この記事はK4e Linux Distros Advent Calendar 2025の四日目の記事です
前書き
Linuxのデスクトップ環境は近年急激な成長を見せています。GNOME、KDE Plasmaなどの主要プロジェクトに加え、"Deepin"やPop!_OSの"COSMIC"、また、最近100万ダウンロードを記録したZorin OSが採用している"Zorin Desktop"など、Windows、macOSのUIに匹敵するリッチでユーザフレンドリーなデスクトップ環境が多くリリース、開発されています。
それでもWindowsユーザがLinuxへの移行に踏み切れない理由の一つ、それに「ゲームが遊べない」ことが挙げられると思います。Windows向けに作られたゲームは、もちろんそのままではLinuxでは動きません。wineのようなソフトを用意して環境を整える必要があります。
しかし、ただゲームが遊びたいだけなのにツールのセットアップに時間を費やす気にはなれません。様々なソフトが絡んでくるのでそれぞれに専門的な知識も必要になりますし、手間です。
そんな問題の解決に取り組んでいるプロジェクトの一つが今日紹介するNobaraです。
概要
- 系統: Fedora系(RHEL)
- パッケージマネージャ: Dandified Yum(dnf)
- リリースタイプ: Fedoraのリリースに合わせてリリース
- 想定用途: クリエイター、ゲーマー向け
Nobara Linuxはユーザがターミナルを開くことなく、インストール後すぐにゲームや動画などのコンテンツ作成に取り掛かれるようにカスタマイズされたLinuxです。
インストール
GRUB
デフォルトのUI
インストーラ
Calamaresが採用されています。
ロケーション選択
キーマップ選択
ユーザ情報を入力
ディスク選択 デフォルトでファイルシステムはbtrfsが選択されています。一般的にはext4が多いのでかなり珍しい。
内容を確認したらインストールを開始しましょう。
インストール中ゲームが遊べます。隣り合った色の玉を消していくゲームです。微妙にルールがわからないままゲームしていました。
最高得点は5393でした。全消しはできなかった…。
nobara-sync(後述)によるインストールが時間がかかるため他のLinuxのインストールより少し時間がかかります。
インストールが終わったら再起動しましょう。
インストール直後
hyfetch
ちゃんとアイコンがありますね。
カーネルはnobara独自のものを使用しています。Linux Kernel6.16はCPUスケジューラの改善、GPUドライバの改善、Btrfsの改善、ネットワーク系のアップデートなどハードウェア面のアップデートが多くNobaraで採用されているのも納得です。
デスクトップ環境はKDE Plasmaが採用されています。
アップデート方法
NobaraはFedoraベースのディストリビューションなのでdnf updateによってシステムアップデートができるが、それだけでは不十分です。
Nobaraはその特性上、パッケージのバージョン管理がサーバ用OSより煩雑になります。煩雑になる要因を2つ上げると「バージョンのダウングレード」と「レポジトリ構成の変更」です。
NobaraのFedora公式、Nobara独自リポジトリ、なんらかの影響でバージョンが上書きされたパッケージなどが混在し、バージョンがごちゃまぜになることがあります。その際、dnf updateをすると新しいパッケージがあると自動で更新してしまうため、Nobaraの独自パッチなど独自要素との競合が発生してしまうことが考えられます。
また、Nobaraでは頻繁にリポジトリ構成が変更されます。独自リポジトリが統合されたり、特定のパッケージが独自ビルドに切り替わったり…。dnf updateはリポジトリ設定の変更の追跡や自動修正まではできないので競合が起こってしまう可能性があります。
これを解決するのが"Update System"です。
独自二用意されたアップデートシステムを使えば、パッケージ競合の問題を解消できます。cliでは
nobara-sync cli
というコマンドでNobara独自のアップデートシステムを参照できます。
日本語環境
terminalなしでmozcを導入できます。
Flatpostでmozcと検索します。
Fcitx5用のMozcをインストールします。
設定で仮想キーボードをFcitx5に変更します。
右下にキーボードのアイコンがあるのでそこをクリックするとメソッドを選べます。ここでMozcを選ぶと日本語入力をすることができます。
Steam
Steamがデフォルトで入っています。
日本語に変更しても問題なくフォントが適用されています。実はちょっとすごい。
東方星蓮船
Steamでは各ゲームに対象OSが設定されており、対象OS以外ではゲームはそもそもローカルインストールできません。しかし、NobaraではどういうわけかWindowsのみ対象のゲームもローカルインストールができます。
お試しにノートパソコンでも動く東方星蓮船を動かしてみます。
東方星蓮船のシステム要件は以下のようになっています。
対象OSはWindows 10以降のみ。しかし、Nobaraではインストールができます。
SteamにおいてOSの偽装をしているかと思ったのですが、ちゃんとLinuxとして認識してました。余計に謎です。
動作はかなり安定しています。
日本語フォントもWindowsのものとは違いますが、用意されていますね。
まとめ
Windows向けのゲームがローカルで動いたことに驚いた。GUIの動作がたまに不安になることがありますが、ゲーム、配信などに使えそうなとても面白いLinuxです。
明日は人気ランキング1位(?)のLinux、CachyOSを紹介します。

















