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VSCodeでFFRPGをシュッと始める 環境構築/ソースをIFSへPush編

Last updated at Posted at 2024-01-12

:muscle:前置き

  • 前職では、IBM i(AS/400)の開発はエミュレーターからSTRPDM、既存ソースで参考になるものをPDMのOPT:3でコピーして~を繰り返していました。
  • そんな私ですが、最近ようやくFFRPGを触る機会を持つことができ、以下の感想を持ちました。
    • 「わたしたちの知っているRPG開発ではない」
    • 「書きやすいし、他言語経験者にも優しい」
    • 「FFRPGを扱えるようになることによってIBM iの開発者が他言語にトライするハードルが下がりそう」
  • 早く始めなかった理由は、業務やコスト以外に開発環境構築が大変そう、CCSIDとかいろいろ考えないといけないのでは?という始めることへの漠然とした不安でした。
  • この不安を取り除いて、シュッと素早く、安全に環境を構築し、FFRPGに飛び込む人を増やしたいと思い、記事に残したいと思います。
  • 様々な方の良い記事を参考にして本記事を作成しておりますが、個人的な意見を含んでおります。ご承知おきください。

本編の前に

:question:VSCodeで固定長のソースコードは編集できるのか

  • お試しで、データ転送でtxt形式でダウンロードしたソースコードの拡張子を.rpgle、.rpgに変更して確認しました。
  • 尚、下記にあるVSCodeの拡張機能がインストールされている前提で確認をしております。

:bulb:固定長編集はできるが、使いづらい。VSCode開発はFFRPGを選びたい

  • RPGⅢ、RPGⅣ(固定長) → 編集はできます!が、桁位置などがずれると大変&プロンプトがないので、慣れない人は苦戦しそうです。
    image.png

  • RPGⅢはRPGⅣへソースの変換 (CVTRPGSRC)をし、FFRPGに徐々に変えていくことをお勧めしたいです。

  • SEUのプロンプトのような機能を求める場合は、RDi(Rational Developer for i)がおすすめです。

  • また、プロンプトが優しいSEU自体は、V6.1で機能追加はされておらず、様々な便利関数が使えない状況です。

  • 上記のことより、VSCodeでよりモダンに楽しく開発をするならFFRPGに挑戦していただきたい、と思います。

0. 環境前提

  • PC環境
    • Windows11
  • 接続先IBM i
    • IBM iバージョン:V7.4
    • QCCSID:1399(5035でも恐らく同様で、問題ないと思います) 
    • 導入済ライセンスに5733SC1があり、OpenSSHが利用できる状態

1.【PC】VSCode/拡張機能インストール

VSCodeインストール

  • まずはインストーラーをこちらから取得する
  • Windowsユーザーの方はexeをダブルクリック→ウィザード通りに操作を行う

拡張機能インストール

  • Ctl + Shift + X または 左のパズルアイコンの拡張機能を押下し、拡張を追加する
    • 拡張機能は必須と任意があります。表にしたのでごお好みでインストールを!
拡張の名前 必須or任意 何ができる拡張?
Japanese Language Pack for Visual Studio Code 必須 VSCodeの日本語対応
IBM i Development Pack 必須 VSCodeでRPG/CL/COBOLのソースコードの保守、コンパイルといった開発が簡単にできてしまう拡張機能のパッケージ
SFTP 必須 PC→IBM i(IFS)へソースコードの自動保存用に使用
indent-rainbow 任意 FFRPGのインデントを美しく表示してみたい人ー!
vscode-icons 任意 アイコンがわかりやすい!FFRPGには対応していませんが…

2.【IBM i】SSHD起動

  • 5250画面のエミュレーターにて以下コマンドを実行し、SSHDを起動
    STRTCPSVR *SSHD
    
  • SSHDの起動状況を確認
    • SSHD起動後、QUSRWRKサブシステム内にジョブQP0ZSPWPが開始される。このジョブが存在しているかを確認
  • QCCSIDが1399ではなく、65535の場合は…
    • SSHD起動ユーザープロファイルをCRTUSRPRFで作成する
      • ユーザープロファイルを作成時CCSIDを5035にする
    • SSHD起動ユーザープロファイルでSTRTCPSVR *SSHDコマンドを実行

3.【IBM i】ソースファイルを配置するフォルダ作成

  • 5250画面のエミュレーターにて以下コマンドを実行
    • ※作成ディレクトリは任意。今回はffrpgsrc_for_qiitaとする
    MKDIR DIR(‘/home/<ユーザー名>’)
    MKDIR DIR(‘/home/<ユーザー名>/ffrpgsrc_for_qiita’)
    

4.【PC】PCフォルダに保存したソースをIFSに自動Pushさせる(SFTPを利用)

