背景
マナビDX QUEST※2022の企業協働の企業組成側のお手伝いをさせていただいた際に
協働候補企業の方より整備場や工場など軍手をはめている、また油で汚れた手でPCを操作するには
軍手を外して、手を拭いてといった手間が多く、なかなかデジタルデータの入力をその場でというのが難しく、データ収集のボトルネックの一つになっているとのお話を伺う機会があった。
これらは今後の中小企業や地方のサポートに対して頻出する問題であると考え
想定可能な入力手法についてまとめたものである。
※マナビDX Quest:経済産業省が実施する、デジタル推進人材育成プログラムのこと。
(https://dxq.manabi-dx.ipa.go.jp/)
注意:本内容は2022年9月にまとめたものであり、その後新たな方法やアプリが導入されている可能性があるので留意のこと
想定手法
①音声入力
WiFi/Bluetoothの届く範囲にPCなどを設置しヘッドセットなどで音声入力
②ペン入力
タブレットを壁置き、据え置きにし、ペンで入力
③ボタン入力
・体の不自由な人向けなどで使われる大型押しボタンやフットスイッチにキー機能を割り当て、
最低限の入力を可能にする。
・また、余計なボタンを除いたキーボードなどを使って軍手などをつけた状態で使いやすくする
①音声入力
いろいろな方式、既存の販売アプリなどもあるが無料のChrome拡張機能の追加でWebアプリなどChromeを介したアプリ入力に限られるが、Googleの音声入力エンジンを使えることから安定性、実績など、プログラミングに関して詳しくないユーザーであっても使いやすいものではないかと想定される。
https://carenote.jp/voicein-onseinyuryoku/
クリックしないと、認識を始めない仕様でまた常時認識させると思わぬ音声を拾うなどありえる。
以下のサイトの動画でのサンプルがわかりやすいがどうしてもキーボードや、マウスの操作が必要になる部分があったり、ラジオボタンやボタンクリックなどがあり、キーボード入力に時間がかかるなどの部分の補助には最適かもしれないが負担軽減には別の市販の音声入力ツールか、他の方法との組み合わせが考えられる。
https://teachme.jp/1203/manuals/13070581
すでに販売されている音声入力アプリについて
スマートグラスでの作業指示ソフトなどに音声で入力したデータを取得する機能があったり
https://www.teamviewer.com/ja/frontline/xmake/
現場帳簿の電子化ツールなどでも音声入力機能があったりする
https://i-reporter.jp/solution/%e6%a4%9c%e6%9f%bb%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e5%80%a4%e3%81%ae%e9%9f%b3%e5%a3%b0%e5%85%a5%e5%8a%9b/
ただもちろんこれらのアプリは高価であったり、おそらくスマートグラスなど他のツールが必要であったりとここで想定される入力方式の改善にはマッチしないものと考えられる。
②ペン入力
以下の例ではコロナ禍で使う人の増えたフックにボタンを押す部分に保護のラバーのついたものだが、画面が汚れたり、手袋をつけた状態では反応しないタブレットなどのタッチパネルを、ある程度消耗品と割り切ったペンや右例のようなツールを用いて、壁掛けなどしたタブレットに結果を入力する方法が考えられる。
https://www.ikea.com/it/it/p/vetskap-gancio-multifunzione-grigio-30511373/
https://item.rakuten.co.jp/fiara1/10000882/
ただしタッチで完結させないといけないため単純な操作に限られ、文章入力などは前述の音声入力などと組み合わせることが考えられる。
③ボタン入力
USBでPCなどと接続できる押しボタンやフットペタルなどが市販されたり、多少の手間が必要だがキットなど販売されている。
特定キー入力をボタンのオンに置き換えられるので、単純なチェックのオンオフなどは単独もしくは複数のボタン、ペダルなどで置き換えられると考えられる。
https://note.com/itojun/n/n3f6f5df1722a
https://qiita.com/A_T_B/items/769ed3f9b178fcf29311
ただし、文章入力など複雑な操作は本方式ではボタン数が増え、設置場所などの問題がでたり、そもそも現実的でない可能性が大きい。
まとめ
いずれの方式もこれが決定打というものではなく
ー 方式自体を組み合わせたり、
ー アプリ自体の設定や運用の割り切り
ー タブレット導入や設置方法の工夫
など、種々の制限条件や各社各事業所の制限条件や状況などを見ながら、
現場を巻き込んで考えていく必要があると考えます。
本考察は現場を巻き込んでの建設的な検討の一助になれば幸いです。