows 10
  • Windows 11
  • Windows Server 2019
  • Windows Server 2022
  • Windows Server 2025

を対象にしています。

ServerはDesktop Experience環境を対象とし、RDP接続先のセッション内でLMMを起動する使い方も確認しました。

Server Core / Nano Server / ヘッドレス環境は対象外です。

Windows 10 22H2 Build 19045では、

  • 操作記録
  • 保存
  • Word / Excel出力
  • ローカルAI推論

まで実際に確認しています。


AIで開発すると「コードを書かなくていい」のか

これは実際に作ってみて、少し違うと思いました。

私はプログラマ経験がほぼありません。

実装自体はAIにかなり助けてもらっています。

例えば、

こういう機能を作りたい

とChatGPTと相談して構成を決め、AIコーディングツールへ実装を依頼する、という流れです。

ただし、

AIにお願いすれば全部完成する

という感じではありませんでした。

むしろ必要だったのは、

  • 何を作るか決める
  • 仕様を分解する
  • テスト条件を決める
  • AIの実装が本当に存在するか確認する
  • 不具合の原因を切り分ける
  • 変更してはいけない場所を決める
  • 過去の結果と比較する

といった部分でした。

特に長期間開発していると、

「AIが追加したと言っているのに、実際のファイルには存在しない」

「別の修正で直前の変更が消える」

といったことも経験しました。

最終的には、

AIはものすごく強い実装担当者だけど、仕様管理と確認は人間側に必要

という感覚になっています。


テストが想像以上に重要だった

AIを使った開発だからこそ、テストはかなり増やしました。

LMMでは、

  • 操作記録
  • 保存 / 読み込み
  • Word出力
  • Excel出力
  • テンプレート出力
  • クラッシュリカバリー
  • ローカルAI
  • Windows 10 / 11
  • Server / RDP

などを個別に確認しています。

最近はVision AIも検証していて、

「UI Automationでは対象名が取れない画面を、画像から認識できるか」

という試験もしています。

これも単純な画像認識精度だけでなく、

  • 普通の画面
  • UIA情報が弱い画面
  • 小さい文字や似たアイコンが密集した難しい画面

に分けて評価しています。

AIモデルは簡単な画面では非常に高精度でも、難しい画面になると急に精度が落ちることがあり、かなり面白いです。


Microsoft Store公開も意外と大変だった

アプリが動けば終わり、ではありませんでした。

販売するとなると、

  • MSIX
  • 署名
  • Windows依存関係
  • VC++ Runtime
  • Store登録
  • 税務情報
  • 銀行情報
  • プライバシーポリシー
  • 利用規約
  • 特定商取引法表記
  • 評価版
  • 公式サイト

なども必要になります。

特にWindows 10では、Windows 11では出なかった依存関係の問題が出たりしました。

開発そのものより、

「他人のPCで普通に動く状態にする」

方が大変かもしれません。


現在のLMM

現在のVersionは 1.1.3 です。

主な機能は、

  • Windows操作の記録
  • スクリーンショット付きStep生成
  • Word / Excel出力
  • Word / Excelテンプレート出力
  • 操作画像 / 結果画像
  • Excel複数シート
  • Ctrl+C / Ctrl+V / Ctrl+X記録
  • 作業エビデンス出力
  • クラッシュリカバリー
  • ローカルAIによる説明文補助
  • Windows Server / RDP対応

などです。

製品版は買い切り 6,800円(税込) で販売しています。

また、1プロジェクト7Stepまで試せる評価版も用意しています。


最後に

最初は、

「こういうツールがあったら楽なんだけど」

くらいの思いつきでした。

そこからAIと相談しながら、

  • 仕様を考える
  • 実装する
  • テストする
  • Windows 10 / Serverまで検証する
  • Microsoft Storeへ出す

ところまで来ました。

プログラミングの知識が不要になったとは思いません。

ただ、

今までなら「自分には作れない」で終わっていたアイデアを、実際に動くところまで持っていける

ようになったのは、生成AIのかなり大きな変化だと思っています。

今後はVision AIなども追加しながら、もう少し手順書作成を楽にしていく予定です。


Local Manual Maker

公式サイト

Microsoft Store

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