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こんにちは!

今回は1次検定の問題7に出やすい「2重積分」および変数変換に関する対策を行います.

1変数関数の積分との違い

高校数学ⅡやⅢで学んだ(普通の)積分では,

\int_{a}^{b}f(x)dx

のように,変数xのみで構成された関数f(x)をx=aからx=bまでの区間で積分していました.

これに対し,2重積分は

\int\int_{D}f(x,y)dxdy

で表され,変数x,yで構成された関数f(x,y)を領域Dで積分することになります.
この領域Dの部分には,単純に定数の区間が入り

\int_{-1}^{1}\int_{2}^{3}f(x,y)dxdy

のようになることもあれば,片方に変数が入り

\int_{0}^{1}\int_{y^2}^{y}f(x,y)dxdy

のようになることもあります.
計算方法は,領域をx軸とy軸に分割して

\int_{0}^{1} \Biggl( \int_{y^2}^{y}f(x,y)dx \Biggr) dy

の括弧内をまずxについて積分し(このときyは定数とみなす),次いでyについて積分することで,結果を定数として得られます.このやり方を累次積分と言います.
次章で様々な領域に対する計算パターンを見ていきましょう.

積分領域Dの形式と計算方法

以下ではf(x,y)を具体的な関数に置き換えて説明します.

1.領域Dが軸に平行な長方形であるとき

\int\int_{D}(x^2 - 2xy + 3y^2 - 1)dxdy,  D = \lbrace{(x,y)|0≦x≦1, 1≦y≦2 \rbrace}

最も単純なパターンです.区間の端がいずれも定数なので,x,yのどちらから計算しても結果は変わりません.
ここではyを先に積分すると

\int_{0}^{1} \Biggl(\int_{1}^{2}(x^2 - 2xy + 3y^2 - 1)dy \Biggr)dx
= \int_{0}^{1} \biggl[ x^2y - xy^2 + y^3 - y \biggr]_{1}^{2} dx
= \int_{0}^{1} (x^2 - 3x + 6) dx
= \biggl[ \frac{1}{3}x^3 - \frac{3}{2}x^2 + 6x \biggr]_{0}^{1} = \frac{29}{6}

となります.xについて先に計算しても同様の答えになります.

なお,この結果の図形的意味としては,

z = x^2 - 2xy + 3y^2 - 1

で表された曲面(楕円放物面)について,平面D内における
(xy平面に関してz軸の正方向側にある体積) - (xy平面に関してz軸の負方向側にある体積)
を求めたものです.もし結果がマイナスであれば,負方向側の体積が大きいということです.
以下の図はdesmos(https://www.desmos.com/3d?lang=ja) で作成しています.
image.png

2.x,yいずれかの積分区間に変数が含まれるとき

2重積分では以下のように,積分領域が座標平面上の図形で示されることもあります.

問.積分領域Dは3点 (x,y) = (2,0), (2,2), (0,2) で囲まれた三角形の辺上または内部であるとする.このとき,以下の2重積分を計算せよ.

\int\int_{D}(x + y)dxdy

まずは積分領域Dをxとyの変域で表すことを試みましょう.
斜めに位置している2点 (0,2), (2,0) を通る直線は y = 2 - x であり,
三角形領域は 0≦x≦2 かつ直線 y = 2 - x と直線 y = 2 の間となるので,

D = \lbrace{\,(x,y)\,|\,0≦x≦2,\; 2-x≦y≦2\, \rbrace}

のように記述できます(2-y≦x≦2, 0≦y≦2でも可).
よって2重積分は以下のようになります.

\int_{2-x}^{2}\int_{0}^{2}(x + y)dxdy

ここで重要なのはyの範囲に変数xが含まれていることです.もし先に変数x側の積分を行った場合,後でy側の積分を行った末xが残ってしまいます.ですから先に範囲に文字が含まれている側を積分しましょう.

\int_{0}^{2}\int_{2-x}^{2}(x + y)dydx
= \int_{0}^{2} \biggl[ xy + \frac{1}{2}y^2  \biggr]_{2-x}^{2} dx
= \int_{0}^{2} \Biggl( \frac{1}{2}x^2 + x \Biggr) dx
= \biggl[ \frac{1}{6}x^3 + \frac{1}{2}x^2 \biggr]_{0}^{2} = \frac{10}{3}

3.積分順序の交換

次の二重積分があったとします.

\int_{0}^{2} \int_{x}^{2} y \sqrt{y^3+1} dy dx

yの変域に文字が含まれているため,そのままyで積分しようと試みるも,被積分関数が複雑で積分できそうにありません.
こんな時はまず,積分範囲に該当するグラフを描いてみましょう.本問であれば以下のようになります.
desmos(https://www.desmos.com/calculator/kx5lufxcx7?lang=ja) で作成しています.

\left\{0\le x\le2\right\}x\le y\le2

image.png
この範囲を以下のように変換しても同一の領域となります.

\left\{0\le y\le2\right\}0\le x\le y

image.png
これでyの範囲ではなく,xの範囲に文字が含まれるようになったので,二重積分は以下のように計算することができます.

\int_{x}^{2} \int_{0}^{2} y \sqrt{y^3+1} dx dy 
= \int_{0}^{2} \int_{0}^{y} y \sqrt{y^3+1} dx dy 
\int_{0}^{2} \biggl[ y \sqrt{y^3+1} x \biggr]_{0}^{y} dy 
= \int_{0}^{2} y^2 \sqrt{y^3+1} dy 
(ここで y^3=t とおくと,3y^2dy = dt,y:0→2のときt:0→8だから)
= \int_{0}^{8} \frac{1}{3} \sqrt{t+1} dy 
= \frac{1}{3} \biggl[ \frac{2}{3} (t+1)^{3/2} \biggr]_{0}^{8}
= \frac{2}{9} (27-1) = \frac{52}{9}

ヤコビアンの利用,円座標と球座標

また後ほど加筆予定です..すみません..

練習問題

1.xy平面上の領域Dに対して,次の2重積分を求めなさい.

\int\int_{D}(12x^2y + 7xy^2)dxdy,  D = \lbrace{(x,y)|y^2≦x≦y \rbrace}

2.次の累次積分を計算しなさい.ただし,eは自然対数の底を表します.

\int_{0}^{3}dy \int_{0}^{\sqrt{\frac{y}{3}}} \log_{e}(x^2-3x+3)dx

https://amateurmath.web.fc2.com/files/260-1-1.pdf より引用.正答率は6.0%でした.

練習問題解答

1.1/2
2.3logₑ3 - 2

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