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Cursor Cloud Agent × Obsidian で「分析できる」知識保管庫を作る(テンプレート公開 / CC0)

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Last updated at Posted at 2026-07-08

この記事でわかること

  • 対象読者: Cursor Pro を契約していて、ChatGPT / Gemini との会話を使い捨てにしたくない人
  • 解決する課題: チャットが散らばり、過去の知見を横断検索・要約できない
  • 得られる成果: 「一言指示」でチャットを Markdown に蓄積し、溜まったログを横断分析できる vault が 初回セットアップ約5分 で動く

設計用プロンプト兼 Obsidian vault テンプレートを CC0 で公開しています。private 運用を前提 にしているので、clone してそのまま使えます。
https://github.com/L4pisLazuli/cursor_obsidian_templete


なぜ ChatGPT だけだと「資産」にならないのか

こんな状態、ありませんか?

  • あのとき AI に聞いた解決策、どのスレッドだったか思い出せない
  • Gemini と ChatGPT と Cursor で話が分断され、同じ質問を何度もしている
  • ログは残っているが、横断して要約・比較する手段がない

私も同じでした。Cursor のチャットは便利ですが、セッションをまたいだ「自分専用の知識ベース」にはなりません。Obsidian に Markdown で溜めても、いつ・どこに・何を保存するか を毎回考えるのは面倒です。

そこで作ったのが、Cursor Agent がルールに従って自動運用する Obsidian vault テンプレート です。人間が覚えるのは日本語の一言だけ。あとはエージェントが temp → persistent → analysis の流れを守ります。


単なる「フォルダ分け」ではない:このテンプレの3つの設計

Cursor × Obsidian の組み合わせ自体は珍しくありません。差が出るのは 運用ルールを Agent に実装しているか です。

設計 何が起きるか
使い捨て temp promote 指示がなければセッション終了時に chats/temp/ を削除。ノートが増え続けない
個人文脈の注入 新規チャット・分析時に profile/user.md を参照。毎回自己紹介しなくてよい
分析の鮮度管理 analysis/ ノートは sources_updated で参照元の更新を追跡。古い要約を放置しない

フォルダ構成だけ真似しても運用は続きません。トリガー文言・削除タイミング・メタデータ更新までルール化 しているのが、このテンプレの本体です。


5分で試す:最短セットアップ

まず動かしてから設計を読む、で十分です。

手順

  1. テンプレートを private リポジトリ に clone
  2. Obsidian で「フォルダを vault として開く」
  3. profile/user.example.mdprofile/user.md にコピーし、個人設定を記入
  4. Cursor アプリで同じフォルダを開く
  5. Agent にこう言う:
この会話を chats/temp/ に保存して

成功するとこうなる

  • chats/temp/YYYY-MM-DD-HHmmss.md が自動作成される
  • YAML frontmatter(created / tags / source / status)が付く
  • 続けて「蓄積して」と言えば chats/persistent/YYYY-MM-DD-トピック.md へ昇格する

Templater は README の手順どおり入れてください(+数分)。ルールの動作確認だけなら、手順 1〜5 で十分 です。

ルートB(既存 Vault ユーザー向け): すでに Obsidian vault を運用しているなら、テンプレ全体を clone しなくてもよい。リポジトリから .cursor/rules/ を既存 vault にコピーし、chats/temp/chats/persistent/analysis/ フォルダと profile/user.md を足せば、同じワークフローが使える。今のノート構成を壊さずに試せる。


導入前と導入後:何が変わるか

観点 導入前(チャットアプリ中心) 導入後(この vault)
保存 スレッドごとに埋もれる persistent/ にトピック名で整理
検索 サービス内検索に依存 Obsidian のタグ・リンク・グラフで横断
分析 コピペして都度説明 「persistent の〇〇について分析して」で analysis/ に出力
マルチソース サービスごとに分断 source: cursor | gemini | chatgpt で同一土俵
運用コスト 保存ルールを人間が覚える .cursor/rules/ に書いてエージェントが実行
ノートの肥大化 下書きが残り続ける promote されない temp は自動削除

