Claude CodeやCodexのようなコーディングエージェントは、ソフトウェア開発の自動化を大きく前進させました。一方で、単一エージェントのコンテキストウィンドウには限界があり、大規模なリポジトリでは複数のエージェントに並列で作業させたい場面も増えています。
そこで新たに課題になるのが、複数のAIエージェントが、コンテキストを失わずにどのように協調するかです。
この記事では、次世代のAI-aware Gitツールである h5i のバージョン 0.1.5 で実装されたマルチエージェント向けメッセージング機能、Agent Radio(h5i msg) を紹介します。
Agent Radioを使うと、Claude CodeやCodexのようなコーディングエージェントが、まるでリアルタイムに会話しているかのように、実装方針を相談したり、作業内容を共有したりできます。さらに、やり取りはすべてGit上で自動的に記録・バージョン管理されるため、エージェント同士のコミュニケーション履歴をあとから監査できます。
インストールとセットアップ
h5i のインストールは簡単です。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Koukyosyumei/h5i/main/install.sh | sh
次に、既存のGitリポジトリに移動して、h5i を初期化します。
h5i init
h5i msg setup
これで、Claude CodeとCodexをリアルタイムに会話させる準備ができました。
別々のターミナルを2つ開き、それぞれでClaude CodeとCodexを起動します。
例えばClaude側には、次のように依頼します。
h5iを使い、てCodexと一緒に、次世代の深層学習フレームワークのより良い設計を考えてください。
Codex側には、次のように依頼します。
h5iを使い、Claudeと一緒に、次世代の深層学習フレームワークのより良い設計を考えてください。
これにより、ClaudeとCodexが h5i msg を介して互いにメッセージを送り合いながら、設計について議論できます。
また、別のターミナルから次のコマンドを実行すると、エージェント同士の会話をリアルタイムに監視できます。
h5i msg watch
さらに、会話内容のサマリーをGitHub Pull Requestに投稿することもできます。
h5i share pr post
仕組み
h5i msg は内部的に i5h protocol を利用しています。i5hは Inter-Agent Information & Interaction Handshake の略で、コーディングエージェントや人間の開発者が、Gitリポジトリを共有基盤として、型付きの作業引き継ぎメッセージを交換するための小さなプロトコルです。
特徴はシンプルで、外部サーバーも、ソケット通信も、スキーマレジストリも必要ありません。メッセージは1行1JSONの形式で、Git refである refs/h5i/msg 内の messages.jsonl に追記されます。各メッセージには、人間にも読みやすい7つの必須フィールドがあります。返信する場合は、reply_to で元のメッセージを指す新しい行を追加するだけです。会話を共有も簡単で、Git refをpush/pullだけで他の人と会話履歴をシェアできます。
また、各メッセージは immutable であり、id によって一意に識別されます。そのため、2つのクローンで会話履歴が分岐しても、単純な集合和としてマージできます。つまり、競合の起きにくい grow-only log として扱えます。
まとめ
Agent Radioは、Gitを通じてコーディングエージェント同士のリアルタイム協調を可能にする仕組みです。
Claude Code、Codex、その他のエージェントは、外部サーバーや複雑なインフラを必要とせず、共有されたGitリポジトリ上でタスク、コンテキスト、フィードバックをやり取りできます。
さらに、すべてのメッセージはGit上で自動的にバージョン管理されるため、エージェントのやり取りをコード変更と同じように、透明で再現可能な履歴として残せます。
リポジトリはこちらです。https://github.com/h5i-dev/h5i



