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セールス部門から一転、開発部門に異動してPdMになった話

Last updated at Posted at 2019-12-09

はじめまして。 @KaoriNamiki です。株式会社Photocreateの運営するスクールフォト販売サイトスナップスナップのプロダクトマネージャーをしています。

この記事は フォトクリエイト Advent Calendar 2019 の 10日目 の記事です。

自己紹介

新卒でフォトクリエイトに入り、全国500以上の幼稚園・保育園に現在私自身が担当しているサービスの導入提案、法人セールス部門リーダー、其の傍ら新規事業の立ち上げを経験しました。その後、弊社と業務提携している総合商社へ営業(セールス)連携のため出向し、約50名のセールスメンバーへの戦略立案・セールス推進担当を経て、約1年半前に開発部門に異動し、弊社初のプロダクトマネージャーとなりました。
現在プロダクトマネージャーとしては2年生、PdM(プロダクトマネージメント)グループも今年新しく設立しそっこーで新卒も配属され、日々テンヤワンヤを楽しんでいます。

スナップスナップについて簡単に紹介

全国の保育園~大学内でプロカメラマンが撮影した運動会や修学旅行の写真を販売するサイトです。

  • 現在の取引スクール数:約8,700校(2019年11月末時点)
  • 会員数:累計200万人
  • 月間MAU:約60万人
  • 購入点数/1日:約10万点

導入学校数は毎年130%と増え続けており、弊社の中でも伸び盛りのサービスです。
ステークホルダーはこども達を撮影する「撮影事業者」、撮影事業者への営業を行う「セールス協力会社」、撮影場所を提供する「学校やスクール」、学校に通わせる「保護者」となります。本サービスの利用有無を決定するのは撮影事業者で、撮影事業者が取引のある学校に本サービス導入提案をしてもらい、運動会等の写真撮影後初めて保護者がこのサービスを使うという流れです。

セールス協力会社.JPG

B2B2Cのサービスのため、我々のサービスでもあり、取扱をしていただく撮影事業者のサービスでもあり、そこにセールスをしている協力会社のサービスでもある。。。とステークホルダー多めでみんなから愛されるサービスです。

この記事のサマリ

  • PdMになってから約1年半の間でやってきたこと
  • そこから学んだこと・失敗したこと

PdMになった約1年半の間でやったこと

セールス部門から開発部門へ移動後すぐに開発メンバー含めたスナップスナップチームが結成されました。結成された当初は、phpなり、jsなり、なんのことだか全く分からないド素人な私でした。そして皆さん全員年上のプロ集団。
そしてこのチームのミッションは、顧客体験向上、サイトのグロースでした。
もうお察しの通りテンヤワンヤ。

会社の中でも1サービス1開発チームは新しい取り組み。
初めてのプロダクトマネージャーでサイトオーナー。
だからこそ正解や、正確な道はないので、こんな動きをしました。

1.チームメンバーと握手
まずは1人ずつチーム全員と月1回の「雑談タイム」を実施しました。
プログラム言語は分からないけれども、ギャグはわかるやつなんだな、という少しでも心理的安全性を感じてもらいたかったのと、その人の今をつくった過去、今から未来どんなことを考えているかを教えてもらうことで人となりを理解し、その上で開発チームの方向性をこの雑談タイムで相談する時間にしました。

次に、全ての会議のファシリ・議事録を担当し、自分の言葉で状況を理解しました。今でも難しい部分は多々ありますが、当時の私は一旦開発側で話している言葉を新しい言語だと思い、「◯◯と△△の話をしているから、つまりは□□の話で仕様としては問題ないってことですね。」と言葉を置き換えながら認識を合わせていきました。
分からないことは分からないと聞き、プルリクってなんだ?どんな順番でリリースするんだ?誰がなんの役割をしてて、どの流れで仕事するんだ、とググっても整理出来ない部分はとにかく質問して教えてもらいました。会議の最後はnamikiメモを常時記載して分からない言葉集について教えてもらう時間も取ってもらっていました。(一緒のチームの人には本当に感謝しかない。。。)

namikiメモ(ひどい。。。)
namikimemo.JPG

2.他部署のメンバーと握手
今までは営業側がサイトオーナーのような動きをしていたので、このサイトに対しては当時の営業部長と私で責任範囲や役割を話し合い明確にしました。また一番ユーザーボイスが集まってくるCSからは定性的な声を定量化し、サイトの改善ポイントを教えてもらいました。

