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FitzHugh-南雲モデルで遊んでみる

Last updated at Posted at 2018-03-10

この内容を実装して理解する
http://scholarpedia.org/article/FitzHugh-Nagumo_model

Interactive Code
https://nbviewer.jupyter.org/github/Lirimy/simulation/blob/master/fitzhugh-nagumo.ipynb

FitzHugh-南雲モデルとは?

神経細胞(ニューロン)の発火モデル

\frac{\partial V}{\partial t} = V - \frac{V^3}{3} - W + I \\
\frac{\partial W}{\partial t} = 0.08 (V + 0.7 - 0.8 W)
  • $V$: 膜電位(=ニューロンの出力)
  • $W$: 不活性化を表す変数(=ニューロンの内部状態?)
  • $I$: 外部刺激電流(=ニューロンの入力)

Phase Portrait (状態遷移図?)

phase.png

$I = I_{th} = 0.325$ とし、 $(V, W)$ 平面で $(\frac{\partial V}{\partial t}, \frac{\partial W}{\partial t})$ を矢印で示した
つまり、時間が経つと矢印の向きに $(V, W)$ が変化する

青のラインは $\frac{\partial V}{\partial t}=0$
矢印が右向きか左向きかの境目

オレンジのラインは $\frac{\partial W}{\partial t}=0$
矢印が上向きか下向きかの境目

青とオレンジのラインの交点は停留点となる

準しきい値付近での振る舞い

モデルの振る舞いは準しきい値 $I_{th} = 0.325$ の付近で大きく変化する

準しきい値より大きいとき

$I = 0.33 > I_{th}$

p033.png

w033.png

発火が続く

準しきい値より小さいとき

$I = 0.32 < I_{th}$

p032.png

w032.png

発火しない

準しきい値付近で揺らぐとき

ニューロンはつながってネットワーク構造を形成する
したがって、現実的に見れば入力が変化する
とりあえず入力の変化を単純化し、 $I$ に乱数を加えてみる

prnd.png

wrnd.png

発火するときとしないときがあり、それっぽい感じに

Excitation block(興奮/発火阻害?)

阻害されない条件

$I = 1.4$
準しきい値よりもずっと大きい値

p14.png

w14.png

$I = 0.33$ のときと同じように発火が続くが、パルス幅がだいぶ広くなっている
パルス幅変調と捉えてよいかもしれない
発火周期はほとんど変化していないようだ

阻害される条件

$I = 1.5$
さっきの値より少し大きい

p15.png

w15.png

パルスが消失した
出力電圧自体は発火してないときよりも大きい

1次元鎖での振る舞い

ここまではニューロン1つを扱っていたが、ニューロンを1次元鎖状につなげ、近くのニューロンと拡散により相互作用する系を考える

ちなみに、無脊椎動物がもつ電気シナプスでは、ギャップ結合を介してイオンや細胞内メッセンジャーが拡散するらしい1
また、電気シナプスは、

化学シナプスと比べて信号伝達が速いこともあり、無脊椎動物では反射に使われる2

とのこと

V の拡散

W は拡散させない
$I = 0.2$

V=0.5 @左固定端

fitz-fix.gif

進行波(1回のみ)

V=1.5 @左固定端

fitz-fix.gif

進行波(繰り返し)

V と W の拡散

$I = 0.36$
拡散係数 $D_v < D_w$

fitz-patt.gif

パターン形成

  1. 岡良隆:基礎から学ぶ神経生物学(オーム社, 2012)pp93-94

  2. 合原,神崎:理工学系からの脳科学入門(東大出版, 2008)pp50-51

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