概要
micro:bit v2で動くソフトをC++を使って開発できる環境をWindows上に構築した手順を、備忘録兼ねて書きます。
※手元にあるのがmicro:bit v2.2なのでそちらで試していますが、micro:bit v2でも同様に動作すると思います(たぶん・・・)
bluetooth通信ができるまでを書きたかったのですが、環境構築の段階で案外書くことが多かったので記事を分けることにしました。
このC++開発環境でbluetooth通信できるようになるまでは以下の記事に書いたので、よかったらそちらもご覧ください。
C++でmicro:bit (v2.2) にbluetooth UART通信をペアリングなしでする
できたこと
- lancaster-university提供のライブラリを使い、micro:bit v2上で動くソフトをC++で開発できる環境を、Windows上に構築する
環境
以下の環境を使用しました。
・Windows 11
・micro:bit v2.2
開発環境構築
以下のリポジトリが提供するツール・ライブラリ・サンプルを利用することで、windows上にmicro:bit v2のC++ソフトを作成できるようになります。
https://github.com/lancaster-university/microbit-v2-samples
手順は以下の通りです。
-
README.md
記載の必要なツール群をダウンロードし、インストーラでインストールします**(※補足1)** -
README.md
に記載ありませんが、ビルドツールとしてNinja
が必要なのでインストールします。(以下では適当なディレクトリに配置+環境変数PATHの編集で呼び出せるようにしています)- NinjaのリポジトリのReleaseからWindows向けの実行ファイルが入ったzipファイル(
ninja-win.zip
)をダウンロードします
https://github.com/ninja-build/ninja/releases - zipを解凍して出てきた実行ファイル(
ninja.exe
)を、適当なディレクトリに配置します。 -
ninja.exe
を配置したディレクトリを環境変数PATHに追加します
(参考:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1805/11/news035.html) - コマンドプロンプトを起動し、
ninja
コマンドが通ることを確認します
- NinjaのリポジトリのReleaseからWindows向けの実行ファイルが入ったzipファイル(
>ninja --version
1.5.3
- リポジトリを
clone
します
https://github.com/lancaster-university/microbit-v2-samples - クローンしたリポジトリのルートで、
python build.py
を実行します - ビルドが完了するとバイナリファイル(
MICROBIT.hex
)が生成されるので、USB接続したmicro:bitにドラッグアンドドロップなどでコピーし、プログラムを書き込みます - 書き込みが完了すると、micro:bitが自動で再起動します。「HELLO WORLD!」の表示がLEDに表示されれば成功です
※補足1
開発環境についてはdockerイメージも提供されています(試してないのでここには特に何も書かないです)
※補足2
CODALのリポジトリにも記載があるとおり、Pythonを使わずビルドすることが可能です。(この場合、Pythonのインストール自体不要です)
- リポジトリを
clone
します
https://github.com/lancaster-university/microbit-v2-samples - クローンしたリポジトリのルートで、ビルド用フォルダ(ここでは
build
とします)を作成し、そこにcd
します
mkdir build && cd build
- 以下のコマンドを実行し、ビルドファイル生成およびビルド実行します
cmake .. -G "Ninja" -DCMAKE_BUILD_TYPE=RelWithDebInfo
ninja
これでバイナリファイルが生成されます
案外サクッとできるので記事にするほどでもなかったかもしれないですが、なんかの役に立てばうれしいです