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こんにちは!

昨日までで1次検定対策編は一区切りとなり,9日目となる本日は私が数学検定を受けることになったきっかけや,1級合格までの4年近くに渡る死闘をお話しできたらと思います.

初めての数学検定

私が初めて数学検定を受けたのは中学3年の頃でした.高校入試に向けて英検や漢検などに取り組む中,偶然見つけたのが数学検定でした.とりあえず現時点のレベルでも合格できそう&調査書に記載できそうな3級を受験しました.結果は
1次検定:得点29.0/30点,平均25.8点,合格率89.4% (合格ライン21.0点以上)
2次検定:得点19.0/20点,平均12.6点,合格率61.5% (合格ライン12.0点以上)
で3級全体の合格率が60.9%だったそうです.
いずれもギリギリ満点を逃してしまうという結果ではありましたが,誤答の問題は2次方程式と作図でした.前者はおそらく計算ミスでしょうが,後者は作図の経験の少なさがモロに影響してしまったのでしょう(しかし正答率は68.3%と以外にも高かったです)...

大学への数学「学力コンテスト」にて

それからしばらく数学検定を受験することはなく,大学入試の時期が迫っていました.
当時の私が取り組んでいたのが月刊誌「大学への数学」の巻末に付属している「学力コンテスト(学コン)」であり,重量級の問題を2週間ほどの期間内に解き,郵送して採点してもらい,優秀な成績だと翌々月号に氏名掲載,さらに満点取得者の中でも秀でた答案だと認められればバインダーなどの景品がもらえます.
私は毎月チャレンジしていたものの,平均点にすら達しないことも多く,結局大学入試が終わるまで氏名掲載されることはありませんでした.ところが大学入学後の4月号でこれが最後,と決めて提出したところ,初めて満点かつ3等賞を取ることができ,高校の友人(学コンで1度氏名掲載経験あり)に報告するとかなり驚いていました.
しかし本当の驚きはそれではありませんでした.友人と共に冊子を眺めていると,高3や社会人の名前が並ぶ中,1人だけ小学生の氏名があったのです.その彼こそが髙橋洋翔君であり,当時最年少の11歳で数検1級に合格した人物であると教えてもらいました(現在は9歳で合格した安藤匠吾君が最年少).
小学生の躍進に驚愕する一方で,自分自身も学コンで3等賞を取るレベルまで行き着いた経験から「しっかり対策すれば数検1級も取れるのではないか」という自信が湧いてきました.

数検1級への挑戦

いきなり1級ではなく,まずは基礎力確認のために準1級を申し込みました.4回分の実戦問題集を購入して解いたところ,1次は概ね満点が取れていたものの,2次は2.5〜3.0点あたりで少し不安の残る状態でした(特に大問2のベクトルの計算量の多さに苦戦).受験結果は
1次検定:得点7.0/7.0点,平均5.0点,合格率約65% (合格ライン5.0点以上)
2次検定:得点2.5/4.0点,平均1.9点,合格率約34% (合格ライン2.5点以上)
で2次検定は辛くも合格という状況でした.必答問題のうち問題6(数列)は平易だったものの,問題7(立体の体積)の計算が複雑で,選択問題の図形と方程式,ベクトルもおそらく途中で計算ミスをしておりこれらが全て0.5点でした.
とりあえず準1級には1発合格できたので安堵しました.

