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はじめまして,Kouichiと申します.
この度は本アドベントカレンダーに興味を持っていただきありがとうございます!

概要でも説明しております通り,25日間を通して数検1級合格を目指すために必要な知識,重要な解法,分野別の対策を少しずつ執筆していければと思います.

読者の目安としては,
・数検1級にこれからチャレンジしようと思っている人
・受験した経験はあるものの歯が立たなかった人
・数検1級に向けた勉強の仕方がわからない人
・とりあえず数学が好きな人
あたりでしょうか.

数検1級をすでに複数回合格しており,満点を目指すような人にとっては物足りないかもしれませんのでご了承ください.

さて,私の経歴を簡潔に述べておきます.
所属:国立大学院理系
専攻:工学,情報,医療
数検1級初回受験:2020/08/30
数検1級2次合格:2023/10/29
数検1級1次合格:2024/04/14
大学入学時から塾の個別指導でアルバイトをしております.
(小学生〜高校生対象,国数社理英情)
算数オリンピックや数学オリンピックの出場経験はありません.

上記からも分かる通り,生粋の数学科ではないため,一般の理系大学レベルを超えるような(群論,トポロジー,偏微分方程式などの)知識はほとんどありません.そのため専門の方からすれば,本記事の解説も不十分と思われる点があるかもしれません.あくまでも数検1級と同レベルの観点から解説しますのでどうかご容赦ください.なお,純粋なミス等はあたたかくご指摘いただけますと幸いです.

それでは1日目の本題「数学検定1級の概要」に入ります!

数学検定1級の要点

※もう分かっとるわ!という方は読み飛ばして構いません

公式サイト(https://www.su-gaku.net/suken/examination/) を見るのが確実ですが,ここでは要点のみ絞り出します.(2025年11月現在の情報です)

1級は1次(計算技能)検定と2次(数理技能)検定に分かれています.

1次または2次の片方に合格した場合,次回は合格していない側のみの受験にすることもできます.

〈免除しなかった場合はどうなるか〉
例えば1次合格で2次不合格となり,次回受験で免除を行わなかったとします.その次回受験で1次不合格,2次合格となった場合でも,成績表には「2次合格」としか書かれません.(1次と2次が逆になった場合も同様です)
つまり,数検1級を完全合格にするには,免除を用いて(1次or2次の)残された側を合格するか,1次と2次を一気に受験して両方合格するしかありません.

1次検定

・制限時間は60分 (途中退出不可)
・7.0点満点中,5.0点以上で合格
・必答の大問7つ,うち2つは①②(0.5点ずつ)に分かれている
・解法は書かず,答えのみを記入
・部分点なし (解の過不足,絶対値のつけ忘れ,約分漏れなどであっても容赦無く×)

2次検定

・制限時間は120分 (開始から70分後〜115分後は途中退出も可能,再入室不可)
・4.0点満点中,2.5点以上で合格
・大問1〜5のうち2題選択,大問6〜7は必答 (小問に分かれたものもある)
・「答えのみ」という指示がない限り解法の流れを記述する
・部分点あり (ただしほとんどが0.2点,0.5点,0.8点のいずれか)
※小問に分かれている大問では,途中過程が合っていても結論が誤っていると(小問単位では)部分点がもらえない説あり?
→ 過去の受験回で,(1)と(2)のウエイトが同程度の大問において,(1)は隙の無い回答,(2)は答えの一部のみ誤ったところ,大問全体では0.5点だったという受験者が多かった例があります.

受験回と料金

数学検定は本会場(年3回実施)と準会場(月1回程度実施)に分かれていますが,1級が受験できるのは本会場のみです.
本会場の実施日程は
春の回:4月中旬 (2〜3週目の日曜日)
夏の回:7月下旬 (3〜4週目の日曜日)
秋の回:10月末 (最終日曜日or11月1週目の日曜日)

2026年度の1級受験日程は
第457回 4/19(日)   申込期限 3/10(火) 合否確認 5/14(木)
第461回 7/25(土)   申込期限 6/16(火) 合否確認 8/19(水)
第465回 10/25(日) 申込期限 9/15(火) 合否確認 11/12(木)
の計3回です.土曜日に実施されるのはかなり珍しいですね.

料金は(2025年現在)8,500円,1次か2次免除であれば1,000円引きされます.

難易度

2020年〜2024年の受験者データ(https://www.su-gaku.net/suken/examination/data/) によると,この期間におけるのべ受験者数は8,384名,のべ合格者数は875名,平均合格率は約10.4%です.ただし数検1級はリピーター(複数回合格者)が数多く存在するため,新規参入における合格率はもう少し低いかもしれません.

では各受験回ごとの難易度はどうなのでしょうか.
はっきり言うと,数検の難易度は受験回に応じてかなり変化します.
つまり運の要素が大きく関わってくることになります.
合格者を人数で選抜する試験(入試など)とは異なり,平均点がいくら下がろうと合格点は変化しないので,難しい回に当たってしまった受験者は単純に運が悪かったということになってしまいます.

目安の難易度表(独自作成)を以下に示します.既に成績表がある人は,自分が受けた回がどのくらい難しかったか振り返ってみても面白いかもしれません.