仕組み:チャット → 蓄積 → 分析の3層フロー

chats/temp/          ← 一時チャット(promote されなければセッション終了で削除)
    ↓「蓄積して」
chats/persistent/    ← 価値のある会話だけ長期保存
    ↓「分析して」
analysis/            ← persistent を横断分析した結果

Gemini や ChatGPT のやり取りを手動コピペで入れても、source フィールドで区別し、同じワークフローで分析できます。

書く(一次処理)のは AI、検収(git diff)してコミットするのは人間、読んで辿るのも人間 — 確率論的に揺れる AI の出力を、決定論的な Git の差分管理でサニタイズする。この「セーフティネット」を組み込んでいるのが、単なる Markdown 置き場との違いです。

なぜ保管先が Obsidian か

エージェントが書くのはただの Markdown です。Obsidian で開くことで人間側の体験が変わります。

  • frontmatter のタグで横断検索
  • related[[リンク]] でグラフがつながる
  • スマホアプリからも読める

ルール設計の要点(.cursor/rules/

6 つのルールを glob で振る舞いを切り替える 設計にしています。1 ルール 1 関心で、常時適用は vault-core.mdc だけです。

ルール 適用範囲 役割
vault-core.mdc 常時 全体方針・トリガー・モデル使い分け
chat-temp.mdc chats/temp/** 一時保存・自動削除・promote 手順
chat-persistent.mdc chats/persistent/** 蓄積ノート構造化・アーカイブ
analysis-workflow.mdc analysis/** 横断分析・sources_updated 管理
obsidian-frontmatter.mdc **/*.md YAML スキーマ統一
git-workflow.mdc Git 関連 private 前提のコミット運用

vault-core.mdc のワークフロー定義はこうなっています。

- 新規チャット → chats/temp/ に無言で自動作成
- 「蓄積して」「保存して」→ chats/persistent/ へ昇格(promote)
- 「分析して」→ chats/persistent/ を横断検索し analysis/ に作成
- 新規チャット・分析時は profile/user.md を参照

ポイント: 人間はトリガー文言だけ覚えればよく、ファイル名の命名・タグ変更・移動先の判断は Agent がルールに従って実行します。


実際の使い方:指示は日本語の一言

やりたいこと 指示例
一時保存 「この会話を temp に保存して」
蓄積(promote) 「蓄積して」「persistent に移して」
横断分析 「persistent の API設計について分析して」
整理 「temp の古いノートを整理して」
アーカイブ 「この persistent をアーカイブして」

promote で Agent がやること

「蓄積して」と言うと、Agent は次を自動実行します。

  1. chats/temp/chats/persistent/ へ移動
  2. tagstemppersistent に変更
  3. statusactive に更新
  4. ファイル名を YYYY-MM-DD-トピック.md にリネーム

分析のモデル使い分け

  • 日常の会話・保存・promote → Auto(軽いモデル)で十分
  • 横断分析(analysis/ 作成) → Opus など高性能モデルに投げる想定

「垂れ流しは安く、まとめだけ高いモデル」— この設計がコストと品質のバランスを取りやすくします。

出力イメージ(同梱サンプル)

テンプレートには運用例が入っています。

蓄積ノートchats/persistent/2026-07-01-vault-design.md):

## 概要
## 要点
## 関連リンク

分析ノートanalysis/2026-07-01-analysis-vault-setup.md):

## 分析対象
## 要約
## 洞察
## 未解決事項
## 参照元

分析ノートには sources_updated(参照元の最終確認日)も付き、persistent が更新されたら見直し対象かどうかを判断できます。


この構成が刺さる人・刺さらない人

刺さる人

  • Cursor Pro を既に使っていて、課金先を Cursor に集約したい
  • AI との会話を ナレッジとして残したい(調査メモ、設計議論、学習ログ)
  • Obsidian または Markdown ベースの PKM に馴染みがある
  • 「ルールを書いて Agent に任せる」運用に抵抗がない

