はじめに
個人ブログのアイキャッチ画像を、画像生成AIに作らせています。1記事1枚なので、積み上がった枚数はそれなりです。
当初は「なんか違う」と思いながらそのまま使っていました。違和感を言葉にできなかったので、直すべき場所が特定できなかったのです。
試行回数が増えると、外れ方にパターンがあることに気づきました。本記事では、私がプロンプトを直した箇所を6つに分けて書きます。特定のモデルに依存する話ではないので、テキストで指示する画像生成であれば同様に使えると思います。
1. 画風を言語化する
Before
クジラのイラストを描いて
生成ごとにテイストが別物になります。デフォルメされたキャラクター調、写真のような質感、水彩風と、毎回違う方向に振れる。
After
写実的な油彩画風で、クジラを描いて
「イラスト」は指示語としての解像度が低すぎました。受け取る側の解釈幅が広い単語を無加工で渡していたことになります。画風を1語足すだけで出力の分散が小さくなります。
2. ネガティブ条件を明示する
Before
描いてほしい対象のみを書く。
結果、画面の隅に文字状の模様や判読不能な記号が混入することがあります。指定しなかった部分はモデル側の裁量で埋められる、ということです。
After
文字・ロゴ・透かしは画像内に入れないでください
除外条件を1行追加するだけで混入は大きく減りました。プロンプトは「描くもの」の列挙だけでは仕様として不完全で、「描かないもの」まで書いて初めて閉じます。
3. 要旨ではなく象徴モチーフを渡す
Before
以下の記事の内容に合う絵を描いてください
(タイトルと要旨を貼り付け)
解釈はしてくれますが、出力は当たりさわりのない絵になります。テーマが抽象的なほどこの傾向が強い。
After
「鍵」を画面中央に置いた構図で描いてください
「待合室に座る人影」を主題にしてください
要旨をそのまま渡すのをやめ、要旨を自分で一度モチーフへ変換してから渡す工程を挟みました。抽象から具体への落とし込みは人間側で引き受ける、という役割分担です。
4. 配色の方向性を固定する
Before
配色に言及しない。
記事ごとに暖色・寒色がばらつき、一覧表示で並べたときに統一感がなくなります。単体では問題なくても、集合として破綻する。
After
紫からシアン系のグラデーションを基調にしてください
この行だけは毎回同一の文言で入れています。モチーフと構図は可変、色味は固定。複数枚を並べて運用する用途では、「固定する軸」と「可変にする軸」を決めておくのが効きました。
5. 後工程の存在を伝える
タイトル文字は生成後に自分で合成しています。したがって画像内に文字は不要です。
Before
文字は入れないでください
2番と同じことを書いているのに、文字らしき模様が薄く残る場合がありました。そこへ実際のタイトルを重ねるため、二重になって判読性が落ちます。
After
タイトル文字は後工程で別途重ねるので、画像内には文字を一切入れないでください
禁止事項に理由を併記する形に変えました。因果を厳密に検証したわけではありませんが、手元では明らかに通りがよくなっています。
6. 再指示は感想ではなく仕様で書く
一発で決まることは稀です。重要なのは2回目の投げ方でした。
Before
もっといい感じにして
もっと明るく
ほぼ変化しないか、意図しない方向へ動きます。どこがどう不満なのかが書かれていないので当然です。
After
画面左上を暗くしすぎず、人物のシルエットが見える程度の明るさにしてください
違和感を「場所」と「程度」に分解してから渡す。これを徹底してから、2〜3往復で狙いに収束するようになりました。一発命中を狙うのをやめ、往復あたりの情報量を上げる方針に切り替えた、という整理です。
まとめ
| 見直す箇所 | Before | After |
|---|---|---|
| 画風 | 「イラストを描いて」のみ | 「写実的な油彩画風で」と明示 |
| 除外 | 指定なし | 「文字・ロゴ・透かしは入れない」 |
| 主題 | タイトル・要旨を渡す | 「鍵」「人影」等の象徴物を指定 |
| 配色 | 指定なし | 「紫〜シアン系のグラデーション」で固定 |
| 後工程 | 伝えない | 「文字は後で重ねるので入れない」 |
| 再指示 | 「もっといい感じに」 | 「左上を人物が見える明るさに」 |
6項目すべて、自分の頭の中にだけあった条件を明文化したかどうかの差でした。暗黙の条件は守られません。
委任と丸投げは別物で、どこまで決めてから渡すかの設計は依頼側の仕事だと考えるようになりました。
画像生成まわりの試行錯誤の記録は、AIと共同運営しているブログ クジラとAIと にも残しています。