1月13日の大学入学共通テスト【国語】第4問に、杜牧の『華清宮』が出題された。
長安回望繡成堆
山頂千門次第開
一騎紅塵妃子笑
無人知是茘枝来
常用漢字で書かれているのは、まあ、共通テストだから仕方ないのだが、でもライチが「茘枝」と書かれているのが、どうにも私(安岡孝一)には気になった。ここは「荔枝」の方が適切だと思うのだ。元ネタが
(【詩】と【資料】Ⅰ~Ⅲは蔡正孫『詩林広記』による)
らしいので、とりあえずHarvard大学の『精選古今名賢叢話詩林廣記』(弘治10年刊)も見てみたが、もちろん「長安回望綉成堆山頂千門次第開一𮪍紅塵妃子笑無人知道荔枝來」となっている。うーん、そもそも「知是」と「知道」の異同もあるし、『詩林広記』や『樊川文集』のどれかの版に「茘枝」があるのかなあ。