はじめに
少し前に記事にしましたが、生成AIパスポートの勉強を始めることにしました。
ひとまず関連テキストを1時間ほど流し読みしてみた感想としては、こんな感じです。
- 知識的な内容も一部あるが、全体的にそこまで難しくない
- 練習問題を行った所感は、「読めばわかる」常識的な問題も多い
- ネットのセキュリティリスクや不正競争防止法など、ITパスポートや基本情報などを勉強していればできそうな基礎知識と被っている部分がある
難しくてどうにかなりそう!と思うような計算問題などもなく、純粋に勉強すればどうにかなりそうな印象です。
この記事では、混乱しやすい用語・概念を整理して、覚えやすい形でまとめます。
自分の備忘録にしたいと思います。
試験概要(おさらい)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験形式 | IBT方式(自宅受験) |
| 問題数 | 60問 |
| 試験時間 | 60分 |
| 出題形式 | 四肢択一(一部複数選択あり) |
| 合格率 | 約79%(2026年2月試験) |
| 受験料 | 11,000円(学生は5,500円) |
| シラバス | 2026年2月試験以降は第4版対応 |
合格率が約8割と高めなので、しっかり用語を押さえれば大丈夫です。
① AIのレベル1〜4:「どのレベルだっけ?」をなくす
AIには、レベルがあるらしいよ。いろいろ進化してきてるわけですもんね。
前回IoTの記事を書いたんですけど、エアコンとかはLv1なんだ。
十分すごいのに、それでも一番下位なんか……。
覚え方:「人間の関与がどんどん減っていく」
| レベル | 名称 | 人間の役割 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| Lv.1 | シンプルな制御プログラム | ルールをすべて人間が書く | エアコン・洗濯機の自動制御 |
| Lv.2 | ルールベースAI | 人間が条件と答えを定義する | チェスAI・FAQ自動応答 |
| Lv.3 | 機械学習AI | データを与えて学習させる | スパムフィルター・需要予測 |
| Lv.4 | ディープラーニングAI | 特徴量の抽出まで自動化 | 画像認識・ChatGPT・Claude |
ポイント:Lv.3とLv.4の違い
一番迷いやすいのがこの2つです。
- Lv.3(機械学習):データを学習するが、「何に注目するか(特徴量)」は人間が設計する
- Lv.4(ディープラーニング):特徴量の設計すら自動でやってしまう
たとえば猫の画像認識で言うと、Lv.3は「耳の形・ひげ・毛並みに注目しろ」と人間が教える。Lv.4は「とにかくデータをくれ、どこに注目すればいいか自分で学ぶ」という感じ。
Lv.1 シンプル ← ルールが固定、変化なし
Lv.2 ルールベース ← 人間がIF-THENを書く
Lv.3 機械学習 ← データから学ぶ(特徴量は人間設計)
Lv.4 ディープ ← 特徴量も含めて全部自動
② 次元削減は教師なし学習:なぜ?
次元削減、という聞いたことのない単語が出てきてしまいまして。
次元削減は教師なし学習なのだそうですが、どれが教師ありで教師なしなのか、もうごちゃごちゃです。
ひとまず今回はこの次元削減について少し整理し、教師ありなしのイメージをつかんでおきます。
まず「次元削減」とは?
大量の特徴量(変数)を持つデータを、情報の損失を最小限に抑えながら少ない次元に圧縮すること。
たとえば100項目のアンケートデータを、実質的に意味のある3〜5軸にまとめるイメージです。
なぜ「教師なし」なの?
- 教師あり学習:正解ラベル(答え)が必要
- 教師なし学習:正解ラベルなし、データの構造やパターンを自力で見つける
次元削減は「このデータ、どう圧縮したら一番情報が残るか?」をデータ自身から見つける処理なので、答え(ラベル)が不要 → 教師なし学習です。
覚え方
「正解を教えてもらわなくても できる処理 = 教師なし」
次元削減・クラスタリング・異常検知 → 教師なし
分類・回帰 → 教師あり
③ よく出るAI用語の3文字解説
「略語が多すぎて区別つかん」問題、一気に解決します。
| 略語 | 読み方 | 正式名称 | 一言説明 |
|---|---|---|---|
| CNN | シーエヌエヌ | Convolutional Neural Network | 畳み込みニューラルネットワーク。画像認識が得意。フィルターで特徴を抽出する |
| RNN | アールエヌエヌ | Recurrent Neural Network | 再帰型ニューラルネットワーク。時系列・文章が得意。前の情報を記憶しながら処理 |
| VAE | ブイエーイー | Variational Autoencoder | 変分オートエンコーダ。データの圧縮と生成ができる。画像生成の基礎技術 |
| GAN | ガン | Generative Adversarial Network | 敵対的生成ネットワーク。偽物画像を生成する技術。生成役と識別役が競い合う |
| NLP | エヌエルピー | Natural Language Processing | 自然言語処理。人間の言葉をコンピュータが理解・生成する技術の総称 |
| RAG | ラグ | Retrieval-Augmented Generation | 検索拡張生成。外部の最新データを検索してからAIが回答を生成する手法 |
| MCP | エムシーピー | Model Context Protocol | AIが外部ツール・サービスと連携するための標準プロトコル。Claude等で使われる |
覚え方のコツ
画像か文章かで覚える
- 画像系:CNN(畳み込み)、GAN(生成)、VAE(圧縮・生成)
- 文章系:RNN(時系列)、NLP(言語処理全般)
最近の生成AI文脈で出るもの
- RAG:「古い知識しか持たないAIに最新情報を渡す仕組み」と覚える
- MCP:「AIが外のツールを使うための共通言語」と覚える
④ シンギュラリティ(2045年問題)
真っ先に「DBD(Dead by Daylight)じゃん」と思ったのはさておき(わかる人はいるのか?)