第1戦

新型コロナウイルス流行の中,2020年4月分の試験が8月に延期されていたため,その回に申し込みました.受験2ヶ月前から「数学検定1級 出題パターン徹底研究」(https://www.morikita.co.jp/books/mid/004901) を購入して演習しましたが,なかなか問題のレベルが高く,絶望感が立ち込めていました.大学ではまだ線形代数や解析の基礎部分しか習っていなかったため,固有値の求め方や二重積分の解き方などを独学で進めました.
そして試験本番,1次検定は比較的解きやすい問題が多く,最初の3問は大きく苦戦することなく突破できましたが,残りの4問は一筋縄ではいきません.①と②に分かれた問題が2問あったのでそれぞれの①を確実に取り,残りの1問は計算が大変なマクローリン展開を地道に解きました.全て合っていればワンチャンあるか...?という祈りを込めながら1次検定は幕を閉じました.
続く2次検定では,まず必答問題である行列の固有値を求める問題から解きました.解析は2変数関数の極値を求める典型問題だったのですが当時の私は手も足も出ませんでした.選択問題の図形では座標を置いて地道に計算すれば示せそうな不等式があったため,まずはそこを完答しました.続いて最近解析の授業で習った逆関数の和の値を求める問題に着手し,条件に注意しながら解き進めてこちらも完答しました.思っていたよりも解けたのでもしかしたら合格点に達したかもしれないという期待の中で試験は終了しました.
しかしながら結果は
1次検定:得点4.0/7.0点,平均4.0点,合格率約40% (合格ライン5.0点以上)
2次検定:得点1.8/4.0点,平均1.5点,合格率約20% (合格ライン2.5点以上)
と惜しくも合格には及ばずでした.1次検定はマクローリン展開でプラスマイナスを間違えて1点を失うという痛恨のミス,2次検定は行列の固有値が間違っておりその大問ごと0点,また逆関数の計算は答えは合っていたものの何か記述に不備があったためか0.8点でした.
敗れはしたものの,1回目からそれなりに手応えはあったためあと数回チャレンジすれば合格できそうだという希望に溢れていました.この頃は.

第2戦

2020年10月の試験は8月の結果が分かった時点で既に申し込み期限を過ぎており,翌年4月の試験も多忙で受験できなかったため,1年近くのブランクを経て2021年7月の試験に申し込みました.大学では線形代数と解析をひととおり習い終わり,確率統計や微分方程式の最中であったため,前回よりも知識はパワーアップしていました.
1次検定は問題1と問題2が方針すら立たず,解きやすそうな問題3(確率分布),問題5(逆関数の微分),問題7(二重積分)から取り組み,続いてかなり計算がしんどい問題6(行列式)を解いた後,問題4(ベクトルと直線)の①は解けたものの,②で詰まりました.このままだと合格ラインに達しない焦りを感じながらも,時間内にこれといった解法は思い浮かばないままでした.
2次検定は必答問題の微分方程式がまさに最近習った範囲であり,難なく完答まで至りました.線形代数は途中まで進めるも行き詰まり,選択問題の広義積分に移りました.誘導に従って計算することで最後の答えまで行き着いたため,2完の感動に浸りながら整数の問題に移りました.答えのみの(1)はすぐに解けたものの,(2)は難しく筆が止まってしまいます.残りの時間で見直しをしながら,今回こそ2.5点以上あることを祈りました.
1次検定:得点3.5/7.0点,平均2.5点,合格率約5%
2次検定:得点1.9/4.0点,平均1.5点,合格率約21%
1次検定はそもそも自信がありませんでしたが,時間をかけて取り組んだ問題6(行列式)は残念ながら間違えていました.2次検定では微分方程式は1点満点だったものの,合っていると思っていた広義積分がまさかの0.2点という結果でした.整数が0.2点,線形代数が0.5点だったため,広義積分の出来次第では合格できていたと思うとかなり悔やまれるものでした.

