はじめに
2026年ももう4月末。
AIエージェントが当たり前になり、Claude Codeを使った開発フローの記事もQiitaに溢れかえっている今日この頃。
そんな中、私は今更こんなことを言い出しました。
「Claude Codeの調査結果、ターミナルに流れて消えていくのもったいなくない?」
…はい、本当に今更です。
ググれば「Claude Code × Obsidian」みたいな記事が大量にヒットしますし、知っている人からすれば「2025年の夏には通った道」みたいな話なのは重々承知しています。
それでも、自分でやってみないと身につかないタイプなので、重い腰を上げて構築してみました。
本記事はその個人的な備忘録です。
モチベーション
Claude Codeを使い始めてから、こんな場面が増えました。
- バグ調査でコードベースを横断的に解析してもらった結果
- ライブラリの仕様調査でWeb検索+コード読解で得られた知見
- リファクタリング前の設計の勘所のヒアリング
- 「あれ、これ前にも調べた気がする…」 ← 致命的
特に最後のやつ。
同じ質問を3回くらい聞いている自覚があり、さすがにこれは知の浪費だと思いました。
ターミナルのスクロールバックには残っているとはいえ、検索性ゼロ・整理性ゼロ・寿命は次のセッション開始までという三重苦。
そろそろ本気で「外部記憶」を整える時期だなと。
なぜObsidianを選んだのか
正直なところ、Notionでも、Logseqでも、HackMDでも何でもよかったんです。
ただ、Claude Codeと組み合わせるという観点で、Obsidianには明確な利点がありました。
- Vaultが単なるMarkdownファイルの集合である(=Claude Codeから直接書き込める)
- ローカルで完結するので、API制限やネットワーク遅延を気にしなくていい
- バックリンク・グラフビューで、調査結果同士の関連性が後から見える
- タグとプロパティで雑に放り込んでも後で検索できる
要するに、「AIに整理させやすい構造をしている」という点に尽きます。
NotionだとAPI経由の書き込みになりますが、Obsidianは雑にファイルを置けばそれで終わりです。
やりたいことの整理
シンプルにこれだけです。
- Claude Codeで調査やコード解析を依頼する
- 「これメモっといて」と言うと、Obsidian Vaultに整形済みのMarkdownが保存される
- タグ・日付・関連リンクが自動で付与される
- 後で
[[...]]で繋がって、知識のネットワークになる
実装方法
構成
~/Obsidian/MyVault/
├── 00_Inbox/ # Claude Codeからの保存先(一時置き場)
├── 10_Projects/ # 整理後のプロジェクト別ノート
├── 20_Knowledge/ # 一般的な知識・調査結果
└── templates/
└── claude_research.md # 保存テンプレート
ポイントは、最初から綺麗に分類しようとしないこと。
Claude Codeは 00_Inbox にひたすら投げ込みます。整理は後で人間 or AIがやればいい。
テンプレート
templates/claude_research.md をこんな感じで用意しました。
---
created: {{date}}
source: claude-code
topic: {{topic}}
tags:
- claude-research
- {{primary_tag}}
status: inbox
---
# {{title}}
## 調査の発端
{{context}}
## 結論
{{summary}}
## 詳細
{{details}}
## 関連
- [[ ]]
## 元の質問
> {{original_query}}
CLAUDE.mdに保存ルールを書く
これが今回のキモです。
Vault直下に CLAUDE.md を置き、こう書いておきます。
# Obsidian Vault運用ルール
## 調査結果の保存
ユーザーが「メモして」「保存して」「Obsidianに残して」と言ったら:
1. `00_Inbox/` 配下に `YYYY-MM-DD_<トピックのスラッグ>.md` で保存する
2. `templates/claude_research.md` のフロントマター構造に従う
3. tags には最低3つ、内容に応じて付与する
4. 関連しそうな既存ノートがあれば `[[...]]` でリンクする
(`grep` で既存ファイルを軽く探してから判断する)
5. 保存後、ファイルパスを返答に含める
## 禁止事項
- `00_Inbox` 以外の場所に勝手にファイルを作らない
- 既存のノートを問答無用で書き換えない(追記する場合は確認を取る)
このCLAUDE.mdが、Claude CodeにとってのObsidian係としての職務記述書になります。
セッションをまたいでも振る舞いがブレないので安心。
実際の使い心地
$ cd ~/Obsidian/MyVault
$ claude
例えばこんな感じで会話します。
「Reactの
useTransitionとuseDeferredValueの使い分けについて、公式ドキュメントとReact本体のソースを参照しつつ調査して、結論をObsidianにメモして」
すると、Claude Codeはおもむろに:
- WebFetchで公式ドキュメントを読む
- 必要なら
node_modules/reactあたりを覗きに行く - 結論をまとめる
-
00_Inbox/2026-04-30_useTransition-vs-useDeferredValue.mdを生成
返答の最後にファイルパスがついてくるので、そのままObsidianで開けば終わりです。
1ヶ月使ってみた所感
良かったところ
-
「これ前に調べたな」が激減した
Obsidianのクイック検索(Ctrl+O)で過去の調査結果に一瞬で飛べる。これだけで導入した価値があった。 -
グラフビューで知識のクラスタが見える
気づいたら「フロントエンドのパフォーマンス系」のノードが密集していて、自分が今何に興味があるかが可視化された。 -
AIに整理を任せられる
週末に「00_Inboxのノート、内容を見て適切なフォルダに移動して、関連ノートにバックリンク張って」と頼めば終わる。最高。
微妙だったところ
-
最初の1週間は習慣化が辛い
「メモして」と言うのを忘れる。これは慣れでしか解決しなかった。 -
Inboxが膨らみすぎる問題
最初の頃は何でもかんでも保存していたら、3日でInboxが80ファイル超えた。
「保存する価値があるか」をClaude Code側に判断させる運用にしたら落ち着きました。 -
Vaultの肥大化
これは完全に私の問題ですが、検索結果のスクショまで貼り始めて気づいたら数百MBになっていた…。
まとめ
「Claude Code × Obsidian」、本当に今更ですが、やってみてよかったです。
特に響いたのは、「AIとの会話そのものが資産化される」 という感覚でした。
これまでターミナルのスクロールバックに消えていたものが、検索可能・リンク可能・再利用可能な知識ベースになる。
これは想像していたより、ずっと体験が良いものでした。
まだやっていない方、2026年の今からでも全然遅くないです。むしろ、AIとの付き合い方が成熟してきた今こそ、こういう「外部記憶」の整備が効いてくるんじゃないかと思います。
…と、今更やってみた人間が偉そうに語って締めることにします。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
参考
- Obsidian公式
- Claude Code公式ドキュメント
- 先人たちのQiita記事各種(本当にお世話になりました)