  • まずはVSCodeを開き、フォルダを開くを押下
    image.png
  • 任意のフォルダを選択、開く
    • 今回はffrpgsrc_for_qiita
  • コマンドパレットを表示
    • Windows:Ctl + Shift + P
    • Mac:Cmd + shift + P
  • sftpと入力し、SFTP:Configを選択
    image.png
  • jsonファイルが開くので、以下の内容で更新を行う
    • uploadOnSaveをTrueとすることで、フォルダ・ファイルを保存をするとIFSに自動更新(自動転送)がされる
    • remotePathには 3.で作成したソースファイル配置ディレクトリを指定
    {
        "name": "<任意で指定>",
        "host": "<IPまたはホスト名を指定>",
        "protocol": "sftp",
        "port": 22,
        "username": "<ユーザー名>",
        "password": "<パスワード>",
        "remotePath": "/home/<ユーザー名>/ffrpgsrc_for‗qiita",
        "uploadOnSave": true
    }
    
  • 公開鍵認証を使う場合は"password":の行を削除し、"privateKeyPath:"にて、秘密鍵を設定する(PPK形式は使えなかったので、OpenSSH形式で作成しました)
  • 秘密鍵のパスと名前は、ご自身で作成したものを読み替える
    {
        "name": "<任意で指定>",
        "host": "<IPまたはホスト名を指定>",
        "protocol": "sftp",
        "port": 22,
        "username": "<ユーザー名>",
        "remotePath": "/home/<ユーザー名>/ffrpgsrc_for_qiita",
        "privateKeyPath": "C:/Users/<ユーザー名>/.ssh/openssh_key",
        "uploadOnSave": true
    }
    

5.【PC→IBM i】VSCodeにてIBM iへ接続設定を行う

  • IBM iの接続情報を作成する

    • 左メニューバーのIBM iサーバーアイコンを押下>SERVERS +ボタンを押下
      IBMiNewConnection.png
  • Connection情報に以下を入力

    Left align Right align
    Connection Name Connectionに接続名を入力
    Host or IP Addless 接続する区画のIPまたはHost名を入力
    Port 接続時使用ポート(22ポートでOK)
    Username サインオン・ユーザー
    Password サインオン・ユーザーのパスワード
  • 秘密鍵を使う場合はパスワードは入力せず、Private keyを選択する(こちらの拡張機能はOpenSSH、RFC4716、PPK形式に対応しています)
    image.png

  • 入力後、Connect ボタンを押下

6.【PC】サンプルコードの作成とPush

  • VSCodeのエクスプローラーエリアで右クリック、新規ファイル作成

  • ffrpgsrc_for_qiitaフォルダ直下にadd10.rpgle というサンプルのファイルを作成
    image.png

  • ソースコードは以下を貼り付け(内容はCALL時の引数に10を足してDSPLYするもの)

    **free
    
    ctl-opt dftactgrp(*no) main(main);
    //---------------------
    // main処理 add10
    // CALL PGM(コンパイルするLIB/ADD10) PARM((S (*CHAR 1)) (900 (*DEC 9 0))) 
    // サンプルコード
    //---------------------
    
    dcl-proc main;
        dcl-pi *N;
            #kubun char(1);
            #number packed(9:0);
        end-pi;
        
        if #kubun = 'S';
            dsply  subpro(#number);
        else;
            dsply '区分NG';
        endif;
        
    end-proc;
    
    dcl-proc subpro;
        dcl-pi *n varchar(52);
            number packed(9:0);
        end-pi;
    
        dcl-s dsplay_message  char(52); 
    
        number = number + 10;
        dsplay_message = '返却結果:' + %char(number);
    
        return dsplay_message;
    end-proc;
    
  • 上記ソースコードをCtrl + Sで保存

    • 保存することにより、PC→IBM i(IFS)へPush完了

7.【PC】IFSにPushされているか確認

  • 左下IFS BROWSERにて、 4.にてsftp.json内でremotePath指定したパス(/home/<ユーザー名>/ffrpgsrc_for_qiita)にサンプルソースが存在していることを確認
    image.png
  • IBM iの5250画面でも確認
    image.png
    • SO/SIは自動的に挿入されているため、ソース側で特別にSO/SIを追記することは不要

おまけ

  • SFTP拡張機能を使ってSSH接続でターミナルをオープンさせる
    • 左サイドバーのSFTPアイコンを押下、5.で設定したIBM iの接続設定のフォルダ(緑塗りつぶし部分)を右クリックし、Open SSH in Teminalを選択
      SFTP.png
    • わざわざ別ターミナルでssh接続しなくてよいのでちょっと便利

😢躓いた点→解決:sunny:

2byte文字が文字化けてる!?

  • 他区画(V7.5)で同様の作業をした際、IFSにPushされたファイルはCCSID:1208(UTF8)のはずなのですが、819になっていました。
  • 暫定対応として、5250画面でファイルの属性変更(CHGATR)で、*CCSIDを1208に変更して、その後は問題なしです。
    image.png

解決:v:

  • 長らくPTFをあてていなかった区画だったので、最新の累積PTFとTRをあて、解決しました。

おわりに

  • ローカルPCでソース編集をし、IFSにPushするところまでを実施することができました。
  • 次回、VSCodeでコンパイル時の設定(ライブラリーリスト変更、コンパイルコマンドのパラメータ変更)とコンパイルリストの確認方法の記事を追加予定です。

参考記事

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