なんとなく脳トレがてら1日1問解説しようと思っただけです.飽きたらやめます.
明日以降は一階線形微分方程式を扱う予定です.
問題
微分方程式,
\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=\frac{y}{x}+\frac{x}{y},
を解け.
ポイント
- 見るからに$\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=f\left( \dfrac{y}{x} \right)$ の 同次形 です.
- 同次形では,$u=\dfrac{y}{x}$ とおくことにより,$ \dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x}=\dfrac{f(u)-u}{x}$ の変数分離形を作ることができます(明日に証明を問題にします).
- $u$ は $x$ についての関数であることに注意してください.
- 同次形については,ヨビノリさんの動画もご参照ください.
解説
同次形なので,$u=\dfrac{y}{x}$ とおくことにします.
さて, これを整理した $y=ux$ の両辺を $x$ で微分することで($u$ は $x$ の関数であることに注意しましょう),
\begin{align*}
\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x} &= \dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x}\times x + u\times 1=x\dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x} + u,
\end{align*}
が得られます(同次形のときは毎回この式が登場するので,ここまでの流れは暗記してもまぁ大丈夫です.).ここで,$\left(f(x)g(x)\right)^\prime = f(x)^{\prime}g(x)+f(x)g(x)^{\prime}$ ,「積の微分」と呼ばれるものを用いました.
上記を微分方程式に代入して整理したいのですが,右辺第2項は $\dfrac{x}{y}=\dfrac{1}{u}$ となるため,$u$ が恒等的に 0 になってはNGです.そこで,場合分けを行いましょう.
① $u\neq 0$ のとき
\begin{align*}
\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}&=\frac{y}{x}+\frac{x}{y},\\
x\dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x} + u&=u+\frac{1}{u},\\
x\dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x}&=\frac{1}{u},\\
\therefore u\dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x}&=\frac{1}{x},\\
\end{align*}
と変形できます.そんなわけで,無事に変数分離形を得ることが出来ました.
あとは両辺を $x$ で積分し,整理していきましょう.
\begin{align*}
\int u\dfrac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d}x}\mathrm{d}x&=\int\frac{1}{x}\mathrm{d}x,\\
\int u\mathrm{d}u&=\int\frac{1}{x}\mathrm{d}x,\\
\frac{1}{2}u^2&=\log|~x~| + C_1~~~(C_1: 任意定数),\\
u^2&=2(\log|~x~| + C_1),\\
u^2&=2\log|~x~| + 2C_1,\\
u^2&=\log|~x~|^2 + 2C_1,\\
\therefore u^2&=\log x^2 + 2C_1.
\end{align*}
ここで,$a\log b = \log b^a$ を用いました.
最後に,$u=\dfrac{y}{x}$ とおいたことを思い出して,
\begin{align*}
\left(\frac{y}{x}\right)^2&= \log x^2 + 2C_1,\\
\therefore y^2&= x^2(\log x^2 + C)~~~(C: 任意定数).
\end{align*}
と求めることが出来ました.
なお,特に指定の無い場合は,$y$ について解く(陽関数の形にする)必要はありません.
② $u=0$ のとき
$u=0$ のとき, すなわち $\dfrac{y}{x}=0$ のとき, $y=0$ です.
ただし $y(x)=0$ は,任意の実数 $x$ に対して,恒等的に $y$ が 0 になることを意味するため,元の微分方程式,
\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=\frac{y}{x}+\frac{x}{y},
を満たしません(右辺第二項より).
したがって,本問の微分方程式 $\dfrac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=\dfrac{y}{x}+\dfrac{x}{y}$ の解は,$x\neq 0$ に対して,
y^2= x^2(\log x^2 + C)~~~(C:任意定数).
【参考】 Wolframalpha
非常に便利なので皆さん積極的に使っていきましょう.