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プロジェクト管理の課題と解決(1)「必要なモノは造る」と自社でプロジェクト管理ツールをつくった話

Last updated at Posted at 2019-12-11

プロジェクト管理に関して、課題を多く感じているエンジニアの方は沢山いるかと思います。

私の職場では自前のプロジェクト管理ツールがあるため管理方法は徹底していますが、一言で「プロジェクト管理ツール」と言っても、頭に思い描くものも、必要な機能も、立場や個人によって違うということを最近強く感じるようになりました。

そこで、自社製品をより良いツールに昇華させる(と言ったら大げさですが)ために、「本当に必要とされているプロジェクト管理ツールとは?」を、何回かにわたって考えていきたいと思います。

##自社のニーズから生まれたプロジェクト管理ツール

弊社のプロジェクト管理ツールとグループウェアを合体させた『Time Krei』(タイムクレイ)は、社内の「欲しい」「必要だ」という声によって生み出された製品です。

『Time Krei』がリリースされたのは、2008年。すでにリリースから10年以上経っているこのプロジェクト管理ツールが、どのような思想で企画・開発されたのか。まずはそこから、過去の資料やインタビュー記事などからひも解いてみます。

株式会社テンダ(以後 テンダ)は、当時、IT系の人材派遣と受託開発に強みをもっていましたが、労働集約型の弱点も認識しており、今後の自社の飛躍のために、新たに自社製品/サービスを創出し「メーカー化」するという目標を持っていました。

**プロジェクト管理ツールとグループウェアを統合させた『Time Krei』**が生まれたのには、大きく2つの背景がありました。

まず一つ目は、テンダでは長年受託開発で培ったプロジェクトマネージメントに長けた人材が多く育っていたということです。

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)で体系的にプロジェクト管理を学んでいたメンバーも多く在籍しており、自分たちの強みである「開発のノウハウ」をサービスにすることが可能な状態でした。
同時に、当時の日本ではICT化が急激に進み、ソフトを開発するにも、Webサイトを立ち上げるにも「プロジェクト管理」は必須で、多くの課題を持つ企業が存在しており、ニーズも十分にありました。

##IPOという経営目線でも使えるツールを目指す

二つ目は、創業10年を越えたテンダがIPO(Initial Public Offering/新規上場)にチャレンジしようとしていたことでした。

IPOをするには個別原価管理など、リソースマネジメントをガバナンス的に実行しなくてはいけません。

当時からMicrosoft®の製品を筆頭に、いくつかのプロジェクト管理ツールが世の中には存在していましたが、端から試用をしてみたところ使い勝手が悪く効率的に管理できなかったり、値段が高い割に機能に足りないものがあったりと、不満点が無いプロジェクト管理ツールを見つけることができませんでした。

そこで、**「無いなら作ればよい。自分たちで、もっと良いものをつくろう。」**と『Time Krei』の企画・開発がスタートしたのです。

R&D(Research and Development)部門を設け、2007年8月に『Time Krei』の開発が本格的にスタートを切りました。時期を同じくして、テンダの主力製品の一つであるマニュアル作成ソフト『Dojo』(ドージョー)もこのR&D部門で開発が進みます。

2008年7月、『Dojo』のリリースから遅れること4か月で『Time Krei』は販売を開始しました。そして翌年にはASP・SaaS版もリリースされます。その後も改良を重ねた甲斐もあり、日経BP社主催の「クラウドランキング」に第4回から3回連続で「汎用情報系SaaS部門ベストサービス」に選出されています。

##グループウェアとプロジェクト管理を統合したコーポレートマネジメントシステム

開発時に考えられた『Time Krei』のコンセプトは、**「グループウェアとプロジェクト管理を統合したコーポレートマネジメントシステム」**でした。ターゲットはIT企業に関わらず、すべての「プロジェクト管理」が必要な小規模から中規模の企業です。

当時はIT・ソフトウエアの業界自体がまだ歴史が浅いこともあり、エンジニアの専門職としての価値を見出すよりも、労働時間を少しでも費やして成果物を上げなくてはいけないという、誤った方向に進んでいるように思えた…と当時企画をしたメンバーは語ります。

それもあり、プロジェクト管理だけではなく当時はまだ珍しかった**「ワークライフバランス」…自社の社員が正しい時間の使い方をし、より良い生活を送って欲しい**という想いを込めて『Time Krei』の基本機能は企画・設計されていきました。

日々どのぐらいの労働時間で、どういった業務をしているのか。それらが見えることによって早期に、効率的にリソースを動かしているか、まんべんなくタスクを振っているかなどといった課題を発見することができ、プロジェクト管理をする管理職だけでなく、従業員それぞれが問題を発見し対応することが可能になると考えられました。

10年以上も前の話ですが、「課題発見」をして「業務改善」し、「業務効率化」を目指すといった世間が今まさにしなきゃ!しよう!としていることが、『Time Krei』という製品の目的だったことに、驚きを覚えます。

##(今回のまとめ)まさに必要は発明の母

1980年代のアメリカで生まれたと言われる「ワークライフ バランス」の日本のスタートが1985年の男女雇用機会均等法だと考えると、すでに30年以上も前から行政では動き出していたことになります。その22年後の「骨太の方針2007」では「人口減少状況のなかで、経済成長を持続させ、生活の質を高くしていくことが、今後の日本経済の最も重要な課題である」と、さらに『生活の質』にも言及しています。

その翌年にリリースされた『Time Krei』は間違いなく、実際に現場で働く私たちが「ワークライフバランス」に取り組むことができるツールでもあるのです。

「プロジェクト管理ツール」って言ってしまうと、使う人も使用法も狭そうなのですが、実は色々な用途があるのですね?必要に迫られて造ったので盛りだくさんになってしまったのか、その盛りだくさんが「プロジェクト管理ツール」としてはどうなのか…は、今後時間ができたら考察してみたいと思います。

次回の「プロジェクト管理の課題と解決(2)」では、プロジェクト管理ツールの開発への追い風になったある出来事についてです。

もし、テンダプロジェクト管理ツール『Time Krei』(タイムクレイ)にご興味をお持ちの場合は、是非一度サービスサイトをご覧ください。

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