概要
この記事はシステムオブシステムズという手段を通してそこに関わるステークホルダーが
どのようなコトを体験することによって、何をなし得たいのか?
これからのプロダクト~システム開発に求められる品質に関しての考察内容である。
品質特性ISO規格
この図に記載されているのは、システムに求められる利用者視点の品質(Service視点)と
開発者視点の品質(Resource視点)である。
開発者と利用者は見ている視点が違うが、ざっくりいうと
利用者の方がマクロな抽象的視点でシステムを見ているのに対して、
開発者はミクロな具体的な内部のシステムの品質を見ている。
この規格はあくまでも1つのResourceシステムに求められる特性であり、
システムオブシステムズのようなさらに巨大なスケールのものに関しては、
自分たちでその対象のSoSにどんな特性が求められているのか?
という新たな品質特性変数(ISOにすらまだないもの)を探さなくてはならない。
そしてその上でその変数が測定可能なのか?まで詳細に落とし込めるのか?
などまで考察しなくてはならないため、従来のシステム設計の専門家というだけでは
このような考察は難しい。
なぜなら専門家は従来の今までの品質の延長線上に新たな画期的な品質を見出す傾向にあるが、
そもそもの様々なステークホルダが絡んだ結果の落としどころを満たす新たな品質は。
その延長線上にそもそも存在しているとは限らないからである。
従来の型に慣れている人も初心者も新しいフィールドでは共に初心者だから、
お互いに対等に尊重しあえる関係性を常に意識しないといけない。
個人的な思い
ただ自分の中で、従来のやり方の型にはまった人から何度も壮絶ないじめやパワハラを体験してきた過去があり、
従来のやり方に固執する人=悪人、価値を創造できない人という認知バイアスがかかってしまい、
プロジェクトでも原理主義者の方への口調がたまに荒くなってしまう場面があるし、
具体なところに視点がいき、抽象なマクロ視点で視られない人へ軽蔑してしまうこともある。
この過去の強烈なトラウマという従来の記憶に固執して、
新しいことへの足かせになっているのは自分も全く同じ立場であるので、
ここを乗り越えるという感動体験も一種のSoS×DXのプロジェクトで得られる品質価値に繋がっていくのかもしれない。
きっとこれがプロジェクトのモデルで出てきた
「ユーザーと企業のエンゲージメントを高める」というものだと予想。
ただシステムの技術力を磨くだけでなく、
自分の過去や従来の型とも状況に応じてサヨナラして成長していくという体験をとおした
人間的成長力もプロダクトに本質的に求められているコトの品質なのかもしれない。
人材育成
あらゆるクリティカルシンキングやデザイン思考などを使いこなし、
トップダウンで新しい品質を見つけ出し、
それを実現手段として支えるリソースに求められる従来の品質特性と、
新たな品質特性の発見とに分けて、さらにそれらのトレードオフ関係を仮説を立ててから検証で明らかにしていく、
というスタイルが求められるため、
人材育成のスタイルも変化させなくてはいけないし、従来の100点中90点だったら
ダメなところを指摘するおじ様たちの減点主義なスタイルから、
「前回は50点だったけども、今回は55点だったね!どんな改善をしたのか聞かせてくれないかなwkwk」
という加点主義に変えていかなくてはならない。
(これは書籍への批評然り、こういったQiita記事へのコメント内容なども然りである。)
これは大変なことかもしれないが、DXプロジェクトだけでなく、
これからのプロジェクトを進めていくうえでも常に意識しなくてはいけないところに感じた。
ハッキリ言って、DX系のプロジェクトでここがもっとも重要なポイントに感じている。
従来のやり方で新しい変化を生もうと無理にしているから、うまく行かない。
従来のやり方に慣れたプロのメンバーで無理に変革を生もうとしているからうまく行かない。