3.ステークホルダーとの握手
(ここが一番大変でした。)上記記載の通り、一緒に営業活動をしていくパートナー企業は、「サービスの拡大=導入先の拡大」がミッションだったため(もちろんそれも正解)、保護者が利用するサービスではあっても、導入決定する撮影事業者目線が強かったので、私自身の役割定義・サービスへコミットすることを明確にし、サービスのオーナー権限を与えてもらいました。そこは私だけではなく社長からも権限委任することをパートナー企業に伝えてもらい、認識を揃えました。

関係各所との握手をしながら、サイトグロースに向け動きました。

サイトの全面リニューアル決定

当時の課題
元々のミッションである顧客体験向上、サービスグロースへ取り組みましたが、当時サイトは、2006年誕生後、営業活動の方向性に合わせて機能を追加したり、弊社が運営する他サイトとの連携をしたりと、まるで二世帯住宅や、香港の益昌大廈のような状態になっており、何か手を入れようとすると、また別の部屋を考慮しなくてはいけない等、開発スピードも遅くなっていました。

メンバーからもこのままのサイトだと動きづらすぎる、と雑談タイムで何人からも聞き、リリース後の開発スピード拡大と、現行のサイト課題の改善を目的にサイトの全面リニューアルを決断しました。

コアバリューの設定まで
まずユーザー理解のためそっこーで約100人の保護者に会いに行きました。

  • こども連れのピクニック
  • ママ会実施中のカフェ
  • 旦那出張、両親不在のワンオペ育児中の家庭訪問
  • 営業当時に仲が良かった園のお迎え時間

などなど、保育園・幼稚園・小学校位までの保護者をターゲットとし、菓子折り片手に、引っ付きまわって話を聞きました。(あの当時ご協力をいただいた皆さん本当にありがとうございます。)
また、ありがたいことに弊社にはママ・パパさん社員が多数いるので、お昼時に呼び出して、じっくり生態調査をさせてもらいました。

<ヒアリング時に大事にしていたこと>
聞きたい項目(今回でいうと「サービス内容」)を直接聞かないこと、選択的認知に陥らないよう自分自身の価値観の排除を徹底しました。

×(聞かないようにしたこと)

  • どんなサービスがいいですか?
  • 写真欲しいですか?
  • どこが使いにくいですか?

◯(実際に聞いていたこと)

  • 1日の生活の流れは?
  • 今何に一番時間を使っている?
  • 子供が出来る前と出来たあと何が変わった?
  • 年齢によって、子供関連の商品を買う基準って変わった? ちなみに全てなんでなんで攻撃をし、一度のヒアリング時は最大でも3つの質問を会話ベースで深掘りしていくようにしていました。

これは、セールス時代から意識していた部分です。

  • 人は自分が欲しいものを明確にわかっていない
  • 口に出す言葉の裏側には、その人の真のニーズが隠れている

このヒアリング後、チーム全員で集中討議を実施、主にリーンキャンバスとバリュープロポジションキャンバスを元に、我々のサービスで提供出来る価値は何かという部分を徹底的に考え抜き、サービスのコアバリューを設定しました。

