この記事はK4e Linux Distros Advent Calendar 2025の四日目の記事です。
概要
トルコ政府が開発支援するDebian派生Linux
- 系統 Debian系
- パッケージマネージャ apt
- リリースタイプ 不定期リリース
- 想定用途 官公庁・教育機関デスクトップPC向け
Pardusとは
Pardusはトルコ政府が開発、管理を進めているDebian派生のディストリビューションです。トルコ政府機関、教育機関向けに焦点をあて開発が進められていますが、トルコ語だけではなくさまざまな言語に対応しています。日本語のUIもかなり綺麗です。
Pardusプロジェクトは2004年初頭に、TÜBİTAK BİLGEM(Informatics and Information Security Research Center)の国立電子暗号研究所(UEKAE)内に専門チームが結成されたことから始まりました。
初期はGentoo Linuxベースだったようですが、現在はDebianベースで開発されています。
これには訳があるようで、プロジェクトがULAKBİM(National Academic Network and Information Center)に移管された際、プロジェクト目標が改定されたことがきっかけのようです。改定後は「公共部門におけるオープンソースソフトウェアとフリーソフトウェアの導入」を最優先の目的として据えるようになりました。
現在の最新バージョンはPardus 25.0(Bilge)で2025年11月24日にリリースされました。Bilgeはトルコ語でwise、賢いという意味です。Pardus 25.0はxfce、GNOMEで提供されています。古いPCでは軽いxfce、比較的新しいPCはUIの綺麗なGNOMEを使うのが良いでしょう。また、Beta版としてRaspberry Pi向けのエディションが用意されています。さらに教育機関向けにPardus ETAPというエディションが用意されています。Pardus ETAPは電子黒板向けの面白いエディションです。
Pardus通信教育センター(PARDUS Uzaktan Eğitim Merkezi)(https://uzem.pardus.org.tr/)というものが用意されています。こちらではPardus Desktopの使い方講座や教師向けにPardus ETAPの使い方講座、LinuxのトレーニングやPythonのプログラミング講座など、Pardusを用いたLinux、プログラミング講座を提供しています。
Pardusは数年前触った際も完成度の高さに驚いたLinuxディストリビューションでした。早速インストールしていきましょう。
インストール
GRUB
えらべる言語は2種類、トルコ語と英語。Englishを選びましょう。

起動直後
デスクトップレイアウトを設定できる
せっかくなのでPardus Styleで

カラーを選べます。
壁紙も選べる。なかなか凝っています。
Display設定
様々なデスクトップ拡張。Bluetooth Battery MeterやSystem Monitorなどあるとうれしいデスクトップ表示を追加できます。
時間表示の変更。
出来上がったインストーラーのデスクトップ画面。すごくきれいです。
言語は日本語を選択できます。
タイムゾーン選択
インストールが終わったら再起動をしましょう。
インストール後
インストール直後は先ほどのUIカスタマイズ画面が出てきます。好きなように設定しましょう。
terminalで入っているソフトウェアを確認しましょう。
hyfetch
neofetchは使うことができません。hyfetchでスペックを確認します。
Pardus GNU/Linux 13.2 (yirmibes) となっておりややこしいんですが、/etc/os-releaseを見てみるとちゃんとPardus のバージョンは25です。元となっているDebianのバージョンが13.2、ということです。
カーネルは6.12.57+deb13-amd64を採用しており、昨日のROSAと異なりDebianのカーネルをそのまま使っています。
cat /etc/os-release
kanade@pardus-virtual-machine:~$ cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Pardus GNU/Linux 25 (yirmibes)"
NAME="Pardus GNU/Linux"
VERSION_ID="25.0"
VERSION="25.0 (yirmibes)"
VERSION_CODENAME=yirmibes
DEBIAN_VERSION_FULL=13.2
ID=pardus
HOME_URL="https://www.pardus.org.tr/"
SUPPORT_URL="https://forum.pardus.org.tr/"
BUG_REPORT_URL="https://talep.pardus.org.tr/"
ID_LIKE=debian
PARDUS_CODENAME=yirmibes
参照しているレポジトリのデフォルトはdepo.pardus.org.trです。
Official Pardus Package Repository Addresses
deb http://depo.pardus.org.tr/pardus yirmibes main contrib non-free non-free-firmware
deb-src http://depo.pardus.org.tr/pardus yirmibes main contrib non-free non-free-firmware
deb http://depo.pardus.org.tr/pardus yirmibes-deb main contrib non-free non-free-firmware
deb-src http://depo.pardus.org.tr/pardus yirmibes-deb main contrib non-free non-free-firmware
deb http://depo.pardus.org.tr/guvenlik yirmibes-deb main contrib non-free non-free-firmware
deb-src http://depo.pardus.org.tr/guvenlik yirmibes-deb main contrib non-free non-free-firmware
ファイルエクスプローラ
GNOMEの「ファイル」が採用されています。ちなみにこの「ファイル」、Nautilusという名前で知られていましたが、サポートされている言語ごとに新しい名前がつけられ「ファイル」というソフトになったようです。
アプリケーション一覧
GNOMEの基本ソフトに加え、LibreOffice、GIMP、VNCなどがデフォルトで入っています。教育機関、オフィス向けのソフトとして納得の選択です。
Pardus Update
PardusのUpdaterです。Ubuntuと同様にGUIでアップデートできます。
日本語入力環境
ibus-mozcをインストールします。
sudo apt install ibus-mozc
ibusデーモンを起動させます。
ibus-daemon -rd
セッティング画面で日本語>Mozcを追加します。
ibus-setup
これでMozcによる日本語入力環境の導入が完了です。
まとめ
トルコ政府が開発支援するDebian派生Linux
政府が開発支援を行っているだけあり、完成度が高く、そのまま教育機関やオフィスに導入できそうなLinuxです。初めてのLinuxとしては個人的にはUbuntu Desktopくらいおすすめです。Pardus GNOMEはGNOMEの標準ソフトを採用しているため、多くが日本語対応しています。UIが綺麗なDebianとして使えます。
日本にも似たように政府主体で開発が進められているLinuxを探してみましたが、見つかりませんでした。日本初の日本ユーザ向けのディストリビューションというとMIRACLE LINUX(https://www.miraclelinux.com/)があります。サイバートラスト株式会社が開発を進めているRHEL互換のLinuxディストリビューションです。サポート期間は10年ですが、有償により、10年以上のサポートも可能だそう。国産Linuxが使いたければ第一に名前が上がるOSです。
MIRACLE LINUX 9まではRHEL9互換でリリースされましたが、RHEL10からはAlma Linuxの共同開発メンバーとしてMIRACLE LINUXの開発メンバーがjoinしたようです。国産Linuxを冠していたLinuxの名前が消えるのはちょっと寂しい。
明日はFedora派生のゲーミングOS Nobaraを紹介します。




















