Proliant(HP)のGEN9を中古で入手したのでPCとして使うために調べたことを記す.
Proliantは2.5インチ仕様(8SFFモデル)のもの.
以降2.5インチ仕様のみを対象として書く
Windows7用ドライバ
次のウェブサイトからドライバパックをダウンロードしておくとよい.
https://support.hp.com/jp-ja/drivers/selfservice/closure/hp-dl380z-gen9-virtual-workstation/7311033?ssfFlag=true&sku=
仕様
CPUはGeneration9のXeon.14nmなので,まぁコストパフォーマンスはよいと思う.
カテゴリ | 仕様 |
---|---|
CPU | Xeon E5-2697v4 ×2 |
メモリ | 128GB(DDR4-2400 ECC Registered) |
PCI Express3拡張スロット | x4(2), x8(2), x16(2) |
ディスクコントローラ | Smart アレイ P440ar / 2GB FBWC コントローラ |
ストレージ用スロット | 2.5インチSAS3(8) |
電源 | 800W ×2 |
その他 | iLO 4.0 |
フルハイト・フルレンクスのGPUボードも挿せそう.
x16のスロットは縦に2つ並んでいるのでRTX3060も挿せる!
x8のスロットも縦に2つ並んでる
オプション
背面
背面の拡張スロットは標準でx8,x8,x4という3スロット構成のライザーカードが付いているらしい※1.
それに加えて装着できる×16,x16,x4のライザーカードがオプションで用意されている(今回の機体は装備済みだった).
※1 構成については販売チャネルで確認したわけではないので,参考程度にとどめること
8GBのファイバーチャネルボードが2枚刺さっていたが使わないので撤去.
前面
Proliant GEN9の2.5インチ仕様の場合,前面のストレージ領域にはMAX3モジュールまで装備できる(3モジュール構成は24SFFモデル)(1).
今回の機体は1モジュールだけ装備されている.1モジュールには8本の2.5インチストレージを取り付け可能.
背面の2.5インチストレージスロットは無しだった.
つまり,8SFFモデルである
ストレージ
マザーボード上には1つだけ予備のSATAコネクタがあるが,SATA用の電源が無い.変換ケーブルを作ればマザーボード上にある小さい10ピンのコネクタから取れるかもしれないが,基本は本体前面の2.5インチストレージスロットに置いた方がよさそう(ただしマウンタが必要).
以降は,Proliant GEN9の説明というより,筆者個人のシステムの話.
1:SATA SSD
起動及びシステム(Windows10)用のSSDとして使用.
SSDは家に有ったHP製.
2.5インチの筐体に入っていたが,軽量化のため ばらして基板のみを使用.
これをProliantの全面から2.5インチストレージスロットに挿した.差し当たって,マウンタがないので,コネクタだけで保持しているが,まぁ使えている.
本体側がSASだと,SATAも挿せるので便利.
ベンチマーク
2:PCI Express + NVMe
Windowsでメインのストレージとして使用.
Proliantへは,PCI Express3 x4で接続できる.
ボードはSlot1に挿した.
SSDは安かったのでMSI.
このProliantでは,PCI Express経由のストレージは起動ディスクにできないので,別途システム用のストレージが必要.
https://jp.msi.com/Storage/SPATIUM-M371-NVMe-M.2
https://www.century.co.jp/products/cif-m2nv.html
ベンチマーク
3:SAS3
Proliantの前面に8本の2.5インチSAS/SATAスロットがある.
今回の機体は購入時に,15K回転,SAS3(12Gb/s)の600GBが2本付属していた.
ベンチマーク1
CrystalBenchMark
Raid0
SAS3(12Gb/s)600GBの2台によるストライピング
ベンチマーク2
RAID0 2台構成(Seagate ST9146853SS SAS2/15k 146GB)
ベンチマーク3
RAID5 4台構成(Seagate ST9146853SS SAS2/15k 146GB)
ベンチマーク4
CrystalBenchMark
RAID5
SAS3(12Gb/s)600GBの5台構成
RAID5構成で冗長性があるし,用途も一時データ置き場なので中古の格安HDDでよいと考え,格安ディスクを集めて使う.
RAID5なので予備ディスクも持っておく必要がある.
お勧めハードディスク
ヤフオクで安く入手できる2.5inch HDDは次の通り.
Name | Speed | Capacity(GB) | 所感 |
---|---|---|---|
Seagate ST600MP0005 | SAS3/15000 | 600 | お勧め |
Seagate ST300MP0005 | SAS3/15000 | 300 | |
TOSHIBA AL14SXB60EN | SAS3/15000 | 600 | |
HGST HUC156030CSS204 | SAS3/15000 | 300 | |
TOSHIBA AL13SXB60EN | SAS3/15000 | 600 | |
(Lenovo 00WG666) | SAS3/15000 | 600 | |
Seagate ST9146853SS | SAS2/15000 | 146 | 格安 |
GPU
画面出力用として,Proliant本体前面と後面に1つ づつミニD-sub15ピンのコネクタがあるのでとりあえず画面を出すことはできる.
筆者は,Tensorflowを使いたいので,RTX買う予定…だったものの,Arcが安いのでArc A770(インテル)を購入.
本体に装着.フルサイズのカードを取り付けできる.
電源コネクタが隣のライザーカードに干渉しがちなので注意が必要.
電源コネクタ
機体側の電源コネクタは10ピンのものなので,外部電源8ピンのGPUカードを装着するには変換ケーブルが必要.Aliexpressで売っている.
6+2ピン構成のものがおすすめ.[10ピン]←→[(6+2ピン)×2]という構成ならほとんどのGPUカードに対応可能.
使用感
通常のPCとして運用する場合に音は意外と小さい.普通のワークステーション(デルのT7400とかと比べてます)と比べて,ややファンの音が大きい程度.
起動時は,すごい音がするものの,数秒でおとなしくなる.もちろん演算負荷が高いと……✈
まぁ夏はこれからだ!!
USBが足りない
USBコネクタが背面2個,前面3個だけしかない.
機体によっては前面は1個のみの構成もある(24SFFモデル).
起動時間
iLO 4.0
BIOSレベルの操作をLAN経由のリモートアクセスで利用できる.
リモートから電源の操作もできるのでとても便利.
リモートへ画面の転送もできるのでKVMいらず.
リモートのストレージをバーチャルディスクとしてiLOへマウントできる(OSインストールにも使える)!
iLO上にウェブ・サーバを持っているようで,リモートからはウェブ・ブラウザで操作できる.リモート側にインストールする専用ソフトウェアもあって,そちらの方が便利だった.
出力はminiDsub15ピン側のみとなっている模様.
後付けしたビデオ・カード側にはiLO(Intelligent Provisioning,Smart Storage Administratorも)の出力はされていない.
ブレードサーバは立てるととてもコンパクト
参考文献
(1)システム構成図https://h50146.www5.hpe.com/products/servers/proliant/system_old_pdf/dl380gen9.pdf
(2)セットアップの概要
https://techlibrary.hpe.com/docs/enterprise/servers/DL380Gen9/DL380Gen9-setup/ja/system_setup_overview/index.html