はじめに
この記事は、2019年10月17日に開催の サポーターズCoLab勉強会「ネットワーク基礎実験ハンズオン - スイッチを用いたトラフィック制御」のための資料です。勉強目的での利用をしていただくことは構いませんが、内容についてはサポートできかねますのでご了承ください。
この記事の目的
Ciscoネットワーク機器のはじめの一歩として、パケットトレーサー上で簡単なネットワークを構築して通信を行う実験の手順を説明します。コマンドを含めた解説はこちら
実験内容
- VLANの設定
- トランクを用いた複数のスイッチ間でのVLANの設定
- VTPを用いた複数のスイッチ間でのVLANの設定(時間があれば)
事前準備
以下の記事を参考にPacket Tracerを入手しダウンロード・インストールを行い、起動してください。
Cisco Packet Tracerの入手方法 - Qiita
操作・コマンド集
この記事ではコマンドの使い方やパケットトレーサーの操作方法は解説しません。操作やコマンドについては、都度以下の記事を参照し、必要な変数を書き換えるなどして使ってください。
Packet Tracerでルータを用いたネットワークの構築 - 操作・コマンド集
手順
簡単なネットワークでping
を使ってみる
- 上図の通りネットワークを構築する。使用するスイッチは「2960」(Network Devices > Switches > 2960)、PCは「PC」(End Devices > End Devices > PC)、ケーブルはCopper Cross-Over(Connections > Connections > Copper Cross-Over)。
- PC0、1のIPアドレスをそれぞれ
192.168.1.1
、192.168.1.2
に、サブネットマスクをどちらも255.255.255.0
に設定する。 - 各PC間で
ping
コマンドを実行し、通信ができることを確認する。
VLANの設定
- 上図の通りネットワークを構築する。(先ほどのネットワークに2台のPCを足す。)
- PC0〜3のIPアドレスをそれぞれ
192.168.1.1
〜192.168.1.4
に、サブネットマスクを全て255.255.255.0
に設定する。 - 先ほどの実験と同様に、全てのPC間で
ping
を実行し、通信ができることを確認する。 - スイッチのコンソールを開き、VLANの設定をする
-
VLAN2
とVLAN3
を作成 - PC0、2が接続されているポートをどちらも
access
モードでVLAN2
に設定 - PC1、3が接続されているポートをどちらも
access
モードでVLAN3
に設定
-
- 各PC間で
ping
を実行し、同じVLANグループ内では通信ができて、異なるVLANグループ間では通信ができないことを確認する。
トランクを用いたVLANの設定
- スイッチの設定をリセットする。(本来はコマンドを使って解除していくのべきなのですが、今回はシミュレーションなのでスイッチを物理的に再起動します)
- 上図の通りネットワークを構築する。(先ほどのネットワークを2つのスイッチに分割し、スイッチ同士を接続した状態。)
-
- PC0〜3のIPアドレスをそれぞれ
192.168.1.1
〜192.168.1.4
に、サブネットマスクを全て255.255.255.0
に設定する。(先ほどの実験と同じ)
- PC0〜3のIPアドレスをそれぞれ
- 全てのPC間でpingを実行し、通信ができることを確認する。
- VLANの設定をする
- それぞれのスイッチで
VLAN2
とVLAN3
を作成 - PC0、2が接続されているポートをどちらも
VLAN2
に設定 - PC1、3が接続されているポートをどちらも
VLAN3
に設定
- それぞれのスイッチで
- 各PC間で
ping
を実行し、通信ができなくなっていることを確認する。 - 両方の
FastEthernet0/24
をtrunk
モードに設定し、VLAN2
とVLAN3
を設定する。 - 各PC間で
ping
を実行し、同じVLANグループ内では通信ができて、異なるVLANグループ間では通信ができないことを確認する。