↓当日のホワイトボード
当時の話2.JPG

その後プロジェクトが進む中で迷いがあったときは必ずこのコア・バリューに立ち返り、全ての判断軸をこのバリューに置いています。

その後は、きっと他の会社でもやっているであろう、
投資計画作成、役員稟議を上げ、各ステークホルダー全員に説明をし、追加募集をかけ採用・アサインし、要件定義、実装開始するものの、旧サイトがブラックボックス化していて難易度は高くなり、新しい技術への挑戦もし、デザインも統一し、、、一度はリリース延期判断もしましたが、2019年8月後半に、リニューアルサイトをリリースしました。(パチパチ)

この過程を書くと長くなってしまうので、詳細は 大規模開発でスクラムを取り入れてみた を参照してください。
まだまだ課題は残っているし、リリース後に延期した機能も沢山あります。
ようやくユーザーと一緒に拡大フェーズを作っていける土台が出来た所です。

この過程の中で学んだこと、失敗したこと

改めてこの記事を書くにあたり洗い出してみたのですが、あまりにも多くの学び=失敗があるので、箇条書き+詳細書ける所だけ抜粋して記載します。

PdMはプロダクトのwhat/whyを決めるが、決める前後が疎かになっていないか
開発が始まったあとは、優先順位の決定や要件の詰めなどを行っていました。要所要所で決めることを担っていましたが、決定に至った背景や理由の共有が足りていませんでした。また共有タイミングの差異により、情報が錯綜することがありました。
「共有の彩度」と「共有のタイミング」をチームメンバーだけではなくステークホルダーと合わせていくことを学びました。

コミュニケーション・コミュニケーション・コミュニケーション
セールスにいた時、10月末売上目標◯◯◯万円で残り1週間になった時にロスがあると、ざっくり確度80%でも「いけます!やりきります!」というコミュニケーションを取っていました。なぜかって最後の1日で大逆転が出来たから。でも開発は積み重ね。ビルと同じで足場がグラグラだと全てグラグラ、最後の1日でおしゃれな外装が作られてもすぐに倒れてしまう。私の確度80%の段階で決定内容を伝えて、その後何日か経って50%に変わったことで、開発が前後し、やり直しする事態が一度発生しました。変わる可能性があってもいいけど、グレーがあるならいつまでグレーがあるのか明確にする、事実と意思を分けて話をすることを改めて意識しました。

ステークホルダーを早めから巻き込んで味方を増やしておくこと
上記にあるように、このサービスは多くのステークホルダーが自分のサービスだと考えています。ただプロジェクトを遂行したり、改善をしたりするのは我々だったため独自で進めてしまい、ステークホルダーとの信頼関係が崩れる場面がありました。
多くの意見を取り入れすぎることによるプロダクトのブレは言わずもがなですが、一緒の大きなチームとしてプロジェクトを進める=一緒に作っている感覚の醸成は足りなかったなと反省です。

ビルド&スクラップを恐れないこと
今回のプロジェクトはとても大変でした。でもそれでも約1年前に要件定義をして仕様を決めて動いたもの。つまりもうすでに1年経っているんです。そして世の中も1年進んでいる。テクノロジーも変化しており、ユーザー層もまた若い保護者が増えてくる。そんな中で今作ったものを守りすぎることなく、市場に合わせて変えていくことを大事にしたいです。

最後に

何度もユーザーと言う言葉を記載してきましたが、本当のところでいうと我々にとって「ユーザー」はいないと考えているんです。いるのは子どもたちを愛している生身のお父さんお母さん。ついついユーザーって言葉で一括りにしてしまうけど、どの家庭も一つも同じ家庭はないです。それと同様に、我々のサービスも一つとして同じ商品はなく、在庫の概念もない。全てがその人だけの商品で、人生を彩る思い出を預かっています。
ECサービスを運営してて、こんなにも「一生の宝物」と言ってもらえる商品を提供している所中々ないんじゃないかなー。そんな届けていくことにワクワクする方がいれば、是非一緒に働きたいです。

フォトクリエイトではサービスを一緒に育ててくれる方を探しています。
少しでもご興味をお持ちいただけたようでしたら、人事部門の担当者 twitter: @tetsunosuke へお知らせください。

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