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Kotlin: なぜ while, for では break が使えて forEacn, repeat では使えないのか

Last updated at Posted at 2018-12-30

Kotlin の while, for では break, continue が使えますが、forEach, repeat では使えません。
forEach, repeat は いずれも for で書き換えられるので、書き換えてしまえば break, continue が使えます。

  • something.forEach => for (it in something)
  • repeat (time) => for (it in 0..time - 1)

なぜこうなっているのか気になりますね。
(コルーチンの内部だと書き換えられない場合もあります。)

なぜなのか

(現実をいってしまえば Kotlin がそう作られているからなのですが、)
while, forforEach, repeat には大きな違いがあります。

  • while, for は Kotlin の構文
  • forEach, repeat は Kotlin の関数

似た記法になっているのでわかりにくくなっていますが、 while, for は構文として、 break, continue が使えるように設計されています。
一方で、 forEach, repeat は Kotlin の標準ライブラリで定められた高階関数です。

repeat (3) {
    // this is function
}

つまり { ... } は関数です。
関数の中で急に breakcontinue が出てくるのは変ですbreak, continue は使えません。

イテレーションをコントロールする他の方法はないのか

forEach, repeat などの高階関数で、 ブロック部分を抜けるには、 return を使います。
関数ですから return で終了するのは自然に思えますね。

しかし、 return をそのまま使うと、 呼び出し元の関数を終了してしまいます。

fun something() {
    listOf(1, 2, 3).forEach {
        println(it)
        return // something を終了する
    }
    println("finish")
}

そこで、ラベルを使います。

continue のような処理

ラムダを使う

return@ラムダのラベル でラムダの continue を行うことができます。

fun something() {
    listOf(1, 2, 3).forEach {
        println(it)
        return@forEach  // ブロック内の処理はここまで
        println(it)
    }
    println("finished")
}

このラベルは自分でつけることもできて ラベル名@{ ... } のように記述します。

もし forEach が二重だったら

二重で forEach がある場合は、ラベルを自分でつけます。
次のコードは外側のループに対して continue を行なっています。

Kotlin-lambda
fun something() {
    listOf(1, 2, 3).forEach outer@{ a ->
        listOf(4, 5, 6).forEach { b ->
            print(a)
            return@outer
            println(b)
        }
    }
    println("finished")
}

無名関数を使う

ラムダを無名関数に変えれば、 単純に return で同じことができます。

Kotlin-anonymousfunction
fun something() {
    listOf(1, 2, 3).forEach(fun(value: Int) {
        println(value)
        return          // ブロック内の処理はここまで
        println(it)
    })
}

jQuery でも似たようなコードを見たことがあります。

JavaScript
$("xxx").each(function  () {
  /* Code */
  if (x) return;
  /* Code */
});

break のような処理

ラムダを使う

外側をスコープ関数の run で囲んで、 そのラムダを抜けるように return@run と記述します。

Kotlin-lambda
fun something() {
    run {
        listOf(1, 2, 3).forEach {
            println(it)
            return@run  // ループはここでおわり
            println(it)
        }
    }
    println("finished")
}

見てわかるように、 高階関数は break を前提に作られていません。

無名関数を使う

ラムダと同じように run などのスコープ関数を使って return@run とします。

Kotlin-anonymousfunction
fun something() {
    run {
        listOf(1, 2, 3).forEach(fun() {
            println(it)
            return@run  // ループはここでおわり
            println(it)
        })
    }
    println("finished")
}

まとめ

上に記述したのをまとめると次のようになります。

break continue
ラムダ label label
無名関数 flag and return, label return
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