はじめに
エンジニアとして何度も面接を受ける中で、ふとこんなことを思いました。
「今の“面接”って、本質的に効率のいい選抜手段なんだろうか?」
アルゴリズムテスト、カルチャーフィット、技術面談、最終面接…。これまで当然のように行われてきたこれらのプロセスですが、冷静に見ると再現性も納得感も欠けた“古びたUX”ではないでしょうか。
この記事では、現行の面接プロセスをいったん“コードのように分解”してから、 目的ベースで最適化・再構築するリファクタリング案 を提案します。
📦 現在の一般的な面接プロセスを要素分解してみる
まずは、現状の「典型的なエンジニア採用フロー」を以下のように分解してみます。
ステップ | 目的 | 手法 | ボトルネック |
---|---|---|---|
書類選考 | スキルのスクリーニング | レジュメ・GitHubなど | 実力が見えにくい/表現力に依存 |
一次面接 | 人柄・動機の確認 | オンライン通話 | 短時間/主観的な判断 |
技術面接 | 実務スキルの確認 | コーディングテスト・設計課題など | 再現性がない/業務と乖離 |
最終面接 | 組織視点での総合評価 | CEO・役員面談 | 志望動機に演技が出やすい |
オファー | 条件交渉 | 人事面談 | 判断基準が不明瞭になりがち |
こうして分解してみると、各ステップが“短時間・主観的・単発的”な評価に寄っていることが分かります。しかも「一緒に働く相手として本当にフィットするのか?」という一番重要な問いには、どのプロセスも十分に応えていないのではないでしょうか。
🔧 面接プロセスをリファクタリングするなら?
この構造を、エンジニアリング的思考で再設計してみましょう。
考え方は「ソフトウェア設計と同じ」です。
🎯 リファクタリングの原則
- 目的に対して正しい責務分離がされているか?
- 評価の入力(Input)と出力(Output)が明確か?
- ステップ間に文脈的なつながりがあるか?
- 再現性と納得感が高いか?
✨ 新プロセス案「共創型トライアル(CoTrial)」採用
ここで僕が考えたのが、面接を“共創のプロセス”に変えるというアプローチです。
🧱 CoTrial採用の構成(ステップごと)
ステップ | 内容 |
---|---|
PreSelect() |
書類+GitHub+ポートフォリオからAIスクリーニング(評価の事前仮説) |
AsyncFitCheck() |
非同期チャットで価値観や考え方をすり合わせ |
SkillSimulation() |
実際の小課題 or リアルなIssueに取り組む(ペア設計・PR・レビュー含む) |
InteractionObservation() |
Slack・GitHub上での“共創ログ”からチーム適性を観察 |
MutualFeedbackSync() |
双方向のフィードバックと感想の共有(納得感の構築) |
OfferSync() |
条件提示と今後のビジョンの共有、選択の最終確認 |
📈 Before / After で比較してみる
項目 | 従来の面接 | CoTrial方式 |
---|---|---|
技術力評価 | 試験中心・一発勝負 | 実務ベース・プロセス重視 |
人柄評価 | 面接での印象 | 実際のやりとり・レビューから観察 |
コミュ力評価 | 話し方やトーン | 非同期+チーム内議論での対応 |
熱意の確認 | 志望動機の言語化 | 課題への取り組み方・提案力で判断 |
候補者体験 | 評価される一方的体験 | 相互フィードバックの共創体験 |
🤔 本当に必要なのは「面接」じゃなくて「共創の検証」なのかもしれない
現代のエンジニア採用では、
単にスキルを測ることよりも、
「この人と実際に一緒に仕事ができそうか?」
「プロダクトに責任を持てるチームを組めるか?」
という問いが本質的です。
だからこそ、採用もまた、コードと同じように設計し直せるはずです。
実装コストは多少かかっても、「入社後のミスマッチ」という最大のバグを減らせるなら、その価値は十分にあると思っています。
🔚 おわりに
この構想はあくまで一案ですが、
「面接を当たり前と思わず、再設計してみる」という発想自体に価値があると感じています。
みなさんのチームでも「これって本当に最適な形か?」と問い直す機会があれば、ぜひ一度“面接リファクタリング”してみてください。
📣 ご意見・フィードバック・実践例などあれば、ぜひコメントで教えてください!