導入:ついに「承認フロー」にAIが入ってきた
Copilot Studio を触っていて
「お、これは地味だけどめちゃくちゃデカい一歩だな…」
と感じる新機能が出てきました。
それが Run a multistage approval (preview)。
いわゆる「承認フロー」に、
AIが“承認 or 却下”を判断するステージを差し込める機能です。
これまでの Power Automate / 承認フローは、
- 条件分岐(if)
- 数値・フラグ判定
- 最終的には人が判断
が前提でした。
しかし今回の機能で、
「判断そのもの」をAIに委ねられる世界が見え始めています。
結論:これは「承認自動化」ではなく「意思決定のAI化」
先に結論です。
この機能の本質は、
❌ 承認作業を楽にする
⭕ 承認“判断”をAIに委譲できるようにする
という点にあります。
つまり、
- 承認者の代行
- ルールベース承認の高度化
ではなく、
「承認理由・文脈・背景」を踏まえて判断するAIステージ
が正式に用意された、ということです。
解決策:マルチステージ承認(AIステージ)の仕組み
全体構造(今回追加されたポイント)
申請データ
↓
AIステージ(判断)
↓
承認済 or 却下
↓
次の処理(終了 / 次承認 / 人手レビュー)
今回のポイントは AIステージ。
AIステージでできること
画面を見ると、以下が分かります。
- モデル指定(GPT-4.1 など)
- プロンプトに「承認/却下の判断基準」を明示
- 出力は必ず二択
- ✅ 承認済み
- ❌ 却下済み
つまり、
「Yes / No をAIに出させる前提設計」
になっています。
実装手順(超重要)
① AIステージのプロンプト設計
ポイントは 曖昧さを残さないこと。
悪い例 ❌
申請内容を確認して、適切に判断してください
→ これ、ほぼ確実に事故ります。
良い例 ⭕(実務向け)
以下の条件に基づいて判断してください。
【承認する条件】
- 金額が10万円未満
- 業務目的が明確に記載されている
- セキュリティ・コンプライアンス上の問題がない
【却下する条件】
- 金額が10万円以上
- 目的が不明確、または業務外利用の可能性がある
- 情報漏洩リスクが示唆される
上記条件のいずれかに該当する場合のみ判断し、
結果は「承認済み」または「却下済み」のどちらか一つを返してください。
👉 **「判断理由を書くな」ではなく「判断条件を書く」**のがコツ。
② 次のステップ設定
画面右側にあるこの設定、かなり重要です。
- 承認された場合 → 承認済みとして終了
- 却下された場合 → 却下として終了
- 失敗した場合 → 却下扱い or 人手へ
💡 実務では
「失敗した場合=人手承認へフォールバック」
が一番安全。
結果・効果:何が変わるのか?
Before(従来)
- 形式的な承認が大量発生
- 人が内容をちゃんと見ていない
- 承認スピードがボトルネック
After(AIステージあり)
- 明らかにOKな申請は自動承認
- NGパターンは即却下
- グレーだけ人が見る
👉 承認者は「例外処理」だけに集中できる
実務的Tips & ハマりポイント
Tips①:最初から100%自動化しない
- まずは「一次承認」だけAIに任せる
- 二次承認は人、が鉄板
Tips②:日本語プロンプトは具体性命
- 抽象表現(適切に・総合的に)はNG
- 条件は箇条書きで
ハマりポイント ⚠
- 「判断理由も出させる」→ その後の分岐で使えない
- 条件が重複 → モデルがブレる
- 失敗時の扱いを考えていない
学び・まとめ
この機能は、
- 承認フローの進化
- AIエージェントの「判断権限」付与
- 人とAIの役割分担の再設計
を一気に進める かなり思想寄りのアップデートです。
Copilot Studio は、
「質問に答えるAI」から
**「業務判断を担うAI」**に確実に進化しています。
次のステップ(今日やってほしいこと)
- 既存の承認フローを1つ選ぶ
- 「人が見なくてもいい判断」を洗い出す
- その判断条件を箇条書きにする
- AIステージにそのまま貼る
👉 まずは 影響の小さい承認から試してください。
ここ、間違いなく
2026年の業務設計の分かれ道になります。
