1. はじめに
ここ最近、AIツールを業務や調査に使う機会が増えてきました。
ChatGPT、Gemini、Notion AI、Genspark、Manus、Perplexityなど……。
でも、どのツールをどのような場面で活用すればよいかが初心者の方だと難しいのかなと思います。
そもそもツールによっては、
- 情報が浅い
- 出典があいまい
- 図表がない
- 構成が整っていない
このような不満を感じながら、仕方なく「あとで手作業で整えるか……」と妥協しながら使ったりもしています。
そんな中で出会ったのが、今回紹介する Skywork というツールです。
本記事では、Skyworkの活用方法を中心に
- 競合ツールとの比較
- 技術的観点からの考察
- 実際の出力結果
の3つの軸で紹介していきます。
2. Skyworkとは?
一言でいうと「ドキュメント・スライド・表計算を一気に作れるAI」
Skyworkは、調査・分析レポートを ドキュメント+スライド+スプレッドシート の3つの形式で同時に出力できる、AIツールになっています。
特徴を端的に言えば、以下のようなイメージです:
機能 | Skyworkが提供する内容 |
---|---|
ドキュメント | 分析結果・業界トレンド・課題の整理などが入った構造化文書 |
スライド | プレゼン用に最適化された図表+見出しスライド |
スプレッドシート | 数値データ、SWOT、PEST、4Pなどの分析表 |
さらに、ChatGPTやGensparkでは難しかった 専門用語の正確さ、構成の一貫性、図表の豊富さ なども一気に解決してくれます。
3. 実際に比較してみた:Skywork vs Genspark vs Manus
今回は、同一テーマ「日本の生成AI市場動向」を調査するというプロンプトでSkywork・Genspark・Manusの3ツールを使って出力比較をしてみました。 (2025年6月地点)
項目 | Skywork | Genspark | Manus |
---|---|---|---|
作成時間 | 約4分 | 約6分 | 約7分 |
スライドページ数 | 24ページ | 12ページ | 14ページ |
図表の数 | 10枚以上 | 5枚 | 6枚 |
情報の深さ | 専門的(法務・金融も網羅) | 基本情報レベル | やや詳しい程度 |
出典リンクの明示 | ◯(明示+URLあり) | △(曖昧な箇所あり) | ×(明示なし) |
特に驚いたのは 図表の構成。
しかも、ただの表ではなく スライドの見栄えを考えたビジュアル になっているのが嬉しい。
4. Skyworkの技術的なポイント3点
① 情報取得・構造化能力が圧倒的
Skyworkは 独自の専門DBやAPI群 を通じて情報を取得。ChatGPTのように一般的なWeb知識に依存せず、金融や法律などの 一次情報ソース にもとづいて構成されています。
「どこからこの情報を持ってきたのか?」が明示されており、出典の信頼性が高い
② 図表の生成精度とロジック構成
PEST分析やポーターの5フォースなどの定番フレームワークも、
「自動で分類 → 要点抽出 → スライド化」 まで一発。
さらにMarkdown → Google Slides or PowerPoint形式へと変換できるため、
開発会議や営業資料にも即活用できます。
以下はサンプルの家計収支より予算表や収支バランスをExcel形式で出力したものの例です。
③ MCP/APIによる開発者向け拡張性
Skyworkは、生成物を単なる人間向けアウトプットとして提供するだけでなく、**開発者による自動化や組織内システム連携を前提とした出力形式MCP(Multi Content Protocol)を備えています。
出力イメージ
{
"document": {
"title": "生成AI市場の動向",
"sections": [
{
"heading": "1. 市場の成長背景",
"content": "..."
}
]
},
"slides": [
{
"title": "市場成長率",
"content": "2023年〜2025年で年率38%成長",
"chart": {
"type": "line",
"data": [xxxx]
}
}
],
"spreadsheet": {
"sheets": [
{
"name": "市場データ",
"rows": [xxxx]
}
]
}
}
このように、構造化されたJSONでスライド・表計算・ドキュメントの中身がすべて取得できるため、以下のような拡張が可能になります。
🔁 活用例①:レポート自動生成 → Slack通知まで全自動
- Pythonなどで毎月のリサーチトピック(例:特定の業界動向)を指定してAPIでSkyworkにリクエスト
- MCP形式で返ってきたJSONを、Google Slides APIやGoogle Sheets APIで自動で社内用ファイル化
- Slack Webhookに「資料生成完了」の通知を送信 → チームに即時共有
これにより、ノーコードでは難しかった「レポート作成から社内共有までの自動化」が1時間単位ではなく“5分”程度で完了します。
📊 活用例②:Skywork生成スライドをそのままBIツールに流し込む
-
spreadsheet
データを自社のBigQueryにETL連携 -
document
セクションを社内Wiki(例:Notion)に自動投稿 -
slides
をPowerPointテンプレに変換して営業資料に活用
このように、Skyworkを情報生成ツールというより「社内インフラの入口」として使えるのが特徴です。
5. その他の新機能もかなり強い:音声ポッドキャスト/高速モード/テンプレ統一
2024年7月のアップデートでさらに便利になった新機能たちも紹介します。
● 音声ポッドキャスト生成(日本語・韓国語対応)
- 自分の作ったレポートから、通勤中に聞けるポッドキャストを自動生成
- 日本語の合成音声が自然で、移動中のインプットに最適
● 高速モード
- Deep Researchでは数分かかるところを、1分未満でアウトラインだけ欲しい人向け
- 会議前の「仮説構築」「背景調査」にちょうどいい
● テンプレート自動統一機能
- 自社用にアップロードしたスライドテンプレを自動で反映
- フォント・色・サイズなどの微調整が不要に
これにより「AIが作ったっぽいスライド」から脱却し、プロが作ったような資料が一発で仕上がります。
6. まとめ
AIツールの中でもSkyworkは、
- 情報の 深さ(Deep)
- 作成の 速さ(Fast)
- 出力物の 美しさ(Styled)
という3軸すべてを高水準で実現している、希少なツールだと感じました。
「AIレポート=浅くて微妙」と思っていた人ほど、ぜひ一度試してみてください。
7. 最後に
他にも色々な記事を書いているので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。