『MZ-80Kの文字コードはなぜ変態的だったのか』にも書いたのだが、絵文字を文字コードとして扱うという変態的な技に挑戦したのは、日本国内ではSHARP MZ-80K (1978年12月発売)に端を発する。♥や☺は言うに及ばず、蛇やUFOも搭載されている。一方、携帯電話については、1979年のサービス開始時点では、文字コードを送る機能すらなかった。
絵文字が搭載された最初の携帯電話は、私(安岡孝一)の知る限り、J-PHONE DP-211SW (1997年11月発売)である。♥のみならず🐋や💩が搭載されていて、なかなかに目を引く。なお、この絵文字は、J-PHONE J-SH02 (1999年12月発売)でカラー化(文字中で複数の色を使用)されており、世界初の携帯電話カラー絵文字でもある。
しかしながら『ケータイの絵文字と文字コード』にも書いた通り、これらの絵文字は会社ごとにバラバラの文字コードを使う状態が長く続き、統一の端緒がついたのは2014年4月である。ただしNTTドコモは、その後も独自の絵文字を使い続け、2025年5月にやっと終了宣言を出した。やっとこさ何とかなった、というのが、正直な私の気持ちである。