難易度 1次検定 2次検定 合格率
3.6点〜 1.7点〜 30%〜
やや易 3.1〜3.5点 1.5〜1.6点 20〜30%
標準 2.6〜3.0点 1.3〜1.4点 15〜20%
やや難 2.1〜2.5点 1.1〜1.2点 5〜15%
〜2.0点 〜1.0点 〜5%

※点数は受験者平均点を表します.合格率はヒストグラムから読み取ったものです.
※同じ平均点でも得点分布は異なるため,必ずしも対応関係があるとは限りません.

サンプル問題

数検公式サイトには以下のサンプル問題があります.
第363回 2020年10月25日 (https://www.su-gaku.net/suken/support/past_questions/)
 1次:平均点3.0点,合格率約19% -> 標準
 2次:平均点1.5点,合格率約22% -> やや易

大問 1次全体 1次合格者 2次全体 2次合格者
35.5% 85.9% 44.2% 82.8%
60.2% 91.8% 11.0% 52.0%
27.0% 72.9% 6.0% 5.0%
59.0% 91.8% 58.5% 90.3%
4.1% 12.4% 49.5% 60.4%
70.2% 97.6% 33.3% 65.4%
48.4% 91.8% 39.6% 77.8%

また,英語版の過去問題は別の実施回のものがあります.
第376回 2021年7月18日 (https://www.su-gaku.net/suken/support/past_questions_en/)
 1次:平均点2.5点,合格率約 5% -> やや難〜難
 2次:平均点1.5点,合格率約21% -> やや易

大問 1次全体 1次合格者 2次全体 2次合格者
4.3% 33.3% 15.8% 44.5%
9.0% 50.0% 37.7% 76.7%
46.7% 100% 9.5% 40.0%
45.0% 83.3% 49.0% 82.8%
75.0% 94.4% 38.8% 56.3%
16.6% 61.1% 46.3% 87.3%
57.6% 100% 49.3% 85.7%

自分の実力がわからない人は,まず公式サイトのサンプル問題を解いてみましょう.
2次は近年難化しているため,サンプル問題であれば3完1半くらいは欲しいところです.

過去5年間の難易度推移

下表は過去14回分の平均点および合格率(目視)です.
やはり最近の2次検定は難化傾向にありますね.

    1次検定       2次検定  
実施年月 (検定回) 平均点 合格率 難易度 平均点 合格率 難易度
2025-10 (第448回) 3.0点 約17% 標準 0.9点 約 8 % やや難〜難
2025-07 (第444回) 3.8点 約32% 1.5点 約13% 標準
2025-04 (第440回) 2.7点 約15% 標準 1.2点 約12% やや難
2024-10 (第431回) 2.7点 約16% 標準 1.4点 約20% 標準
2024-07 (第427回) 4.2点 約44% 0.7点 約 3 %
2024-04 (第423回) 2.7点 約19% 標準 1.3点 約20% 標準
2023-10 (第414回) 3.0点 約19% 標準 1.4点 約19% 標準
2023-07 (第410回) 3.0点 約19% 標準 1.1点 約 8 % やや難
2023-04 (第406回) 1.7点 約 3 % 1.0点 約 9 % やや難
2022-10 (第397回) 2.7点 約13% やや難 0.8点 約 3 %
2022-07 (第393回) 4.2点 約44% 1.0点 約12% やや難
2022-04 (第389回) 3.5点 約29% やや易 1.3点 約20% 標準
2021-10 (第380回) 2.5点 約12% やや難 1.0点 約 4 %
2021-07 (第376回) 2.5点 約 5 % やや難〜難 1.5点 約21% やや易
2021-04 (第372回) 3.7点 約32% 0.9点 約 3 %
2020-10 (第363回) 3.0点 約19% 標準 1.5点 約22% やや易
2020-08 (第360回) 4.0点 約40% 1.5点 約20% やや易

数検1級の出題分野

公式サイト(https://www.su-gaku.net/suken/wp-content/themes/su-ken/pdf/examination/kenteikijyun.pdf?ver=240419) に書いてはありますが,あまりに広すぎてイメージしにくいので,おおよそどんな構成で出題されているかを以下に示します.
※必ずしも以下の順序で出題されるとは限りません.例えば確率分布の計算が問題3に移動したり,行列が問題4に移動したりと回によって順序は異なりますが,全体で見たときの構成は概ね一定です.

1次検定

1.方程式,整数,数列など
2.複素関数,逆関数,双曲線関数など
3.ベクトル,直線,平面,多面体など
4.級数,偏微分,行列の演算など
5.確率の期待値,分散,共分散,確率密度関数など
6.逆行列,行列式,マクローリン展開など
7.重積分または微分方程式

2次検定

1.[代数] 整数や方程式に関する証明が多い
2.[解析] 無限級数や広義積分の計算が多い
3.[幾何] ある図形に関する不等式の証明などが多い
4.[統計] データに対する推定と検定,稀に最小2乗法
5.[特有問題] 場合の数や集合論,作図など分野にとらわれない問題
6.[線形代数] 対角化や写像,2次形式など
7.[微分積分] 多変数関数の極値,立体の体積や表面積,微分方程式のいずれか

以降の投稿予定

明日12/02から7日間で1次検定編,ブレイクを挟んだのち7日間で2次検定編,再びブレイクを挟んで特有問題編を3日分行った後,最後に模擬問題を公開予定です.なお記事自体は11/30時点でまだ仕上がっておりません.果たして間に合うのでしょうか,,

それでは次回の投稿をお楽しみに!

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