新しいことを組織内へ浸透させる際に、
チェンジマトリクスと抵抗の6階層をセットで使用する。
その抵抗する人が、どの程度の抵抗の階層にいるのかを定義したものが抵抗の6階層モデル。
相手が現状の何に抵抗しているのか?を考慮して、適切なアプローチを取れるようにすることが目的。
基本的にn階層目にいる人は、n-1階層目のことには納得しているが、
n階層目のことは理解できていない。
この考えをベースとして、その人にどの思考ツリーをお見せするのが
いまんところ思いつくベターである。
問題の存在
第1階層は、問題の存在に合意しない人々である。
相手と問題の存在の合意を取らないまま、解決策の話をしても抵抗はなくならない。
「問題は共通認識のはずだ」「自分が問題と思っていることは相手も問題と思っているはず」と妄信して、この階層をすっ飛ばしてしまうのはNG!
すべてのスタートは問題の存在に合意するところから。
対立関係を生み出すバイアスの可視化を促してくれる人々
第2階層では、個別最適な利益を優先し、全体最適な振る舞いができていない状態。
対立解消図などを用いて、前提バイアスを可視化できるようにし、
その前提バイアスを無効化できる解決策に合意してもらう方向性を取る。
解決策の方向性へのコンセンサスを取る!
論理の飛躍を教えてくれる人々
第3階層は、解決策が問題を解決してくれることに同意しない状況。
論理ツリーなどを用いて、ファシリテートをしつつ合意取る。
副作用を知らせてくれる人々
第4階層は、解決策を実行することによって、副作用が起きることを危惧している人々。
反対勢力であるものの、この人たちの声によって、
解決策により起きてしまう副作用を事前に予測できる部分がある。
その脅威が起きる可能性が低いことを示す。
発生したとしても、事前に考えた別の手段で対策ができるということを示せばいい。
第5階層は、解決策の実行を妨げる要因を危惧している人々。
4階層目の人々と同様に、障害が起きる可能性が非常に低いことや、
発生したとしても他の解決策でどうにかなることを示してあげることで合意を得る。
4階層目、5階層目は特に事前の脅威モデリングに協力的になってもらえば、非常に勘の鋭い脅威を出してくれる。
その際にうまく引き出せるようにファシリテートに専念することも大事。
未知への恐怖を抱く人々
本能的に持っている変化への恐怖として抵抗の行動をしてっている。
解決策を実行することこそがその恐怖を取り除く最良の方法。
ここまでのまとめ
抵抗勢力の相手がこのどの階層にいるのかを分類。
さらに階層を移動したりすることもありうる。
その都度、相手が今どの階層にいるのかを可視化した上で、それぞれに適切な対応を行う。
個人の予測
抵抗の6階層モデルがあるのと同様に、賛同の6階層モデルもありそう。
これとステークホルダーの「関心の高さ・権限の強さ」の2軸グラフと対応させておくことで、どのステークホルダーに対して特にケアしないといけないのか?
などを定性的に可視化できるようにしておいた方がいいかも?
アイデア
抵抗勢力の人々の意見が生きる環境づくりを行う。
抵抗勢力は、プロジェクトで向き合っているビジネスのプラスの側面の意見出しが苦手な分、マイナスの側面の意見出しは得意である傾向が強い。
プロジェクトのプラスの側面だけを考えている人々は、
価値の部分のみを考えて、メリットにしか目が行きにくい。
なかなかその価値を実現しようとした時のデメリット部分の脅威には目が行きにくい。
そこで、抵抗勢力の人々を脅威モデリングワークショップに参加させることで、対策しなければいけないリスクを認知し、
それに対しての対策として、アーキテクチャ上何を運用特性上満たさなくてはいけないのか?を明らかにする。