刺さらない人

  • コード生成だけ使い、チャットログを残す必要がない
  • Obsidian を入れたくない(Markdown ビューアだけで十分、など)
  • 完全自動の同期(ChatGPT 公式履歴の自動取り込み等)を期待している ※本テンプレは Cursor 中心 + 手動コピペ併用 が前提

ハマりどころと回避策

1. ルールが効かない

症状: 「保存して」と言ってもファイルが作られない。

原因: Cursor で vault フォルダをワークスペースとして開いていない、または Agent モードではない。

回避: リポジトリのルートを Cursor で開き直す。.cursor/rules/ が存在するか確認。

2. frontmatter がバラバラ

症状: タグや source が記事ごとに違う。

原因: ルールを無効化した、または手動作成時にテンプレートを使っていない。

回避: Templater のテンプレート(templates/)を使う。Agent への保存はルール経由に統一。

3. 機密情報をコミットしてしまう

症状: profile/user.md やノートに API キー・パスワードを書いたまま push した。

回避: このテンプレは private 運用を前提 としている。profile/user.md はコミットしてよいが、機密情報は書かない。誤って public リポジトリにした場合は、直ちにキーをローテーションし、profile/user.md.gitignore に追加する。

4. 「分析して」の結果が薄い

症状: 要約が表面的。

原因: persistent/ の蓄積が少ない、またはトピックが散らばっている。

回避: promote 時にトピック名を英語ケバブケース(例: api-design)で統一。分析時はモデルを Opus 等に切り替える。


コスト感(前提を先に)

注意: 以下は 2026年7月時点の 個人の実測感 です。Cursor のプラン・枠・料金は変わる可能性があるため、必ず公式で最新を確認してください。

用途 モデル 感覚
日常チャット・保存・promote Pro の Auto 月あたり約4億トークン目安で、ほぼ収まる
横断分析(analysis/ 作成) Opus 等 たまに使う分なら API 枠内に収まる感覚
コード生成 Auto + API 併用 Auto 枠は十分、エージェント指定は API 枠で調整

設計思想: 垂れ流しは Auto、まとめだけ高いモデル。これがコストを抑えつつ分析品質を保つコツです。


セットアップ(詳細)

  1. リポジトリを clone(private 運用前提
  2. Obsidian で「フォルダを vault として開く」
  3. profile/user.example.mdprofile/user.md にコピーし、個人設定を記入
  4. コミュニティプラグイン Templater を入れ、テンプレートフォルダを templates に設定
  5. Cursor アプリでこのフォルダを開く → .cursor/rules/ が自動参照される

初回セットアップの確認

  • Obsidian でこのフォルダを vault として開けている
  • profile/user.md が存在し、個人設定を記入済み
  • Templater の Template folder location が templates になっている
  • Cursor でチャット作成時に chats/temp/ に保存される

詳細な運用・frontmatter スキーマ・Git 運用はリポジトリの README を参照してください。

CC0 なので、改変・再配布・社内テンプレ化も自由です。


おわりに:AI との会話を「使い捨て」にしない

Cursor アプリの登場で、チャットとコード生成を ひとつの課金先 に寄せやすくなりました。あとは、その会話をどう資産化するかだけです。

このテンプレは「最小構成で回る」ことを優先しています。巨大なプラグイン構成や複雑な自動化は入れていません。6 つのルール + フォルダ分け + 一言トリガー で、初日から運用できます。

もし試してみたら、うまくいった点・詰まった点をコメントでもらえると嬉しいです。同じ悩みを持つ人の参考になります。

役に立ったら、いいねやストックで教えてください。 改善の励みになります。

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