シンギュラリティとは?
AIが人間の知能を超え、AIが自律的にさらに賢いAIを作れるようになる転換点のことです。
- 提唱者:レイ・カーツワイル(Googleのエンジニアリング・ディレクター)
- 予測時期:2045年
- なぜ2045年か:コンピュータの処理能力の指数関数的成長(ムーアの法則)を根拠にした試算
試験では「シンギュラリティ=2045年」「提唱者:カーツワイル」を押さえておけばOKです。
⑤ 〇〇ッシング系攻撃:まとめて覚える
「似たようなのが多すぎて区別つかん」問題の筆頭。語源から覚えると一発で区別できます。
語源から覚える
| 名称 | 読み方 | 語源 | 攻撃手段 | 一言メモ |
|---|---|---|---|---|
| フィッシング | Phishing | Fishing(釣り)のF→Ph | メール | 騙しメールで個人情報を「釣る」。基本形 |
| スミッシング | Smishing | SMS + Phishing | SMS(ショートメッセージ) | スマホのSMSで騙す |
| ヴィッシング | Vishing | Voice + Phishing | 電話・音声 | 電話で騙す(オレオレ詐欺の進化版) |
| スピアフィッシング | Spearphishing | 槍(Spear)で狙い撃ち | メール(特定ターゲット向け) | 特定の個人・組織を調べて精密に攻撃 |
フィッシング(基本)
├ スミッシング ← SMSで
├ ヴィッシング ← 電話で
└ スピアフィッシング ← 特定の人を狙い撃ち
ベイト攻撃とプレテキストも押さえる
本の中で聞いたことのない攻撃がこの2つだったので、ここで消化。
| 名称 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| ベイト攻撃 | 「餌(bait)」で釣る。物理的なものを使う | USBメモリを駐車場に落として拾わせる |
| プレテキスト | 架空のシナリオ(pretext=口実)を使って信頼させる | 「IT部門です、パスワード確認が必要です」と騙る |
⑥ 〇〇ウェア系:語源で整理
| 名称 | 読み方 | 語源 | やること |
|---|---|---|---|
| ランサムウェア | Ransomware | Ransom(身代金)+ware | ファイルを暗号化して身代金を要求 |
| スケアウェア | Scareware | Scare(恐怖)+ware | 「ウイルスに感染した!」と偽警告を出して不安にさせ、偽ソフトを買わせる |
| スパイウェア | Spyware | Spy(スパイ)+ware | こっそり個人情報・行動を収集して送信 |
ランサムウェア = データ人質にして金を要求
スケアウェア = 嘘の警告で脅して金を要求(実際には何もしていない)
スパイウェア = 黙ってこっそり情報を盗む
⑦ AI新法とAI事業者ガイドラインの違い
「どっちも似たようなものじゃないの?」と思いがちですが、法的な位置づけが全く違います。
| 比較項目 | AI新法(AI推進法) | AI事業者ガイドライン |
|---|---|---|
| 正式名称 | 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律 | AI事業者ガイドライン(総務省・経産省) |
| 施行 | 2025年6月公布・9月全面施行 | 2024年4月公表(2026年6月時点で第1.2版) |
| 性質 | 法律(ハードロー) | ガイドライン(ソフトロー) |
| 拘束力 | あり | なし(自主的な取り組みを促すもの) |
| 罰則 | なし | なし |
| 目的 | AI活用の推進が主目的 | AI開発・提供・利用の指針を示す |
努力義務と協力義務の違い
AI新法で企業に課されている状態として、罰則なしだが協力義務は明記されているかたちです。
| 義務の種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 努力義務 | 「〜するよう努めなければならない」。やらなくても罰則はないが、やる姿勢が求められる | AI活用に取り組む努力義務 |
| 協力義務 | 国や自治体の施策に協力する義務 | 政府のAI調査・実態把握に協力する |
AI新法 = 「AIをどんどん使いましょう」という推進法。規制法ではない
AI事業者ガイドライン = 「こういう使い方をしましょう」という指針集
まとめ:試験対策のポイント
| テーマ | 押さえるポイント |
|---|---|
| AIのレベル | Lv.3とLv.4の違い(特徴量の設計が自動かどうか) |
| 教師なし学習 | 次元削減・クラスタリング → 正解ラベル不要 |
| 3文字略語 | 画像系(CNN/GAN/VAE) / 文章系(RNN/NLP) / 新技術(RAG/MCP) |
| 〇〇ッシング | 語源(SMS・Voice・Spear)で区別 |
| 〇〇ウェア | ランサム=身代金、スケア=脅し、スパイ=盗聴 |
| AI法律 | AI新法は推進法、ガイドラインはソフトロー |
| シンギュラリティ | 2045年・カーツワイル |
すごいすっきりした~!!!うれしい!
ざっくりなので見直して修正する点もあるかとは思いますが。
合格率約8割の試験なので、基礎をしっかり押さえれば十分届きそうです。
8月に受けるまで、あいまいな部分は今のうちに補完しておきたいところです。
参考:生成AI活用普及協会(GUGA)公式サイト、各種公式資料