はじめに
昔に作った今でもそれなりに重宝しているステオミキサー
これでswitchでゲームしながらPCのディスコードで通話したりと中々重宝してたがデカいのとノイズがそれなりに大きいので作り直した。
結果から言うと、回路のミスがあったので来月に再度挑戦しようと思う。
設計した基板はJLCPCBで注文、5枚200円と非常に安くで作れるのでミスってもすぐ再設計出来るので大変ありがたい。
今回はそのミスった部分の備忘録として記録する。
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今回作ったもの
オーソドックスな2CH入力。
ステレオの右、左の音をオペアンプの加算回路で合成し、後段のバッファを通して出力する。
電源は単電源+5Vにしたかったので、フルスケールで出力出来るようにオペアンプの非反転入力端子(Vref)はシャントレギュレータNJM431Uで2.5Vを生成した。
後述するが、この基準を+2.5Vにした事が大きなミスだった。
大した回路じゃないので適当にKiCad6にて2層で基板を作った。
動かしてみた&問題点
実際に音楽入力する前にDDSにて20kHz , sin波 , ±600mVを入力して確かめてみた。
明らかに波形の上側がクリップしていておかしい…
原因を調べるためにLTSpiceにてシミュレーションを行った。
同じ結果となった為、抵抗の乗数を間違えたなどの可能性はなさそう。
C1でDCカット前のオペアンプ出力を見てみるとどうやら波形の中心が4.7V付近にあることが波形クリップの原因のようだ。
2.5Vを波形の中点にする為に非反転入力に+2.5Vを入力しているのに何で何でこうなるんだ…と思い、計算をしてみた。
結果、この回路でゲイン1倍でフルスケール出力させるには非反転入力端子に2.5Vを入力するのではなく、
更にその半分の1.25Vを入力しなければならない事が分かった。
実際にシミュレーション上でも非反転入力端子に1.25Vを入力するとちゃんと2.5Vを中心に振幅する事が確認できた。
今まで使っていたミキサも非反転入力は2.5Vだったが、電源電圧が9Vだった為5Vを中心に波形が振幅しても問題が無かった。
今回はUSBなどからも電源が取れるように電源電圧を5Vに変更した事でクリップしてしまったようだ。
しかし、これは無負荷での波形であり、イヤホンを接続すると全然波形が安定しない。
これについてはオペアンプの選定ミスが原因だった。
使っているイヤホンのインピーダンスが18Ωなので、それを込みでシミュレーションを行うと±600mVで出力した際の出力電流は±5mA程が必要となる。
今回使用しているオペアンプTL972のデータシートを見てみると、
source currentは1.4mA
sink currentは80mA
と記載されており、source側の電流が必要なのが5mA以上なのに対して1.4mAしか流せないオペアンプだった。
イヤホン、ヘッドホンなどの重い負荷を選ぶ際はもっと電流を流せるオペアンプを使用する。
もしくは後段に電流出力段を追加するなどの対策が必要だと分かった。
最後に
今回は色々と失敗した点があったが、学びも多かったので次に生かしたい。
使用したプリント基板メーカーのJLCPCBだと2層板がたったの200円で作れるのでトライ&エラーが簡単に出来てかなりオススメ出来る。
最終的にはUSB1入力+DAC , アナログ2入力、アンプを作って金属箱に入れる事が目標なので、次はDAC基板を作ってみようと思う。
JLCPCBへの注文の仕方や、KiCad6での製造データ作成方法は他の記事に書いているので参考に!
JLCPCBで基板を作ろう[KiCad6編]
JLCPCBで4層基板を作った
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