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こんにちは!

本日は1次検定の問題2に出やすい「複素関数と主値」の対策を行います.

オイラーの公式

複素解析を学ぶ上で避けて通れないのがオイラーの公式です.zを複素数とすると,

e^{iz} = \cos z + i \sin z

が成り立ちます.
それぞれの項のマクローリン展開を考えると,

e^{ix} = \frac{i^0}{0!}x^0 + \frac{i^1}{1!}x^1 + \frac{i^2}{2!}x^2 + \frac{i^3}{3!}x^3 + ... = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{i^n}{n!}x^n
\cos x = \frac{i^0}{0!}x^0 + \frac{i^2}{2!}x^2 + ... = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{i^{2n}}{(2n)!}x^{2n}
i \sin x = \frac{i^1}{1!}x^1 + \frac{i^3}{3!}x^3 + ... = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{i^{2n+1}}{(2n+1)!}x^{2n+1}

となるので,xをzと置き換えることでオイラーの公式が導かれます.
また,z → -zとした式

e^{-iz} = \cos (-z) + i \sin (-z) = \cos z - i \sin z

を考え,元の式との和や差を取ることで

\cos z = \frac{e^{iz}+e^{-iz}}{2}, \sin z = \frac{e^{iz}-e^{-iz}}{2i}

と表せることがかなり重要です.

複素数の指数関数と対数関数

さて,ここからは指数や対数に複素数zが絡む場合を考えてみます.
zが実数の範囲(特に0から2πといったラジアン単位)であれば高校数学で履修済みですが,数検1級や大学数学では複素数に拡張されるため,ここでz=x+iyとおいて考えてみましょう(x,yは実数).

e^z = e^{x+iy} = e^x (\cos y + i \sin y)

このように複素数の指数関数を表すことができます.
高校数学Cで履修済みの極形式(rは絶対値,θは偏角)

r (\cos \theta + i \sin \theta) = r e^{i \theta}

と見比べると,複素数の指数関数ではyが偏角の役割をしていますね.
ところで,三角関数sinやcosは周期が2πなので,必然的に複素数の指数関数も同じ値になるタイミングがあります.kを整数とすると,

e^{x+i(y+2k\pi)} = e^x (\cos (y+2k\pi) + i \sin (y+2k\pi))

となるので,

e^z = e^{z+2k\pi i}

が成り立ち,指数関数の周期が2πiであることがわかりました.
これらを利用していよいよ対数の計算に入りましょう.まずは

z = \log (1+i)

の値について考えます.すなわち,

e^z = 1+i = \sqrt{2} e^{\frac{\pi i}{4}} = e^{\log\sqrt{2}}e^{\frac{\pi i}{4}+2k\pi i} = e^{\log\sqrt{2}+(\frac{\pi}{4}+2k\pi) i} 

をzについて解けば良いので,指数部分の比較により

z = \frac{\log2}{2}+(\frac{\pi}{4}+2k\pi) i

となり,kは任意の整数なのでlog(1+i)には無限個の解があることになります(多価関数).
そこでしばしば用いられるのが主値(principal value)です.
今回は偏角(arg z)に整数kが含まれているため,このkを一意に定めましょう.偏角の範囲を

-\pi < \arg(z) \leq \pi

とすると,k=0に限られるので,log(1+i)の主値は

\log (1+i) = \frac{\log2}{2}+\frac{\pi}{4} i

となります.なお,しばしば主値となる対数をLog(z),その時の偏角をArg(z)のように先頭を大文字アルファベットとして表すことが多いです.

練習問題

1.以下の式を満たす複素数zのうち,純虚数であるものを全て求めなさい.

\cos z = 4

2.次の主値を求めなさい.

i^i

3.zの3次方程式

z^3+2z^2+2z+1 = 0

の3つの解を

\alpha, \beta, \gamma

とするとき,

\alpha^{465} + \beta^{465} + \gamma^{465}

の値を求めなさい.

余談

オイラーの公式のzにπを代入した式

e^{i\pi} = -1

の-1を左辺に移項した式である

e^{i\pi} + 1 = 0

オイラーの等式と呼ばれ,加法の単位元0,乗法の単位元1,幾何学のπ,解析学のe,代数学のiが単純な式で結びついていることから「世界一美しい等式」などと言われています.
過去に数学検定5段1次でこの式についてA4用紙10枚以内で説明する問題が出ていました.
https://web.archive.org/web/20090124163245/http://www.suken.net/what/dani06-07.pdf
※現在,数検の段位の試験は行われておりません

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