第3戦

次こそは合格するという意気込みで迷わず10月の試験を申し込みました.「実用数学技能検定 [完全解説問題集] 発見」(https://www.su-gaku.net/suken/support/book/hakken/) も解くことで,さらなる実力をつけて試験に臨みました.
1次検定は解きやすそうな問題2(複素数と二重根号),問題3(表現行列)を早々に処理しました.終盤の問題6(級数の収束半径)と問題7(累次積分)はいかにも難しそうだったため,まだ時間をかければ解けそうな問題1(分数型方程式),問題4(行列の固有値の和と積),問題5(分散と共分散)にじっくり取り組みました.これらが全て合っていれば合格ラインですが...
2次検定は今回どの問題も難しく見え,いろいろ試行錯誤するものの最初の70分はほぼ白紙の状態でした.途中退出の受験者が何人かいる中で不安を感じる中,特有問題(点の移動に関する証明)と線形代数(行列式と数列)の解法がいきなり分かったので大急ぎで答案を書き切りました.微分方程式(ダランベール型)は全く解法を知りませんでしたが,答えはなぜか求まったので一応それっぽい記述を書いておきました.統計(推定と検定)も苦し紛れに答案を書き,なんとか2完1半?くらいのつもりで終えました.
1次検定:得点2.5/7.0点,平均2.5点,合格率約12%
2次検定:得点1.0/4.0点,平均1.0点,合格率約4%
ですが期待に反し,現実は厳しいものでした.結局1次検定は早々に処理した2問と問題5の分散(共分散は±のミス)しか合っておらず,2次検定でも特有問題の0.8点はまだしも,閃いた線形代数がまさかの0点で衝撃でした.その一方で答えだけあっていた微分方程式は0.2点もらえていました.

第4戦〜第8戦

2022年からはノートを作り,覚えるべき公式や過去の誤答原因などをまとめていきました.また編入生の友人から「編入数学徹底研究」(https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b528941.html) を貸してもらい,数検1級に出そうな問題を演習していきました.
一方で,数学科でない私は大学の授業から次第に数学科目が消えていき,今までよりも数学に触れる機会が少なくなりました(プログラミングやメディア処理系の科目が増加).そのため1次検定は作戦を立てることで合格目前の点数は取れても,重量級の2次検定はそもそも完答に至ることすら難しく,合格からは遠ざかるばかりでした.
第4戦結果 (cosπ/4を1/√2と書いていれば1次合格)
1次検定:得点4.5/7.0点,平均3.5点,合格率約29%
2次検定:得点0.7/4.0点,平均1.3点,合格率約20%
第5戦結果 (逆行列の成分の符号が合っていれば1次合格)
1次検定:得点4.5/7.0点,平均4.2点,合格率約44%
2次検定:得点0.2/4.0点,平均1.0点,合格率約12%
第6戦結果 (絶対値を外していれば1次合格)
1次検定:得点4.5/7.0点,平均2.7点,合格率約13%
2次検定:得点0.5/4.0点,平均0.8点,合格率約3%
第7戦結果
1次検定:得点2.0/7.0点,平均1.7点,合格率約3%
2次検定:得点0.2/4.0点,平均1.0点,合格率約9%
第8戦結果 (合同式の周期をミスらなければ1次合格)
1次検定:得点4.0/7.0点,平均3.0点,合格率約19%
2次検定:得点0.7/4.0点,平均1.1点,合格率約8%
周囲からも次第に期待されなくなり,「まーた8,500円を文部科学省に貢いでる」などと言われるようになってしまいます.

海外留学で変わったもの

第8戦終了後,私は人生初の海外留学としてベトナムのダナンで5週間,企業のインターンシップに参加しました.インターンシップの内容はプログラミングによる開発が中心で数学とはほとんど無縁でした.
留学中は楽しいことばかりではなく,キャリーケースを取り逃して飛行機の乗り継ぎができず空港に置き去りになったり,突如まぶたが腫れたり38℃以上の熱を出したりと様々なトラブルがありましたが,旅を終えてみると
「これほどの困難を乗り越えられた自分なら何でもできる気がする」
という謎の自信が湧いてくるようになりました.

