LoginSignup
23
10

[失敗談]情報系の学生が典型的なフィッシング詐欺に引っかかってApple IDを失った話

Last updated at Posted at 2024-04-13

はじめに

情報工学を専攻しており、エンジニアとしても就職が決まっている大学院生が、フィッシング詐欺に引っかかった話について、赤裸々に語っていこうと思います。

日曜日

5年間使っていたノートPCにもガタが来ていたため、この日ついに、私はMacBookの購入を決意しました。価格は30万円弱です。

macbook.jpg

しかし、購入予定のMacBookが比較的新しいモデルだったためか、決済方法として、クレジットカードかApple Gift Cardしか選択できませんでした。私はクレジットカードを所持していなかったため、Apple Gift Cardで購入しようと思い、コンビニへとApple Gift Cardを買いに行きました。

コンビニでは、10万円分のApple Gift Cardを3枚(合計30万円分)購入しました。実はここでも、ちょっとした事件が発生していて、コンビニでプリペイドカードを使った詐欺と勘違いされたのです。その時店内にいた3人の従業員が全員集まってきてしまい、10分ほどかけて何を購入しようとしているかを説明しました。もちろんこの時は、まだ詐欺に引っかかってはいません(笑)。

なんだかんだでApple Gift Cardを購入できた私は、ウキウキで帰ってMacBookを購入しました。

その後、Apple Gift Cardに数千円分の余りが出たため、その分をApp Storeにチャージしようとしたら、なぜか10万円分がまるまるチャージされてしまい、決済方法を「20万円分のApple Gift Card」+「App Storeの残高」に変更しました。
おそらく、この段階では注文を確定しただけであり、実際にお支払いが済んでいた訳ではなかったためだと思います。
この後で説明するのですが、この時のちょっとしたミスが原因の1つとなって、私は10万円分の損失を出します。

MacBookを購入した私は、その後、バイト先の同僚と一緒に、夜から朝まで約10時間カラオケに行きました。もちろんお酒の飲み放題付きです。

月曜日

朝まで飲んでいた私は、家に帰って健康診断があったことに気づき、もう寝てる時間もないと、2時間ほど休憩してそのまま健康診断に向かいました。
この2時間の休憩中に、SMSによるフィッシング詐欺に引っかかったのですが、酔っていたこともあり、正直ショートメッセージからリンクを踏んだことも、リンクがおかしいことも、まったく記憶にないです。何となく、配送状況を確認するためにApple IDやパスワードを打ち込んだかな?といった感じで、当然メールにきたリンクから確認していると思っていました。

まんまと詐欺られているとも知らず、「寝不足」+「若干お酒も残った状態」で健康診断に行ったところ、そこでも事件?が発生します。

私の所属する大学では、健康診断にきて最初に検尿を提出し、身長と体重、血圧の測定...といった流れで進みます。しかし、お酒を飲んでいたからか、それとも寝不足すぎたのか、血圧がとんでもなく低かったです。
測り間違いかと、合計3回測定しました。しかし、何度測っても値が低く、さすがの私もマズイと思い、寝ていないことと、朝までお酒を飲んでいたことを話しました。その結果、ちゃんと怒られ翌日再検査となりました...世にも珍しい健康診断をリジェクトされた珍事件ですね。

その後は、家に帰って夜まで爆睡し、夜ご飯を食べてまた爆睡です。

火曜日

爆睡して完全な健康状態となった私は、健康診断へと向かいました。そこで、健康診断の待ち時間で溜まっていたメールなどを確認していたのですが、iCloudのメールアドレスに恐ろしいメールが複数来ていました。

mail-sagi.jpg

これらのメールに気付いた私は、慌ててメールボックスの中を確認したのですが、配送状況確認用のメールなど1通も届いていません。そんな中、念のためSMSの方も確認してみるかと思い、SMSを確認してみると...

sms-sagi.jpeg

とんでもなく怪しいショートメッセージがあるではないですか...

しかし、これらに気付いた時にはもう手遅れで、パスワードだけでなく、信頼する電話番号も変更されてしまっており、私にできることは、Apple Accountを停止することだけでした。

しかも最悪なことに、この時の私はMacBookを購入していました。そのことについてAppleサポートの方に確認していただいたところ、注文はキャンセルになってしまっていました。さらに不幸は重なるもので、私は決済の一部をApp Store残高から支払っていたため、その残高10万円は帰ってきませんでした。不幸中の幸いと言っていいのか、支払いに使っていた20万円分のApple Gift Cardは、また使えるようになると言われました。

また、私はiPhoneとiPadを所持しているのですが、これらに関しても、いずれアクティベーションロックが掛かってしまい、使えなくなるそうです。
これに関しては、購入証明書を所持していれば問題なかったそうですが、私が捨ててしまっていたのと、Appleのオンラインストアでの購入時に登録したメールアドレスがiCloudのものだったため、購入証明書の再発行ができませんでした。購入時の大切な書類は保管しろ、という教訓になりました。本来は当たり前なことですが...

被害まとめ

以下に、具体的な被害について紹介します。

  • App Store残高10万円分を失う
  • いずれアクティベーションロックが掛かってしまい、iPhoneとiPadが使えなくなる
  • 各種設定しているメールアドレスの変更が必要になる(地味にこれが超大変)
  • アカウント認証をApple Accountでしていたため、Udemyのアカウントを失う(購入済みの十数個の講座が見られなくなる)
  • iCloud上のデータにアクセスできない

さいごに

今回の件があり、様々な教訓を得ました。

  • 情報系に強いとされる人間であっても、状況次第では騙されてしまう
  • リスク分散(Apple Accountに依存しすぎていた)
  • セキュリティはちゃんとしろ(Apple IDの2ファクタ認証ぐらいやっとけよ...)
  • お酒はほどほどに
  • 事態の対処は早急に(仮にもっと早くメールに気付けていたら被害はここまで大きくならなかった)
  • 購入時の大切な書類は保管しろ

ここまで、私の自分語りにお付き合いいただいた皆様には、私の件を反面教師としていただけましたら幸いです。

また今回の件をばねに、いつか「○○さんほどの人が、フィッシング詐欺に引っかかったことあるなんて意外です」と多くの方に思ってもらえるように精進していきたいと思います。

23
10
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
23
10