はじめに
本記事は、watsonx.ai SaaSを利用する際のプラン選定の参考情報を提供します。具体的なプランの違いや特性について簡潔に整理しており、各種サービスのプランや課金体系を理解することで、最適な構成を選ぶ助けとなることを目的としています。
免責事項
- 本記事は、2024年12月25日時点の公開資料をもとに筆者が独自に整理・解釈した内容です。最新かつ正確な情報については、必ず公式マニュアルをご確認ください。
- 本記事の内容をもとに意思決定を行う場合は、ご自身の責任において実施してください。本記事の利用によるいかなる損害や不利益についても一切の責任を負いません。
watsonx.aiの利用に必要なサービス
watsonx.aiを利用するためには、以下のサービスが必要です。それぞれ複数のプランがあり、必要に応じて自由に組み合わせることが可能です。
必要なサービス一覧
- watsonx.ai Runtime(旧 Watson Machine Learning)
- watsonx.ai Studio(旧 Watson Studio)
- Cloud Object Storage
Prompt Lab(生成AIの推論)のみを利用する場合、watsonx.ai Studioに対する料金は発生しません。
(参考リンク: watsonx.aiStudio ツールの請求詳細 - Prompt Labのリソース使用状況)\
製品ページなどで示されるwatsonx.aiの3つのプランは、実際には「watsonx.ai Runtime」の3つのプランに対応しています。ただし、各サービスのプランや課金方法を理解することで、より柔軟で最適な構成を選択できます。
watsonx.ai Runtime(旧 Watson Machine Learning)のプラン選択
watsonx.ai Runtimeには3つのプランが提供されています。
プラン概要
プランによる機能差があり、標準(Standard)プランのみ、モデルを専用ホストにデプロイする機能が利用可能です。
課金方式
watsonx.ai Runtimeは利用する機能ごとに異なる方法で課金されます。
- 生成AI推論:トークン消費量に応じた課金。モデルや入出力トークンの単価は異なります。
- カスタム基盤モデルのホスティング、モデルのオンデマンドのホスティング:ホスト稼働時間に応じた課金。
- テキスト抽出(PDF→json, markdown):ページ数に応じた課金。
- Tuning Studioや機械学習機能:CUH(Compute Usage Hours)に応じた課金。
標準(Standard)プランでは2500CUHが含まれ、超過分は従量課金です。
参考リンク
詳細は以下をご参照ください。
- watsonx.ai pricing
- watsonx.ai ランタイムサービスプラン
- ジェネレーティブAI資産の請求詳細
- 機械学習資産の請求詳細
- watsonx.ai Runtime 価格表、見積ツール
watsonx.ai Studio(旧 Watson Studio)のプラン選択
watsonx.ai Studioには以下の2つのプランがあります。
プラン概要
- ライトプラン:月10CUHまで無料
- 専門家(Professional)プラン:有料プラン
課金方式
- Prompt Lab(生成AIの推論)はコンピュートリソースを消費せず、課金が発生しません。
- Notebook、Data Refinery、SPSS Modelerなどの機械学習機能はCUH(コンピュートリソースの消費時間)に応じて課金されます。
詳細は以下をご参照ください。
Cloud Object Storage のプラン選択
Cloud Object Storageには以下の2つのプランがあります。
プラン概要
- Standardプラン:従量課金型。12か月間5GBまで無料。
- One Rateプラン:定額料金型。大量データのアウトバウンド通信に適しています。
標準プランの無料利用枠
12ヶ月経過時、または以下の制限を超過した場合は従量課金が発生します。
- 最大5GBのストレージ
- 最大20,000件のGETリクエスト
- 最大2,000件のPUTリクエスト
- 最大10GBのデータ取得
詳細は以下をご参照ください。
まとめ
watsonx.aiの各サービスのプランは、利用目的や規模に応じて柔軟に選択できます。最新の公式情報を確認し、自社のニーズに最適なプランを選定してください。