第9戦

申込期間中はベトナムにいたため,かろうじてクレジットカードを使いオンラインで申し込めました.しかし帰国後は様々な手続きや研究の中間報告等に追われ,今回の試験に向けて数検の勉強をできたのは前日と当日のわずか2時間ほどでした.間違いなく過去最短の勉強時間です.
1次検定は,①②に分かれた問題(0.5点×4つ分)では,1つでもわからないものがあれば無理に3つ分を答えず2つ分を取るという作戦で臨みました.これは4.0点→4.5点にしたところで合格ラインには届かないという意図からです.その作戦自体は良かったのですが,最後の問題7(微分方程式)でドツボに嵌ってしまいました.
いつもなら1次検定の合格可能性がなくなったと気づいた時に士気が下がってしまいがちだったのですが,今回は全くそんなことがなく,2次こそは必ず仕留めてみせるという覚悟を保ち続けていました.
2次検定は,必答問題の線形代数が2021年10月検定と実質的に同じ解き方でいけそうだったため,真っ先に答案を作成し陥落させました.解析は3変数の極値が問われていたため後回しにし,選択問題を俯瞰したところ,整数問題の方針が立てやすかったためじっくり証明し,最後の求値問題まで仕上げられました.特有問題は特別な性質を満たす行列の成分を求める問題でしたが,地道に取り組み無事最後の8次正方行列まで書き切ることができました.残りの数分で解析に着手するか迷いましたが,こんなチャンスを逃すわけにはいかないと考え,解いた大問3つ分をひたすら見直しました.2次検定は間違いなく過去最も手応えがあり,これで無理なら数検からは身を引いても構わない,とすら公言していました.
そしてようやくその時がやってきました.
1次検定:得点4.0/7.0点,平均3.0点,合格率約19%
2次検定:得点2.7/4.0点,平均1.4点,合格率約19%
1次は予想通りでしたが,とにかくあの難攻不落の2次を攻略できたのが嬉しくて嬉しくてたまりませんでした.整数は最後の答えだけ誤っており0.5点引かれてしまいましたが,自信のあった線形代数と特有問題は1.0点満点,解析もアプローチが評価されたのか0.2点もらえており,合格基準の2.5点を突破することができました.

第10戦

前回の2次合格証の右上に書かれてある合格証番号を申込フォームに入力することで,7,500円の1次検定のみの受験に申し込みました.過去の受験回の1次検定問題をひととおり解法まで確認し,幅広い問題へ対応できるようにしました.これまで合格ラインに掠りもしなかった凄まじい難敵の2次検定がないだけで,ものすごく心は軽くなった気がしました.
1次検定本番,全体を見通したところ,問題7(微分方程式)は解法が思いつかず,問題3(ベクトル)は計算も少なそうで平易,問題6(行列式)もセオリー通り計算すれば解けそう,問題4(偏微分)と問題5(分散と共分散)は一本道だが計算は大変,となれば難しめの問題1(剰余類)か問題2(級数の収束条件)のどちらを解くかで運命が変わりそうだと判断しました.
まずは早々に問題3と問題6を仕上げ,その後時間をかけて丁寧に問題4と問題5を解き切りました.この時点で25分ほど残っており,問題1に取り組んでみるも値が大きすぎて苦戦必至だと考え,問題2に移りました.級数が収束する端点は求まったものの,不等号のイコールをつけるかつけないかが落とし穴になりうるため,交代級数と調和級数の性質を思い出し結論づけました.
これで5点分に達したわけですが,決して油断はできません.これまで5回ほどケアレスミスのせいで合格を逃してきたため,問題3〜6の計算が本当に正しいか何度も何度もいろんな解法で解き直して確認しました.満点なんて求めておらず,ただ5点が欲しいのです.きっとこれで大丈夫だろうという未練のない状態で答案は回収されました.
初めて「合格」の文字を目の当たりにしたのは3週間後のオンライン合否確認サービスでした.そして5月中旬,正式に5.0点を獲得していたことが明らかになりました.
1次検定:得点5.0/7.0点,平均2.7点,合格率約19%
2次検定:得点スミ/4.0点,平均1.3点,合格率約20%
正答率は問題1から順に
28.3%,26.3%,51.2%,59.0%,34.8%,48.1%,23.2%
であり,正答率30%以上の4問を死守した上で正答率20%台の3問のいずれかに食らいつけるか否かが勝負の分かれ目でした.

今後の投稿予定

明日からは2次検定の対策フェーズに入るのですが,修士論文がこれまで以上に多忙を極めるため,開催期間内のコンテンツを十分に確保できる保証がありません.不足と感じる点は投稿後も随時アップデートしていきますので,何卒よろしくお願いします!

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